「続編の墓場」と呼ばれる韓国ドラマ界‥ジンクスを乗り越え成功を収めた作品5選
大ヒットドラマ『シグナル』(tvN/2016)のシーズン2制作決定のニュースに沸くなか、果たして続編が成功するかどうか注目されている。
なぜなら韓国ドラマは、世界中で愛されるほどのコンテンツ力を誇るものの、欧米のシーズンもののように、後続作が良い成績を残したケースが少ないから。一部からは、“続編の墓場”と呼ばれているほどだ。
大ヒット作『D.P. – 脱走兵追跡官 –』や『アスダル年代記』、『悪霊狩猟団: カウンターズ』などがその好例。シーズン1は大成功を収めたものの、シーズン2は視聴率においても人気の面においても前作を超えることができず、期待に反する残念な結果となった。
しかしその一方で、事例はそこまで多くないものの“続編の墓場”というジンクスを乗り越えた、稀有な作品があるのも事実。気になるラインナップと、好成績を残したポイントに触れる。
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浪漫ドクターキム・サブ (SBS/2016、2020、2023)
『浪漫ドクターキム・サブ』は、シーズン3まで放送されている医療ドラマ。純粋に人の命を全力で救おうとする主人公キム・サブの魅力的なキャラクターが、次に何をするのか、各シーズン夢中になって観ている人が多い。
また、各話完結型のエピソードが散りばめられているものの、作品の見どころで主軸となるストーリーや世界観は、各シーズンしっかりと引き継がれており、キム・サブファンの心をとらえるのはもちろん、前作を観ていない人でも楽しみやすい構成となっている。
復讐代行人~模範タクシー~ (SBS/2021、2023)
『復讐代行人~模範タクシー~』は、今年シーズン3が11月に放送される予定のリベンジアクションサスペンス。ダークヒーローもので、悪党を成敗していく物語が、観る者に抜群の爽快感をプレゼントしている。
シーズン1も非常に満足度が高かったが、シーズン2はその上をいく面白さがあり、設定は大きく変えていないものの、より振り切ったリベンジ劇とコミカル要素に夢中にならざるを得ない人が続出。放送回を追うごとに魅力を増していく主人公キム・ドギのファンや、彼を中心に繰り広げられる仲間とのチームワークを、もっと観たいと感じる声も多い。
ペントハウス (SBS/2020、2021)
『ペントハウス』は、シーズン3まで放送された、韓ドラドロ沼劇の決定版。人間の好奇心を刺激する、韓国ドラマ定番のありとあらゆるドロドロ要素を盛り込みながらも、まとまりよく1つの作品に仕上げており、そこに格差社会の矛盾までプラスして見応え抜群だ。
負の感情を一切隠すことなく表に出す登場人物たちが、果たしてどのような最後を迎えるのか、予想を裏切る展開と相まって、続きが気になってしょうがない中毒性あるストーリーとなっている。ピカレスクものという珍しいジャンルであるのもポイントの1つだ。
還魂 (tvN/2022)
『還魂』は、シーズン2まで制作されたファンタジー時代劇。イ・ジェウクが主演を務め、ドラマと俳優としての人気まで獲得した作品だ。それだけに、観れば観るほどかっこよくなっていくから不思議。クオリティーの高い脚本と相まって、視聴者にもっと観ていたいと思わせたのが、続編の人気へと繋がったことが予想される。
またシーズン2では、ヒロインが変わるとして、視聴者の物語への没入を妨げるのではないかと懸念されていたが、蓋を開けてみるとその心配はどこへやら。コ・ユンジョンと見事なケミストリーを披露して、早い段階でリピーターの心を掴み、そのまま最後まで好成績で駆け抜けた。
賢い医師生活 (tvN/2020、2021)
『賢い医師生活』は、シーズン2まで放送されており、シーズン3の制作が望まれるなか、今年4月からは、スピンオフ版がお目見えされる医療ドラマだ。病院内での泣ける各エピソードは、分量は短いが映画を観ているかのような満足感があるのが特徴。
また、大学の同期で、同じ病院に勤務する5人の医師仲間“99ズ”に固定ファンがいるのも、本作がシリーズとおして愛された大きな理由の1つ。各自魅力的なキャラクターなのはもちろんだが、観ているとほっこりする絆や、思わずクスっと笑ってしまうコミカルシーンなど、99ズから目が離せない。
(ライター/西谷瀬里)