バスケットボール男子日本代表・富永啓生が描く「パリ発NBA行き」の夢切符
ネブラスカ大卒業し、帰国会見
バスケットボール男子日本代表の富永啓生(23)が6日、オンライン会見に出席し、夢のNBA入りへの思いやパリ五輪への意気込みを語った。
2023年9月のワールドカップで日本代表として大活躍し、パリ五輪の出場権獲得に大きく貢献。留学先の米ネブラスカ大でも得意の3ポイントシュートを武器に充実のシーズンを終えて卒業し、前日5日に帰国した。
「毎日練習した練習場やチームメイト、バスケットに関わった時間が一番の思い出です。ネブラスカの最終年でマーチ・マッドネス(NCAAトーナメント)に出場できたのはよかった。ネブラスカで過ごした3年間は一生忘れない」と充実の表情。その上で「お寿司、焼き肉などアメリカでは良いクオリティのものがないので日本食を楽しみたい」と久々の日本での生活に笑顔を見せた。
夢のNBA入りへワークアウトでアピール
田臥勇太、渡邊雄太、八村塁に次ぐ日本人4人目のNBAプレーヤーを目指す富永は、キングス、クリッパーズ、ブルズのワークアウトに参加。ワークアウトは各チームがドラフト候補選手のプレーを見る貴重な機会で、富永には6、7チームからオファーがあり、その中から3チームを選んだという。
「自分のストロングポイントは出せし、良い動きをしていたと言われた。手応えはありました」と振り返る。
今年のドラフトは6月末の開催。「ドラフトコンバインにも召集されなかったり、現段階では難しいが、対戦してきた選手とか、一緒にワークアウトしてきた選手が選ばれると思うんで、楽しみにしてる部分はある」と胸の内を明かした。
NBAで6シーズンプレーし、来季から日本に戻ることを決めた渡邊雄太からも「自分より長くNBAでやってくれ」と言葉をもらった。さらにNBAプレーオフを現地で観戦し、ルカ・ドンチッチらスーパースターのプレーを目の当たりにしたこともあり、NBAへの思いは膨らむばかりだ。
「大物選手は物怖じせずに落ち着いてプレーしていた。あの舞台に立ちたいと思いました」と瞳を輝かせた。
パリ五輪で「歴史を作る」
夢を叶えるためにも重要になるのがパリ五輪だ。48年ぶりに自力で五輪出場を決め、日本中を感動させたワールドカップから9カ月が経った。
「すごく楽しみにしています。また代表選手とプレーできるのが楽しみ」と話す。その上で「来季の所属先が決まってないので、パリ五輪で活躍してチームからオファーをいただけたらいいなと思っている」とNBA入りへアピールしたい考えだ。
6月22、23日には北海道でオーストラリア戦が予定されている。「1年ぶりの日本での試合を楽しみにしています。自分のエネルギー溢れるプレーとか、観客と一体となって盛り上げるプレーを見てもらいたい。武器の3ポイントを見せられたら」と意気込む。
さらにその先、パリ五輪本番では7月27日にドイツとの初戦が待つ。
「日本のバスケットの歴史を作っていきたい。100%を出し切ってそこから結果がついてくる」
日本バスケットボール界の次代を担う23歳。人生のターニングポイントとなりそうな富永の熱い夏がいよいよ始まる。
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記事:SPAIA編集部