鉄道警察隊 「痴漢・盗撮許さない気運を」 森川大隊長インタビュー
日々多くの人々が行き交う駅や列車内の利用者の安全を最前線で守る神奈川県警察鉄道警察隊。痴漢・盗撮をはじめとする犯罪の抑止・検挙、鉄道事業者との連携など、多岐にわたる活動について、約80人の隊員を束ねる森川大隊長に話を聞いた。
―主な任務は。
「鉄道施設や列車内を私服や制服で警戒警備しています。横浜駅東口に本隊があるほか、分駐所が新横浜駅、川崎駅、小田原駅、海老名駅にあります。隊員は交代制で24時間、各種犯罪に目を光らせています」
―どのような事案が多いのでしょうか。
「昨年の同隊の検挙数は473件。そのうち痴漢・盗撮は約半数を占めています。その他に、不正乗車やすり、駐輪場での自転車盗などの犯罪が多目立ちます」
―春は痴漢や盗撮が増えると聞きます。
「新入学・新入社シーズンは電車利用に慣れていない人も多く、被害が増える傾向にあります。小型カメラをバッグに仕込む、傘の先端にピンカメラを付けるなど、手口も巧妙化しています」
―被害に遭わないため、また遭ったらどうすればよいのでしょうか。
「エスカレーター乗車時や列車内では周囲をよく見て警戒を。また、被害を目撃したら『大丈夫ですか』と声をかけたり、情報提供をお願いします。本隊には、電車内痴漢等迷惑行為相談所を24時間体制で開設、女性隊員も常駐しています。列車内や駅で困ったことがあればご相談ください。また、電話(【電話】045・461・0110)でも受け付けています。社会全体で痴漢・盗撮を許さない、という気運を高めていきましょう」
―各鉄道事業者との連携もされていますね。
「横浜駅では地震発生時に津波の被害が予測されます。鉄道事業者と連携して避難訓練を行ったり、犯罪や事故の共有、痴漢・盗撮防止対策を進めています」
―任務にあたり大切にしていることは。
「被害者の無念を晴らせるのは我々しかいません。誰のための何のための組織なのか、考えて任務にあたるよう、日々隊員に伝えています」