新年は家計を見直すチャンス!みんなの「平均貯蓄」と「負債」をチェック
新しい1年がスタートしました。みなさんは、2024年に予定通り貯蓄ができたでしょうか。またローンなどの返済は滞りなく進んでいるでしょうか。今回は最新の統計から、日本の平均貯蓄額と負債額、さらに平均年収をご紹介します。
平均貯蓄と平均負債額
国土交通省が公開している「令和5年度住宅経済関連データ」<6>住宅と家計経済、1.家計経済の姿の「(3)勤労者世帯の平均年収・貯蓄額・負債額の推移」によると、令和4年の勤労者世帯の平均貯蓄額と負債額は以下の通りとなっています。
<全国平均>
・平均貯蓄:1,508万円
・平均負債: 879万円(うち住宅・土地は813万円)
この統計を見ると、平均負債額よりも平均貯蓄額が多い、黒字家計となっていることが分かります。そして負債の多くは、住宅や土地などの住宅ローンであると考えられます。
また、平均貯蓄額も平均負債額も、ここ10年間で緩やかに上昇しています。
平均年収はいくら?
次に、年収をチェックしていきます。同じ資料によると、令和4年の平均年収は、768万円です。また、ここ10年間の年収の推移は、以下の通りとなっています。
<平均年収の推移>
・平成24年:691万円
・平成25年:708万円
・平成26年:702万円
・平成27年:709万円
・平成28年:715万円
・平成29年:722万円
・平成30年:729万円
・令和元年 :736万円
・令和2年 :740万円
・令和3年 :749万円
・令和4年 :768万円
平均年収は、ここ10年で大幅に増えていることが分かります。10年前の平成24年に比べて、令和4年は約80万円も上がっています。これは、月で平均6~7万円収入が増えたことになります。
最近の物価高の影響を受けて、収入も右肩上がりとなっており、年収の増加が物価の上昇に追い付いてきていると言えるでしょう。
自分の家計もチェックしよう
では、先ほどご紹介した日本の平均貯蓄や負債、そして平均年収額と、自分の家計の状況を比較してみましょう。若い方と定年退職を迎えた方など、年代によって貯蓄額や負債額、年収額は大きく異なると考えられますが、平均値は1つの目安となります。例えば、以下のような方はぜひ家計を見直してみましょう。
<家計の見直しが必要なケース>
1. 現在貯蓄がほとんどできていない方
2. ここ10年で貯蓄がほとんど増えていない方
3. 貯蓄よりも負債が多い方
4. 年収がここ10年で増えていない方
ここで取り上げた方々は、貯蓄の方法や働き方を変えてみれば、家計の状態が大きく改善される可能性があります。
まずは、家計の収入を増やすことを実践してみましょう。妻が専業主婦などの場合は、パートで働くなどが有効です。そして給与が支払われた段階で、貯金分を別口座に移す先取り貯蓄を行い、確実に貯蓄を増やしていきます。住宅ローンなどが残っている方は、まず繰り上げ返済をして、少しでも負債を減らしましょう。支払わなくてはいけない利子を減らすことができます。
自分の家計を分析して問題点を明確にし、ひとつひとつ改善していきましょう。
まとめ
新しい1年のスタートは、家計を見直すチャンスの時期でもあります。収入を増やしたり、貯蓄ペースを上げたり、住宅ローンを繰り上げ返済したりと、家計を改善できるポイントがないか、ぜひ検討してみましょう。今回ご紹介した平均貯蓄額や負債額、年収額も参考にしてみて下さいね。
下中英恵/1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者