五感を解き放つ、九州おみやげ喫茶──六本松「CARTA」で香りと味の小さな旅
感度の高い個性的な店が並ぶ福岡・六本松1丁目に、築60年の民家をまるごとリフォームした「CARTA(カルタ)」が誕生。コンセプトは“福岡・九州のおみやげ喫茶”。日本の土壌が育んだ香りや味を、まるで旅するように五感で味わえる新しい拠点です。扉を開いた瞬間、ふわりと一気に癒しを感じる香りが全身を包みこんでくれます。
視線の先には、U字型の大きなカウンター。その中央でひと際目を引くのが、実験器具さながらのガラスの蒸留器です。東京のBARシーンでも注目されているという“素材を蒸留して香りを楽しむ”スタイルをいち早く体験!そして、九州の素材で体感できる特別なお店なんです。
「いずれは自分の店を持ちたい」という思いを温めてきたオーナーの矢田部さん。オンラインで香りのアイテムを販売していた頃、コロナ禍のおうち時間で香りの需要が急増。実際に香りを体験してもらえる場を作りたいと決意されたそう。
この日抽出していたのは、熊本の不知火菊の葉。100gの葉に400mlの水を注ぎ、じっくりと熱を加えます。ほんの150mlだけ得られるフローラルウォーターは、まるで植物そのものを閉じ込めたよう。数日寝かせることで青さが落ち着き、清らかな植物の香りが立ちのぼります。気化した香りが真水に移り、雑味のない澄んだ香りを届けてくれる様子はまさに“香りの実験室”です。
続いて、五感で楽しむカフェメニューをご紹介しましょう。おすすめは3種あるドリンクから選べる「フローラルドリンクとスイーツセット」です。こちらはノンアルコール(2,200円・税込)と、アルコール(2,750円・税込)があります。
ドリンクは福岡・久留米と朝倉で育てられた銀梅花(ぎんばいか)を使った「銀梅花と林檎のハニースパークリング」をチョイス。まずはジンジャーシロップとはちみつのほのかな甘みをそのまま味わいます。次に銀梅花のフローラルウォーターをつぎ足していただきます。初夏の緑を思わせる爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、味わいはよりまろやかに。
続いて、珍しいハーブが香るアイスクリームをいただきました。レモングラス、またはローズゼラニウムから選ぶことができます。レモングラスはフレッシュなレモンのような清涼感とミルクのコクが広がり、余韻は驚くほど上品でした。
九州各地の素材を閉じ込めた「CARTAキュウシュウクッキー」は、さっくりしっとりとした食感。この日は「みやこだいずきなこ(宮崎)と嬉野焙じ茶(佐賀)」と「花良治胡椒とチーズ(鹿児島)」、「九年母(熊本)」の3種が味わえました。ほかにも長崎の「ざぼんカステラ」もありましたよ!
素敵なパッケージの「CARTAキュウシュウクッキー」は“九州を持ち帰る”おみやげとしても最適です。前述した以外に、福岡・八女の深みある緑茶、長崎・五島列島の海水から作られるまろやかな天然塩、大分の甘み豊かな九州醤油なども使用。それぞれの土地の風土が一枚一枚に息づきます。素材の違いで表情が変わるため、食べ比べる楽しさも格別です。
カフェで出会った香りや味わいは、ギフトとして持ち帰ることも可能。人気の銀梅花ディフューザーは、鈴蘭とムスクが織りなす大人のブーケのような香りで、清らかさと幸福感を運んでくれます。
天然由来成分96%以上のハンドクリームは調香師プロデュース。鉱物油・合成香料・パラベン不使用で、素肌にもやさしい一品です。
さらに、店内には九州中の良質なクラフトブランドが集結。香りのアイテムはもちろん、ハーブティーの茶葉、スパイスなど、自分へのご褒美はもちろん、贈る人のセンスが伝わるギフトが揃います。
香りをきっかけに土地の記憶を辿り、味わいを通して癒やしをもらえる。そんな提案をしてくれる「CARTA」は、忙しい日常にそっと彩りを添えてくれる場所です。おみやげを選ぶ時間も、カフェで過ごすひとときも、福岡・九州の豊かさに浸れる特別な体験になることでしょう。
【CARTA(カルタ)福岡旗艦店】
●住所:福岡市中央区六本松1丁目3-15
●営業時間:10:00~19:00(喫茶 18:30 ラストオーダー)
●定休日:水曜日
●HP:https://carta.website/