第5話終盤の朗読シーンは様々な方法で収録が行われた!? 『紫雲寺家の子供たち』安済知佳さん、高野麻里佳さん、高橋李依さん、菱川花菜さん、市ノ瀬加那さんら5姉妹キャストが前半戦を振り返る
『彼女、お借りします』で知られる宮島礼吏先生が原作の漫画『紫雲寺家の子供たち』。そのTVアニメが2025年4月8日より放送中です!
作品の岐路となりうる大きな伏線を感じさせられたシーンや、今後の紫雲寺新と姉妹たちの関係を占うことになる告白がことのからあった第5話。
今回はそんな第5話放送を経た、紫雲寺家の5姉妹を演じる安済知佳さん(紫雲寺万里役)、高野麻里佳さん(紫雲寺清葉役)、高橋李依さん(紫雲寺謳華役)、菱川花菜さん(紫雲寺南役)、市ノ瀬加那さん(紫雲寺ことの役)に、これまでの物語のなかで印象に残ったシーンやアフレコ時のエピソードをお話いただきました!
アフレコ時のエピソードやキャスト間での交流など、和気藹々とした雰囲気のエピソードが飛び出す場面も。一部ネタバレを含むため、ぜひ第5話視聴後にご一読ください!
【写真】『紫雲寺家の子供たち』5姉妹キャストが第5話までを振り返る【インタビュー】
アニメでしか見られないシーンにちょっとした補完要素も……!?
――今回のインタビューが掲載されるのは第5話放送後となります。ここまでの物語を振り返ってみていかがですか?
紫雲寺万里役・安済知佳さん(以下、安済):第5話終盤の朗読シーンが印象に残るよね。
紫雲寺謳華役・高橋李依さん(以下、高橋):本編とは違うどこか別時間軸の新が出てきましたね。紫雲寺家の秘密パートというか、そこで出てくる“拝啓”から始まるフレーズがどこか手紙のようで、あれ!?っていう空気感でした。
安済:これって誰の声だかわからない、誰が誰に宛てた手紙なのかを隠せる漫画だからこその演出じゃないですか。それをアニメという音の付いた媒体で描くために、ちょっと工夫が必要になったんです。いったいどういう演出で見せてくれるのか、(インタビュー実施時点では)まだオンエアをチェックしていないので私たちも把握していません。だからワクワクしています。
紫雲寺清葉役・高野麻里佳さん(以下、高野):そのシーンは全員分収録したんですよ。
安済:一文を誰かが読んで、その後に別の人が続いて……みたいな録り方もしたよね。
紫雲寺ことの役・市ノ瀬加那さん(以下、市ノ瀬):全員分収録したものが使われるのか、ひとりのものなのか、それを混ぜ合わせたものなのか現時点ではわかっていなくて。
紫雲寺南役・菱川花菜さん(以下、菱川):アフレコ現場でもここは無音にするかどうかが話し合われていて、打ち合わせしながら進みました。
高野:みんな収録はしたけれど、もしかしたら無音ってこともあるかもしれないね。
――今から放送が楽しみです。ほかには何かありますか?
高橋:原作にはないシーンなのですが、第2話終盤の南が仲直りするところが気に入っています。イヤホンの件で喧嘩しちゃうのですが、南が新月堂のミニケーキセットを買ってきてくれるんです。
第1話で謳華が「南みたいな妹いらない」って言ってしまったところは、私個人としてもちょっと言い過ぎたなって、胸に引っ掛かるフレーズだったからこそ、こういう形で和解が出来て嬉しかったです!
菱川:私もあそこ、大好きなんです……!
――第5話まで放送を終え、ヒロインたちそれぞれのキャラクター性も見えて来たかと思います。ご自身の担当されるキャラクター以外で気に入っている姉妹も教えていただければと。
安済:南です!
菱川:やったー!
安済:万里目線で原作を読んでいる時は、清葉の大胆だけどちょっと頭が固いところや謳華の正直すぎる感情表現、ことののクローゼットの妖精ぶりやそこから出た瞬間に大胆なところとか、もうみんな可愛くて大好きになりました。
南は当初、太陽みたいな子だな……くらいの印象だったのですが、アフレコでばなちゃん(菱川さん)が演じる時の声を聴いたら胸に刺さってしまって……。底なしの明るさの中に南なりの葛藤や実は空気を読んでいる部分があったり、他人に弱さを見せないところもあったり。色々な一面をアフレコ現場で見ていたらキュンキュンしちゃいました。
見た目も確かに八重歯とか、にぱーっと笑った顔は可愛いです。後は明るい毒のない声で受け取りようによってはナイフみたいな言葉を繰り出すのですが、ばなちゃんの声とお芝居のおかげで毒が出たり牙が出たりしないんです。アフレコを経てかなり南推しになってきていますが、みんなが大好きなのは変わらないです!
――先ほどガッツポーズされていましたが、菱川さんは今のお話を伺っていかがですか?
