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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.68】90、91年度の清水商業(現清水桜が丘)選手権2年連続3回戦で…名波浩「マンマークに戸惑った」

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【清水商⑬】冬の3回戦 接戦で散る

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。静岡サッカー応援アプリ「シズサカ」でまとめてご覧いただけます。

1991年度全国選手権の鹿児島実戦。オウンゴールで先制するが…=駒沢競技場


総体に続き、全日本ユース(U-18)も制した1990年(平成2年)度の清水商は、三つ目のタイトル奪取を目指し、選手権に臨んだ。

選手権出場は推薦によるものだった。各県予選が世界ユースの2次予選と日程が重なることから、代表選手を抱えるチームは、予選免除となる特別措置が取られたからだ。清水商は山田隆裕(J横浜Mなどに所属)名波浩(J磐田アドバイザー)大岩剛(J鹿島スタッフ)の3人を、ユース代表に送り込んでいた。

推薦で出場したのは清水商をはじめ、武南(埼玉)習志野(千葉)国見(長崎)の4校。清水商抜きの県予選は清水東が勝ち抜き、本県から2校が本大会に出場した。

「清商に死角はあるか」

清水商の前評判は高かった。サッカー専門誌が「清商に死角はあるか」と題した特集記事を掲載したほどだ。

ところが、選手権に突入すると対戦校の激しいつぶしに苦しみ、切れ味鋭い攻めが影を潜めた。それでも3回戦に進んだが、前年度の総体決勝で圧勝した大宮東(埼玉)にPK戦の末に競り負け、三つ目のタイトルが手中からこぼれ落ちた。

大会に備え練習試合をこなしたが、相手はすべて社会人チームだった。選手権本番が高校勢との久々の対戦で、社会人相手では見られなかった、マンマークに「戸惑ったことを覚えている」と、司令塔だった名波。

1991年度の選手権、鹿実の前園に…

3冠獲得を逃した翌年の91年度、本県が全国総体開催地になり、清水東と東海大一がV決戦を演じた。周囲の盛り上がりをよそに「苦しい練習に打ち込んだ」と、主将だった望月重良(SC相模原代表)は20年前の夏を振り返った。

悔しさを味わいながら流した夏の汗は、秋の選手権県予選に成果となって表れ、冬の全国舞台へ駒を進めた。

2年連続7度目の選手権本番。序盤の2試合は、ともに川口裕之(セコム)と興津大三(J清水スタッフ)がゴールを奪い、洛南(京都)を2−1、高知農(高知)を2−0で退けて3回戦に進み、鹿児島実(鹿児島)と相対した。

オウンゴールで先手を取った。しかし、アトランタ五輪で主将を務めた前園真聖に連続ゴールを許し、1−2で逆転負けした。終盤の猛追も届かず、「鹿実の方が上だった」と、チームを引っ張り続けた望月は、1−2の現実を真摯に受け止めていた。(敬称略)

1991年度全国選手権先発メンバー

GK
川口能活

DF
石井直孝
西ケ谷隆之
橋本伸也
津島三敏

MF
田村嘉宏
鈴木宏和
望月重良

FW
興津大三
川口裕之
平野孝

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