「昭和の味」を守り続ける「中華料理 鳳莱」のあんかけチャーハンと揚げヤキソバ | 広島市中区
今日のお昼は、お腹いっぱい中華料理が食べたい。たまには一人で、お酒を飲みながら中華料理を楽しみたい。
そう思ったとき、おすすめのお店が広島市中区十日市町にあります。
1983年から営業している「中華料理 鳳莱(ほうらい)」。
長年変わらない味を求めて、サラリーマンからファミリーまでさまざまな人が訪れる人気店です。
お店が立つのは、広島電鉄「寺町」電停から東側に通りを一本入った場所。
歩いてお店に向かっていると、少しずつ中華料理の香りが漂ってきます。
「中華料理 鳳莱」は2022年12月に店舗をリニューアル。
朱色の壁や、ファサードにあしらわれた「ほうらい」の文字が目を引く外観に生まれ変わりました。
店主を務めるのは、2代目の植永茂雄さん。
父の雄二さんから店を継ぎ、10代の頃から一緒に厨房に立って覚えた「この店の味」を提供し続けています。
何度も通いたくなる、曜日別特別メニュー
ランチタイムにおすすめなのが、曜日別特別メニュー。
月曜日と木曜日は「マーボー焼飯」、火曜日と金曜日は「オムカレー」、水曜日と土曜日は「あんかけチャーハン」が提供されます。
料金は各1100円。カツトッピング(1枚300円)やライス大盛(100円)のアレンジも可能です。
取材時にいただいた「あんかけチャーハン」は、チャーハンと餡のシンプルなコンビネーションが魅力の一皿。
ほかほかと湯気を立てながらテーブルに届けられたその姿に、期待が高まります。
柔らかな玉子に包まれているチャーハンは、ネギや卵が入ったベーシックなもので、ピリリと胡椒が効いています。
広いお皿に注がれた餡は、スプーンですくってごくごく飲めるほどたっぷり!
大きめにカットされたにんじんや玉ねぎ、きくらげがアクセントになっています。
曜日別特別メニューはディナータイムも注文することができますよ。
曜日別特別メニューに加えて、日替わりの特別メニューが登場することもあります。
メニューブックには載っていないので、注文をするときにはレジの上に貼られたメニューもチェックしてみてくださいね。
インパクト大!食感の変化も楽しい「揚げヤキソバ」
植永さんと一緒に店に立つ、妻のユキさんにおすすめしていただいたのは「揚げヤキソバ」(800円)。
油で揚げた麺の上に、さまざまな野菜が入った餡がかけられています。
「皆さんにお出しすると、驚く方も多いです。麺を一玉まるごと揚げているので、ボリュームがあるように感じますよね」とユキさん。
その言葉通り、丼になみなみと餡が注がれている様子はインパクト大!
「食べきれるかな」と思うかもしれませんが、その心配は無用です。
箸でざくざくと麺を崩して餡と絡めながら食べ進めていると、麺は徐々にしんなりとした食感に。
飽きの来ない、ベーシックな味付けにもぐんぐんと箸が進みます。
餡はシャキシャキとした白菜やにんじん、もやし、豚肉入り。
酢をプラスしてもおいしくいただけます。
さまざまな食感を楽しんでいるうちに、あっという間に完食しました。
ランチタイムには、中華おかずと唐揚げ、サラダ、ご飯、スープがセットになった「中華ランチ」(950円)や、卵入りの餡がかかった「中華風カツ丼」(900円)も人気。
一品でも大満足の麺料理から一品料理まで、豊富なラインアップのメニューを展開しています。
一品料理は2~3人でシェアするとちょうどよい量ですが、ディナータイムにはハーフサイズでの提供も行っています。
ランチ、ディナーとも、一人での利用も多いそうで、「一人でも気軽にお酒を注文して、ゆっくり過ごしてもらいたい」という思いで始まったメニューです。
ユキさんは「これからお酒と一品料理のセットも充実させていきたい」と意気込みます。
店構えは変わっても、味は変わらないままで
木目とコンクリートの質感を生かした店内には、カウンター席とテーブル席を備えています。
リニューアルを機に、厨房が見えるように高さを変更したというカウンターは、植永さんが鍋を振る姿を間近に見ることができる特等席。
麺をゆでる鍋でぐつぐつと湧くお湯や、中華鍋から立ち上る湯気は迫力満点です。
平日のランチはサラリーマンが多いそうですが、週末はファミリーでの利用も多数。
長年家族で通っている人も多く、取材時には、にこやかな表情で来店する常連さんの姿も多く見られました。
リニューアルの際には工事のために2カ月店を閉めていたため、再開を待ちわびていた人も多かったそう。
「『店構えは変わったけど、味は変わらないね』『懐かしい味だね』と言ったいただくことがあって、嬉しく思っています」とユキさんは話します。
エディオンピースウイング広島まで徒歩圏内のため、試合がある日にはここでお腹を満たして観戦に出かける人も多いといいます。
日曜日は定休日ですが、試合がある日はランチの営業を行ったり、ディナータイムを延長したりすることも。
店内はユニホーム姿の人で一杯になり、試合の話をしたり、観戦前後の食事をきっかけに常連になったり。
41年間にわたってこの場所で営業を続けてきた「中華料理 鳳莱」は今も、広島の町とともに歩みを進めています。
今後の展望を尋ねると「店が始まった昭和時代のいいところを残しつつ、今の時代にも合わせながら店を続けていきたい」とユキさん。
「町中華は日本特有のもの。店主さんが高齢になって辞めていく店も多いですが、たくさん食べて満足して帰れるという町中華の良さを守りつつ、令和にも残していきたいと思っています。『ただいま』くらいの気持ちで、お気軽にお越しください!」
中華料理 鳳莱 基本情報
住所広島市中区十日市町2丁目3-14 カルム十日市101営業時間ランチ 11:00〜14:00
ディナー 18:00〜21:00定休日日曜日、ほか不定交通アクセス広島電鉄横川線「寺町」電停から徒歩3分駐車場なし ※近くにコインパーキングありSNSInstagram:@tokaichi_hourai
ライター/時盛 郁子
※紹介している内容は2024年11月取材時点のものです。公開後内容が変更している可能性があります。
※掲載している金額はすべて税込みです。