菱川:この録音データ、後でください……!
一同:(笑)。
高橋:疲れた時に聴いてね!
――(笑)。高野さんはいかがでしょう?
高野:私も実は南推しでして。
菱川:よしよしよし!(またガッツポーズしつつ)
高野:原作を読んでいた時は万里推しだったんです。あの包容力に甘えたくなっちゃう感じとか、ギュっとハグしてくるのもからかいだけでなく優しさが感じられて、大好きだなって思ったんです。
もちろんアフレコでも大好きだったのですが、原作ではそこまで自分にはひっかからなかった南が、声を聴いただけで明るくて優しい、ぽかぽかした気持ちになるような感覚を受けて。発声なのか音なのかわからないのですが、その演技が本当に大好きなんです。葛藤とか笑顔とか、色々な表情をばなちゃんの演技で見たいなって思わせてくれたので、南推しになりました。
――南が人気ですね!
菱川:私、明日死ぬのかなって……でも嬉しい……!!
一同:(笑)。
――次は高橋さんですが……。
高橋:実は謳華以外にもうひとりオーディションを受けたキャラクターがいまして……南なんです。 私の中に南の脳内再生イメージがあったのですが、それが自分で演じてみても出なかった……。だけど、アフレコ現場に入ったら「南ってこうなんだよなぁ」と思っていた南がそこにいたんです!自分もやったからこそ、この子が南に選ばれて良かったみたいな気持ちにもなったので、凄く嬉しくて特別視しちゃってます!
菱川:ヤバい……幸せ過ぎて事故に遭ったりしないよう気を付けなきゃ……。
安済:ここはひとつ飛ばして、先に加那ちゃんからにしようか!
菱川:本当に好きなキャラで大丈夫なので、言ってください……!
市ノ瀬:もちろん南も大好きなんですけど、実は清葉が個人的にイチオシです。原作を読んだ時は大人っぽく喋るのかな?なんてイメージしながら読んでたんですけど、高野さんの演じた清葉がいい意味で想像と違ってて、清葉の事がすごく好きになりました。
可愛らしいお声で難しいことを喋るギャップがまた素敵だなって。そして何かを常に秘めているような雰囲気もありつつ、底が読めない。何かもっと清葉を知りたいと思わせてくれるお芝居をしてくださっているなと思ったんです。
高野:なんか嬉しい……! 自分では全然しっくり来ていなかったけれど、何か認めてもらえた気がしますね。
安済:この声であの役っていうのが良いんだよね。
高野:その采配をしてくださった方が凄いよね。私の声で清葉だなんて、誰が考えてくださったんでしょう。
――ありがとうございます。では菱川さんもお願いします。
菱川:みんな大好きなのですが万里ちゃんです。新兄にはいっぱいちょっかいをかけたいのですが、万里ちゃんには逆にかけられたい。万里ちゃんとふたりで旅行とかに行ったら、もしトラブルが起きても楽しい思い出になりそうだなと。経験からなのか肝が据わっているところもあるし、上手くまとめてくれそうですよね。万里ちゃんと一緒に旅行……行きたいですね!
一同:(笑)。
安済:新以外はあんまりからかわないもんね。
菱川:だから万里ちゃんにからかわれたいし、弄ばれたいし、ドギマギしたい……。
高橋:ギュってして欲しいよね。柔らかいんだろうなぁ……。
アフレコ現場をざわつかせた1リットルの紙パック豆乳……その持ち主は!?
――前回から凄く和気藹々とした雰囲気だなと感じていたのですが、アフレコ現場も同じような感じで賑やかなのでしょうか? 何か印象に残ったエピソードなどはありますか?
高橋:はい! クソデカ豆乳!
高野:絶対笑われちゃうから待って!
安済:私たちが座るアフレコブース内の椅子があるのですが、その後ろに飲み物やのど飴を置くスペースがあるんです。この作品のアフレコが始まった当初はなかったのですが、何週か進んだ後に1リットルの無調整豆乳がドーンと置いてあって……(笑)。
350mlくらいの小さいパックだったらわかるのですが、そんなのが置いてあったら「なんでブースに…!?」と思うじゃないですか。席的にはまりんか(高野さん)だけど、最初は座っていなかったのであれは誰のものなんだろうという話になりまして。それで戻って来たまりんかが当たり前かのように開けて飲み始めたら「どういうこと?」ってなって……。
高野:いやだって、みなさんだって1リットルのスポーツドリンクとかお水とか、持ち歩きますよね!?
安済:でも1リットルの紙パックの豆乳はさ、もう冷蔵庫にあるやつなんだよ!
一同:(笑)。
高野:もう夏も過ぎましたし、丸一日持ち歩いてもお腹を下したことがないので、いいかな……と。喉を潤して保湿したい時に、水だと物足りない時にちょうどいいんです。後はタンパク質が豊富で牛乳にはない豆ならではの栄養があるし、私はご飯を食べないとお腹が鳴っちゃうタイプなので、その対処としてもピッタリなんですよ。
安済:しっかりした理由はあるんですけど、見た目のインパクトが凄くてみんなでざわついたんです。
高橋:もう一個、密告いいですか!
