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『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』第4話「魔女の戦争」用語解説 (シイコ・スガイ、駆動系摩擦キャンセル技術、ララ音、スティグマ攻撃、アンバック)

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の世界をさらに深く堪能していただくため、本稿では第4話「魔女の戦争」に登場したキーワードを中心に、その背景や関連事項を解説いたします。

本作と、ガンダムシリーズの原点である『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)は、世界観を共有する部分が多く、両作品に散りばめられた繋がりや、それぞれの世界における技術や概念の違いを明らかにすることで、『GQuuuuuuX』をより多角的に楽しんでもらえればと思います。

本作で初めてガンダムの世界に触れる方に、より楽しくその世界を堪能してもらえればと思います。

 

本記事はネタバレを含みますため、未視聴の方はご注意ください。

シイコ・スガイ

第4話に登場した元連邦軍の軽キャノンパイロット。現在は子育てに奮闘中のため、元エースのママキャラという類をみないガンダムキャラ。一年戦争時代には、その卓越した戦果から「魔女」と恐れられた。作中では、「ユニカム」や「撃墜王」とも呼ばれている。

「ユニカム(Unicum)」とは、ラテン語で「唯一のもの」を意味し、戦場において100機以上の敵機を撃墜したエースパイロット(撃墜王)でもあるため、そう呼ばれている。
「魔女」と呼ばれている理由は、「スティグマ攻撃(後述)」からもくるのではと思われる。

ゲルググ

第4話に登場したモビルスーツ。

『機動戦士ガンダム』(ファーストガンダム)においては、ジオン公国軍の主力モビルスーツ「ゲルググ(MS-14A)」として登場。これは、モビルスーツの汎用化を目的とした統合整備計画(『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』で初めて言及された)に基づき、ガンダムを超える次世代兵器として開発された機体である。

一方、『ジークアクス』の世界では、シイコ・スガイの搭乗機として「ゲルググ(gMS-01)」が登場。これは、ジオンが開発したガンダムの量産型モデルであり、ジオン軍の現行機という位置づけ。外観はファーストガンダムに登場する地球連邦軍のジム(RGM-79)に類似する点が多く、ビーム兵器やビームサーベルを装備している。

兵器の名称には、「大和(日本の古称)」、「スカッド(突風)」、「トマホーク(ネイティブアメリカンの武器)」のように、意味を持つ言葉が用いられることが多い。別の機体に同じく「ゲルググ」という名称が付けられたことからも、「ゲルググ」には何らかの意図が込められている可能性もあり。

駆動系摩擦キャンセル技術

シャリア・ブルが語る「駆動系摩擦キャンセル技術」という言葉は、ファーストガンダム第40話「エルメスのララァ」に登場する「マグネットコーティング」を指していると考えられる。

「マグネットコーティング」は、ファーストガンダムにおいて地球連邦軍が開発した技術で、「駆動系を電磁力で覆うことで、動作を高速化する」とされている。具体的には、関節などの駆動部の摩擦抵抗を低減することで、パイロットの操作に対する機体の追従性を向上させる仕組み。既存技術の改良版として描かれており、その技術的特性については、「理論上、無限に動きを速くできる」とも作中で言及されている。ブライト・ノアは、この技術を「機械に油をさすようなものだ」と説明している。

『ジークアクス』の世界では、ガンダムへの「マグネットコーティング」の導入事例がなく、実用化の報告もない。したがって、この技術は理論上の存在に留まっている(と思われる)。しかし、シャリア・ブルがその技術内容や開発者について知っていることから、研究者と何らかの接点があった可能性が示唆される。また、第4話の戦闘結果を見ると、高速化の代償として関節部の接点強度が低下するのかもしれない。

ファーストガンダムでは、アムロがシャリア・ブルとの戦闘中にガンダムの反応速度の限界を感じたことが、「マグネットコーティング」導入のきっかけとなった。一方、シャリア・ブル自身はその技術を知る立場にはなかったと考えられる。しかし、『ジークアクス』では、逆にシャリア・ブルがこの技術の概要を説明する立場にある点が興味深く、両作品の歴史的な交錯が見て取れる。

モスク・ハン博士

ファーストガンダムにおいて、「マグネットコーティング」をガンダムに適用し、ニュータイプ仕様へと改修した開発者。「理論的な自信はある」と語り、十分なテストを行わずに実装している。アムロに対して「俺の理論を応用して、ガンダムの動きを早くする」とやや強引な一面を見せる一方で、「今回のデータだけは、生き残って持ち帰ってほしい」と本音を吐露する場面も。

『ジークアクス』の世界でも、「マグネットコーティング」の研究を続けているようだが、実装実績はない模様。シイコ・スガイの搭乗するゲルググの高速化に協力している。ファーストガンダムと同様に、戦闘の勝敗よりも「データだけは持ち帰ってほしい」と本音が漏れる。また、サイコミュの技術にも理解がある様子が窺える。

ララ音

『ジークアクス』において、キラキラとしたエフェクトが発生した際に聞こえてくる不思議な音のこと。赤いガンダムが活性化状態(便宜上そう書いておきます)に入った際に発する音として描かれている。

ファーストガンダムでは、ララァ・スンがサイコミュを操作した際に鳴り響く音として登場する。「第39話 ニュータイプ、シャリア・ブル」において、この音を聴いたアムロ・レイは「呼んでいる」と感じ、ララァの気配を察知し、互いの精神性を共有するような活性化状態(『ジークアクス』でいうキラキラ)へと入っていく。

『ジークアクス』の世界には、人物としての「ララァ・スン」は登場していない。そのため、オリザベが「ララ音」と発言した意図は不明である。

スティグマ攻撃

第4話に登場した元連邦軍のエースパイロット、シイコ・スガイが使用するモビルスーツの近接戦闘術であり、必殺技。ワイヤーを敵機に装着することで、相手との距離を保ちながら接近戦を挑む。ワイヤーを付けられた側には、外傷として「痕跡」が残る。4話ではシュウジを苦戦させた。

「スティグマ」とは、キリストが十字架に磔(はりつけ)にされた際に受けた傷と同様の傷が、信者の体に現れる現象であり、「聖痕」とも呼ばれる。

アンバック(AMBAC)

アンバックとは、「Active Mass Balance Auto Control」の略称である。

宇宙空間において、モビルスーツの可動部を高速で動かすことにより生じる反作用を利用し、機体の姿勢制御を行うシステムのこと。この機構は、バーニアやスラスターといった推進剤を消費することなく姿勢制御が可能であり、省エネルギーかつ静粛性に優れた補助的な姿勢制御手段として活用されている。そのため、宇宙空間におけるモビルスーツの行動制御は、主にアンバックによって行われる。

第4話でシイコ・スガイの攻撃を目撃したエグザべ・オリベが「アンバックでこんなことが可能なのですか?」と驚愕するシーンには、上記のアンバックに関する一般的な認識が共有されていることが背景にある。

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