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【ブランディングの原点】想いや強みの“見える化”|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)#1

にいがた経済新聞

こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

前回までのコラムでは、昨今注目されている「ウェルビーイング」をテーマに、ビジネスや人材育成に役立つ情報をお届けしてきました。

今回からの新たなテーマは、「ブランディング」。

「ブランディング」という言葉が世の中で広く知られるようになってきた今だからこそ、改めてブランディングの本質や大切にしたい考え方について、弊社の事例を交えながらお伝えしていきたいと考えています。

まずはその序章として、「なぜ今、ブランディングが大切なのか」そして「私たちが考えるブランディングとは何か」などについてお伝えします。

ご興味がありましたら、ぜひ最後までお読みいただけますと幸いです。

“コア”となる想いや強みを明確にする

最近は、いろんなものを「ブランディング」と呼ぶようになったなと感じます。

例えばWebマーケティングのことをブランディングと呼んだり、イベントもSNSも、あらゆる施策をブランディングと捉える時代。私たちの会社がブランディングの事業をはじめたのがもう20年ほど前になりますが、その頃と比べると言葉自体の認知も広まっているし、ブランディングが大事だという認識はかなり定着しているなと思います。

そんなブランディングにおいて、一番大事なことは何か。それは、会社や商品自体の“コア”となる部分が明確になっていることです。

会社や商品など、それぞれのコア(核)となる考え方や強みは何か。これらが固まっていないと、ブランディングは上手くいきません。「この会社は(商品は)こういうもの」という定義が曖昧なままでは、良いブランドにはなり得ないと思います。

だから、ブランディングにおいてまずやるべきことは、それぞれの強みや魅力、他にない個性、考え方や信念などを明確にすることです。

そのためには、会社や商品の分析をすることも必要になってきます。会社のこれまでの歩みや、いま置かれている状況や自分たちが提供できること、考え方や理念、ミッションビジョンバリューと呼ばれる働く人たちの意識。これらを明らかにして、社員の意識を合わせることが必要になってきます。

すごく難しいことのように思われるかもしれませんが、紐解いていくと「そこにいるリーダーとメンバーたちが何を叶えていきたいか」ということを対話の中で明確化するという、シンプルな作業に行きつく場合が多いのです。

ですから、私たちが手掛けるブランディングは、まず人との対話からはじまります。社内ワークショップやアンケート調査などを行って、本人たちの考え方や「こうなりたい」という想いをどんどん固めて形にしていく。要は、潜在的にあった意識を顕在化する、“見える化”していくということ。この“見える化”が、非常に大事な作業なのです。

個性を“見える化”し、唯一無二のブランドへ

インターネットによって全世界と競合になる現代。望むと望まざるとにかかわらず、みんなが競争に巻き込まれている時代とも言えます。

そんな時代の中で選ばれ続ける存在であるために、自分たちに見えていなかった魅力や、形になっていなかった想い・考え方を“見える化”し、個性として世の中に発信していく。これは、大企業でも中小企業でも、個人事業主でも、どんな会社においても必要なことだと思います。

たくさんの情報があるこの時代の中で、目立たなきゃいけない。そして、その上でファンを獲得していかなきゃいけない。そのために、誰もがオリジナルの個性をきちんと表現していくことが、この先さらに重要になってきます。

考えを明確化したり、人と話しながら想いをすり合わせていく作業は、本当はすごく面倒くさいことでもあります。強い意志がないと、できないことかもしれません。だけど、そこには必ず隠された大切な想いがあるはずです。

それらを形にして、他にない個性を表現したブランドを作り上げる我々の仕事は、とても重要で、やりがいのあることだなと思っています。

“見える化”は、その人や会社の世界観を築き上げるものでもあります。はじめは脆く小さな砂のお城みたいだったものが、個性を見える化し表現していくことで、大きく立派なお城になっていく。さらに、そこに人が集まることで、どんどん大きなエネルギーが生まれはじめる。そんなふうに、一つの世界を作り上げていくお仕事をさせてもらっていると、誇りに思います。

自分たちにもはっきり分かっていないような、もやもやした想い。そういうものは、どの会社にもチームにもあると思います。ここを“見える化”することができると、覚悟が決まっていきます。「これでやるしかない」という、その研ぎ澄まされた想いは、ブランドを作り上げる鍵になる。そういうものを“見える化”していくことが、私たちの仕事、私たちのブランディングです。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関本 大輔(せきもと だいすけ)

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

【連載コラム ブランディングコラム】
#12 新潟の街をウェルビーイングに

#11 “人を育てるチームづくり”が未来を変える

#10 本物が揃う店『久保田NIIGATA』のブランディング

#9 越後雪室屋のブランドづくり

#8 成果を手に入れるために意識したいこと

#7 社員を輝かせる目標設定のポイント

#6 夢や目標を掲げて生きることの意味

#5 自分を知ることが原点。『MBTI』による自己認知方法(後編)

#5 自分を知ることが原点。『MBTI』による自己認知方法(前編)

#4 その人らしさを認め合うことからはじまる“心理的安全性”

#3 ウェルビーイングに働くための“良いチーム”づくり 後編

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#1 人と企業が自分らしく輝く “ウェルビーイングな社会”へ

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