がま口職人中川守和さん(千葉市在住)守り伝えていきたい希少な手仕事
「がま口」ときくと、なんだか懐かしく感じませんか? 職人としてがま口と向き合う中川守和さんにお話を伺いました。
職人の先輩である妻との出会いから
稲毛海浜公園そばの稲浜ショップの一角に、希少な技術の持ち主、がま口職人・中川守和さんの店はあります。
中川さんは22歳の時にがま口製作の業界に入り、後の妻となる幸子さんと出会います。
独立後も、器用に仕事をこなす幸子さんを手伝いながら、職人としての腕を磨きました。
中川さんが持っている口金は200種類にも上ります。
口金の形状に合わせてがま口を作れるのは、長年培われた技術があるからこそ。
いざ作ってみると金具の部分が難しく納得がいかないことも。
がま口と向き合う真剣な横顔からは、普段の穏やかな中川さんとは少し異なる、職人としての厳しさが伝わってきます。
作る技術を伝承するために
年々、高齢を理由に、抱えているがま口職人が減り、現在は2人になってしまったそう。
地元の小学生の職場体験では、開け方が分からない、がま口そのものを知らない子に出会い驚くことも。
「がま口は長く使うほど革が手になじみ使いやすくなる。また閉めた時のパチンとなる気持ちの良い音など、今後は教室などを開催して、がま口の良さを多くの人に伝えていきたい」と中川さん。
「時代に合わせたデザインを考えて財布を作るのが面白い。お客さまに直接販売し、お客さまの喜ぶ顔を見たい」…中川さんがここまでものづくりを続けてきた一番の理由は、人が好きだから。
手作業の芸術は丁寧に受け継がれていきます。(取材・執筆/ぶんぽん)
中川守和匠店
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