ネットの差別的言動34件 川崎市 運営会社に削除要請
「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」に基づき、川崎市は複数の投稿サイト運営者などに対し、外国にルーツをもつ人たちに対するネット上の差別的言動の削除を要請し、2月4日に公表した。
同条例の第17条では、ネット上の表現活動が外国ルーツの市民に対する不当な差別的言動と認められるとき、拡散を防止するために必要な措置を講ずる、としている。
市は条例に基づき、継続的にネット上の差別的言動を調査しているが、このほど掲示板「5ちゃんねる」や投稿サイト「X」、ブログサイト「アメーバブログ」、同じくブログサイトの「ライブドアブログ」に、不当な差別的言動に該当するものが34件、見つかったという。
いずれも特定の市民に対し、国外の出身であることを理由に非難や中傷する内容で、「5ちゃんねる」では「祖国に帰れ」「なぜ日本に居座るのか」、「X」では「『ともに』ではなく帰れ」、「ライブドアブログ」では「日本もあなたたちの居場所ではない」などの投稿が掲載されていた。このため市は2月3日、「5ちゃんねる」を運営するロキテクノロジー社や、「アメーバブログ」を運営する(株)サイバーエージェントなど、サイトの運営会社に、削除を要請した。
市の担当者によると、同様の差別的言動は2023年夏ごろから急増しており、市としても啓発動画を公開するなど対策を強めている。担当者は「市が毅然とした対応を続けることで、市民への啓発になる。今後も周知に力を入れていく」と話している。