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【静岡の高校サッカー戦後史Vol.40】 清水東が1981年度、関東勢を次々撃破して全国総体連覇!

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【清水東高⑪】“東征”果たし総体連覇

※2011年3月〜11月に「静岡の高校サッカー 戦後の球跡」のタイトルで静岡新聞に掲載した連載を再掲しています。年齢等も掲載当時のままです。

1981年度全国総体で“夏連覇”を達成した清水東=三ツ沢球技場


1981年(昭和56年)1月9日、東京・本郷の東大御殿下グラウンドでボールを蹴り合う一団があった。前日の全国選手権決勝で古河一(茨城)に惜敗した清水東の1、2年生が紅白試合に汗を流す姿だった。打倒関東への思いが、新主将の望月達也(J清水スタッフ)以下の新チームを、宿舎近くのピッチに駆り立てたのだ。

新チームはまず直後の県新人大会を制し、81年度を迎えると全国総体県予選に臨んだ。1回戦の浜北西戦は1−0の辛勝だったが、徐々に調子を上げて決勝に進出し、静岡工(現・科学技術)と対戦した。前半7分、沢入重雄(サッカー解説者)が頭で決めて早々と先制。その後も優位を保ち3−1で押し切って、2年連続5度目の全国総体出場権を獲得した。

神奈川総体初戦、難敵武南に逆転勝ち

神奈川県で行われた全国総体は、連覇が懸かっていた。2回戦からの登場だったが、いきなり難敵の武南(埼玉)と顔を合わせた。主将の望月達が「事実上の決勝戦」ととらえた一戦だけに、白熱した戦いになった。2−1で逆転勝ちしたものの、「後の試合は覚えていない」と守りのリーダー格、牧田有史(マツダ本社)が口にしたほどの印象深い勝利だった。

武南を皮切りに、本郷(東京)八千代(千葉)韮崎(山梨)を連破して決勝に名乗りを上げた。準決勝までの相手はいずれも関東勢。監督の勝沢要(静岡市清水区在住)が掲げた“東征”を体現してみせた決勝進出だった。望月達はサッカー部史・闘魂に「まさにこの大会は“打倒関東”“東征”であった」と記している。

室蘭大谷とのナイター決勝

室蘭大谷(北海道)とのV決戦は、総体史上初のナイター開催となり、横浜・三ツ沢球技場で行われた。

「誰も自信に満ちていた」(牧田)とあって、立ち上がりから攻め込み、前半13分、DFの梅田和男(静岡東教)が「3年間で公式戦唯一」という得点をマークして先制。望月達、反町康治(J湘南監督)のゲームメークで攻勢を続け、3−1で夏連覇を達成した。

2年続けて夏の頂点に立った清水東は、次の目標に向かって始動した。次の目標とは冬の選手権初制覇だった。

ところが、県予選の第二関門であるリーグ戦で、夢は途絶えた。ブロック1位が懸かった戦いで清水商に1−2で競り負け、決勝トーナメント進出の道を断たれたのである。(敬称略)

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