〈奈良市〉中秋の名月は『采女祭』で幽玄の世界へ(10/5・6)
南都八景「猿沢池月」のもとで行われる秋の伝統行事
古都奈良を代表する観光スポットの一つ「猿沢池」。西のほとりにある春日大社の末社「采女(うねめ)神社」では、毎年中秋の名月の日に、例祭「采女祭」が行われます。2025年は10月5日(日)に宵宮祭、6日(月)に例祭が開催されます。
写真提供:采女祭保存会
采女神社は奈良時代、天皇の寵愛が衰えたことを嘆き、猿沢池に身を投げた采女(宮中で天皇・皇后の世話をした女官)の霊を慰めるために建立されたと伝わります。
社殿は猿沢池に背を向けて建っていますが、これは采女がわが身を投じた池を見るに忍びなく、一夜のうちに社を後ろ向きにしたからだと言われています。
これらの伝説から采女の霊を鎮め、人々の幸せを祈る例祭「采女祭」が始まったといいます。
「采女神社」※普段は閉門しています。
祭りは、「花扇奉納行列」から始まります。秋の七草などで美しく飾られた約2mの花扇を取り囲み、御所車に乗った十二単姿の花扇使や天平衣装をまとった人々が市中を練り歩きます。
写真提供:采女祭保存会
18時からは采女神社で春日大社の神職による「花扇奉納行事」、神事終了後には特別公演として佐藤和哉さんによる篠笛奉納演奏「采女おとがたり」も行われます。
19時頃からは行事のクライマックス「管絃船の儀」。南都楽所による雅楽演奏のなか、2隻の管絃船(龍頭鷁首/りゅうとうげきす)が猿沢池を巡ります。
花扇や装束に身を包んだ人々を乗せ、月夜に浮かぶ管絃船は雅やかで幻想的。行事の最後には花扇を池に投じて、采女の霊が鎮まることを祈ります。
写真提供:采女祭保存会
また10月1日(水)~6日(月)の間はお月見にちなんだスイーツを提供する近隣の菓子店と連携した特別企画「お月見スイーツ×采女祭」が開催されます。
対象商品を含め1,200円(税込)以上の商品を購入した方には、采女祭オリジナル絵馬をプレゼント!(先着600枚限定) 絵馬は記念に持ち帰るもよし、期間中であれば願い事を書いて采女神社へ奉納することもできます。※神社には絵馬を書くスペースはないので要注意。
ならまちでも10月6日(水)に限り、「奈良町にぎわいの家」・「ならまち格子の家」・「奈良町南観光案内所」の3館が20:30まで夜間特別開館を実施(入館無料)。
さらに、名勝大乗院庭園では「観月の夕べ」を開催します(17:30~20:30/入園料300円、お茶席700円)。采女祭の夜はぜひならまちにも足を運んでみてください♪
イベント概要
開催期間:2025年10月5日(日)〜2025年10月6日(月)
開催時間:【宵宮祭】
5日(日) 17:00~
【例祭】
17:00~ 花扇奉納行列
18:00~ 例祭、特別公演 篠笛奉納演奏「采女おとがたり」
19:00過ぎ~ 管絃船の儀
開催場所:采女神社、猿沢池/奈良県奈良市樽井町15
お問い合わせ:0742-30-0230(采女祭保存会/奈良市観光協会内)
※平日9:00~17:00