安済:密告大会始まってんの!?
高橋:ばなちゃんがクソデカ豆乳に影響されたのか、自分で豆乳を購入してお家で飲み始めたそうなんです。
菱川:あのシーンを間近で見たので、高野さんの影響です!
高橋:やっぱり影響を受けたんだね。
高野:だってばなちゃんがさ! 私が豆乳を持ってくる度に「今日は持ってるんですね!」って!
高橋:もう信者みたいなね(笑)。
高野:そうそう。パワースポットアイテムみたいになっていたのですが、ある日ばなちゃんから「開封後一ヶ月経った豆乳はチクチクした味がしました」って報告が来て(笑)。
高橋:置き過ぎちゃったんだ。
菱川:そうなんです……。
高野:それで「開封後はすぐに飲んでねって書いてあったでしょ!」って、何か姉妹みたいな会話をした覚えがありますね。
一同:(笑)。
――他には何かありますか?
菱川:私が市ノ瀬さんの猫ちゃんのファンアートを勝手に書いて送っていたのですが、そうしたらキャンパスに絵を書いてお返しを送ってくださったんです。私の好きな紫色を載せたキャンバスアートで、嬉しくてその日はみなさんに自慢しました!
安済:何そのおしゃれな交流!?
高野:凄いんだよね。凹凸があるから光の当たり方や間接照明でイメージが変わるようなアートになっていて、滅茶苦茶おしゃれでした!
市ノ瀬:わー、嬉しい!メディウムという画材を使ったんです。結構簡単に描けるのでオススメです。本当に花菜ちゃんの書いてくれたウチの猫がすごく可愛くて、上手だったから感動したんです!描いてくれてすごく嬉しかったので、何かお礼をしたいなと思って私もお返しに描きました。
安済:あと、実は作品に関連して5姉妹キャストで交換ノートをやっています。一番手が私だったのですが楽しいですね。アニメと連動したランキングを作ったり感想を書きあったりして続いていったのが本当に楽しくて。こういうことを作品と一緒に楽しめるって嬉しいなと思っていました。
高橋:交換ノートなんて、学生の頃ぶりな気がします。
高野:その日にアフレコした感想とかを書くんだよね。
安済:この記事が世に出る頃にはファンのみなさんも楽しめているはずですし、みんなの個性が出ているので楽しみにしていてください!
☆アフレコ交換ノートはこちらからチェック
――収録現場ではそんな楽しい出来事があったんですね。最後に、物語もここからさらに盛り上がっていくと思いますので、今後の見どころと視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします。
安済:第5話でことのが衝撃の告白をしたので、この先の展開が気になってしまうかと思います。本当に色々な展開が待ち受けているのですが、実は万里はアニメでしか知れない部分が描かれることも多いように感じていて。それが演じていて楽しくもあり、原作の読み方が変わったりしました。万里役としてはそのあたりを楽しみにしていただければと思います。
高野:オーディションではリアクションを大きめにしていましたが、アフレコ時のディレクションで、全てポーカーフェイスで行くことになりました。清葉は意外と表情豊かなものの、演技は抑えめでいく方針になったので、もしかしたら彼女の心の機微が見えづらいところが出てくるかもしれません。
後半戦ではどれだけ清葉の素顔が明らかになるのか私もまだ想像がつかないのですが、きっと胸に秘めているものがあると思います。ぜひ清葉が心情を吐露するようなところを、みなさんにも見ていただけたらなと思っています。
高橋:謳華のお当番回は、後半にあるんじゃないかって原作ファンの方は楽しみにしてくださっているかもしれませんね。そんな中演じていて思うのは、突発的な感情ではなくじわりじわりと積み重ねて来た感情がちゃんと残る作品だということ。
各キャラクターたちが織り成す群像劇のようになっているので、あの子はあんな顔してたなとか、この子はこんな事言ってるなとか、ここまでの流れを改めて思いだしたり、自分の中で噛みしめたりして、後半戦もついてきていただけると嬉しいです。
菱川:この作品はひとりひとりが考えていることにフォーカスがあたるからこそ、お父さんである紫雲寺要さんの目線で物語を見てしまいます。ひとりひとりを抱きしめたくなるシーンがいっぱいあります。ぜひテレビの前でひとりひとりを抱きしめたり、紫雲寺家の子供たちを愛してあげたりしてください!
市ノ瀬:ことのの大胆な告白によってみんなも心情も少しずつ変わっていくので、ことのとしてもみんなも動き始めて気が気じゃないところがあります。どうなっちゃうんだろうって展開が続いていくと思うので、ぜひぜひ細かいところまで気にかけて見てください。それぞれのキャラクターがどう思っているのかのヒントになると思います。ぜひぜひ先を想像しながら楽しんでください!
[取材・文/胃の上心臓]