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気軽に立ち寄れる住宅街の小さなお菓子屋さん「菓子工房iru」。

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気軽に立ち寄れる住宅街の小さなお菓子屋さん「菓子工房iru」。

昨年の秋、新潟市北区の住宅街に「菓子工房iru(イル)」という小さなお菓子屋さんがオープンしました。寒波到来で雪の積もった日、オープン前のお店にお邪魔して、お店をはじめたいきさつや、お菓子のこだわりについて詳しくお話を聞いてきました。

菓子工房iru

有田 奈央 Nao Arita

新潟市北区生まれ。調理師専門学校を卒業し、イタリアンレストラン、ステーキ店、生食パン専門店、唐揚げ専門店、介護施設で調理や飲食業の経験を積み、2024年に新潟市北区の自宅敷地内で「菓子工房iru」をオープンする。

自分のつくるお菓子で、たくさんの人を喜ばせたい。

——有田さんは、今までもずっとお菓子づくりの仕事に関わってきたんでしょうか?

有田さん:お菓子よりも料理をつくる仕事をずっとやってきました。お菓子づくりは栄養士だった母の影響で、小学生の頃からしていましたね。よく母と一緒にお菓子や家庭料理をつくっていた記憶があります。それで高校を卒業してからは調理師専門学校に入って料理の勉強をしたんです。

——卒業後はどちらで料理の腕を磨いたんですか?

有田さん:イタリアンレストランとステーキ店で働きました。どちらも人気店で忙しかったので、忙しい仕事にはすっかり慣れてしまいましたね(笑)

——その後はどんな仕事を経験したんでしょう?

有田さん:生食パンや唐揚げのお店で働いた後、老人介護施設で食事をつくる仕事を経験しました。

——どうして介護施設で働こうと思ったんですか?

有田さん:とにかく、いろいろなことに挑戦してみたかったんですよ。母が介護の仕事をしていたこともあって、介護施設で働いてみようと思いました。

——施設での仕事は、それまでの仕事とは違いました?

有田さん:違いましたね。入所者さんのことを考えて、具材を小さめにカットしたり、柔らかく調理したりして、食べやすさをいちばんに考えてつくりました。あと一度に大量調理をするので味付けが難しいんですよ。

——調理師として料理をつくってきたのに、今回、お菓子屋さんをオープンしたのはどうしてなんですか?

有田さん:昔から料理と同じようにお菓子づくりが好きだったんです。本格的にはじめたのは専門学校時代からで、友達や職場の同僚に食べてもらって喜ぶ顔を見るのが好きだったんですよ。自分のつくるお菓子でもっとたくさんの人に喜んでほしいので、4年前からお菓子屋さんをはじめてみようと思っていたんです。

食感を大切にしてつくる、お菓子の数々。

——オープンするときに考えていたことは?

有田さん:普段は洋菓子店でお菓子を買わないような人や、近所の人にも気楽に買いに来てもらえるように、お手頃な値段設定にしようと思いました。そのおかげで近所の方がよく買いに来てくれるし、常連のお客様もできたんですよ。

——どんなお菓子が並んでいますか?

有田さん:まずはカヌレです。こまめに焼き時間を変えることで、外側は固めなんですけど、中身はしっとりした食感に仕上げています。

——それは美味しそうですね。他にはどうでしょう。

有田さん:シフォンケーキは材料にこだわっていて、北海道産の薄力粉や強力粉をバランスよく使うようにしているんです。米粉を使ったシフォンケーキのお店もありますが、私はふわっと軽いテイストにこだわりたいので米粉を使わないようにしているんです。

——なるほど。

有田さん:常連のお客様のことを考えて、飽きられないようにいろいろな味のシフォンケーキをつくっています。季節ごとのシフォンケーキもつくっているんですよ。あと、プリンは低温でじっくり焼き上げているので、柔らかすぎるくらいの滑らかさが自慢です。

——お話を聞いていると、お菓子の食感をとても大切にしているような気がします。

有田さん:そうかもしれませんね。食感にこだわっているので、うちのお菓子は日持ちがしないんですよ。時間が経つと食感が変わってしまうんです。

住宅街のお店だからこそ、味わえる喜び。

——お店をはじめてみて感じることはありますか?

有田さん:思っていた以上に、ひとつひとつのお菓子をつくるのに時間がかかるんです。ひとりでやっているので大変だと思うこともありますが、それ以上に嬉しいと思うことが多いので苦にはなりません。

——嬉しいのはどんなときでしょうか?

有田さん:お客様が喜んでくださったときですね。お菓子を買った翌日にもまたいらっしゃって、「あんまり美味しかったから、今日も買いに来ちゃったわ」と言ってもらえたときは、お店をはじめてよかったと思いました。住宅街でやっているお店ならではの喜びだと思いますね。

——それは嬉しいでしょうね。今後はどんなふうにお店を続けていきたいですか?

有田さん:常連のお客様の期待を裏切らず、何度も来ていただけるお店を目指して続けていきたいです。

——ちなみに店名の「iru」という言葉には、どういう意味があるんでしょうか?

有田さん:私の姪の名前なんです(笑)。お菓子が大好きな子で、私のつくるお菓子を喜んで食べてくれるんですよ。

——きっと、いちばんのファンなんですね。

菓子工房iru

新潟市北区葛塚3400-14

11:00-16:00

月火曜休

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