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映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』シャオヘイ役 花澤香菜さんインタビュー|ルーイエとの出会いが導く、シャオヘイの新たな一歩

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年11月7日(金)に公開された映画『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』。前作『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』の日本語吹替版の公開から5年ぶりとなる新作となる。

『羅小黒戦記』は、中国のアニメ監督、木頭(MTJJ)及び寒木春華(HMCH)スタジオが制作したアニメ作品。今作『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』では、前作から2年後の世界が描かれている。

師匠ムゲンと穏やかな日々を過ごしていたシャオヘイ。とある会館で起こった襲撃事件によって妖精の世界の平和が脅かされてしまう。疑いをかけられたムゲンと引き離されたシャオヘイは、姉弟子であるルーイエと共に、真実を求めて新たな冒険へと旅立つ――。

奥深い世界観、そして感動的なストーリー、前作を超えるスケールで届けるアクションシーンを映画館でぜひ楽しんでほしい。自然の霊が集まって生まれた黒ネコの妖精。シャオヘイ(小黒)を演じる花澤香菜さんに、作品の魅力を語ってもらった。

 

 

【写真】『羅小黒戦記2』で花澤香菜が感じた、ルーイエとの出会いがもたらす新たな絆

シャオヘイの成長を感じた姉弟子ルーイエとのやり取り

──続編である『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』が公開されると聞いたときの率直な感想をお聞かせください。

花澤香菜さん(以下、花澤):嬉しかったです。風の噂で、映画を作っているらしいという話は聞いていたんですけど、まさか5年経って公開される、しかも同時にショートアニメシリーズがテレビで放送されると聞いたので、嬉しく思いました。

『羅小黒戦記』は根強いファンの方がたくさんいらっしゃって、私が声を担当しているキャラクターの中で、シャオヘイが好きだと言ってくださる方もいらっしゃるんです。だから、待ってくださっている方はたくさんいらっしゃるんだろうなと思っていたので「やったね!」と思いました(笑)。

 

 

──前作『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』の思い出をひとつ教えてください。

花澤:やっぱり最後の「師匠!」と叫ぶ最後のシーンがすごく印象に残っています。あそこは何度見ても泣けちゃう良いシーンなんですよね。そうやって、ずっと心に残っているシーンって、そんなに多くあるわけではないので、今度はどんなシーンを演じられるんだろうなと楽しみにしていました。

──シャオヘイが自分の居場所を選ぶシーンですね。涙の描き方やレイアウトまで、とても印象的なシーンでした。『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』は、そこから2年後。つまりシャオヘイがムゲン(CV.宮野真守)の弟子として2年の時を過ごしたあとの世界が描かれています。物語の印象をお聞かせください。

花澤:今回はシャオヘイがムゲンと離れて冒険に行くというところで、見ている人たちも、はじめてのおつかい的な(笑)、大丈夫?って見守りたくなる気持ちになると思います。でも、シャオヘイは自ら自分の正しいと思う道を選んで進んでいくので、とっても頼もしいし、シャオヘイの成長がわかる内容だなと思いました。あと、見どころはやっぱりアクションシーンですね!

──ムゲン、強っ!ってなりますよね(笑)。

花澤:ムゲンは最強ですよね。全部ムゲンがやっちゃえばいいと思ってしまうほど(笑)。寒木春華(HMCH)スタジオ 独自のアクション演出が本当に面白くて、この緩急の付け方って、監督にしかできないだろうなと思いました。収録も大変だったので、みんなに観てほしいです!

 

 

──今作のシャオヘイはいかがでしたか?

花澤:彼の一本筋が通ったところ、大事な人たちは人間でも妖精でも守りたいというところは全然変わっていないんですけど、姉弟子のルーイエ(CV.悠木碧)と考え方の違いで言い合いになるシーンがあるんです。そこでの自分の意思の出し方が子供ではなくなっていたので、大きな成長を感じました。

2年前だったら、きっともっと怒っていたし、興奮していたと思うんです。でも、ちゃんと対等に自分の意見として出している。フィジカル的にもすごく強くなっているんですけど、それと共に精神も鍛えられて、「この2年で、だいぶ仕上がったな、シャオヘイ!」って思いました(笑)。ただ、知らない場所へ行ったり、高級ホテルに行ってはしゃいだり、食べ物を前にするとキラキラしたりするところは全然変わっていなかったので、あどけなさは残っているなと思いました。

──確かに、シャオヘイは、かなり強くなっていましたね。

花澤:その2年間も、後々たっぷり描いてくれないかなって思いますよね(笑)。今作でも、ムゲンとシャオヘイの幸せなやり取りが最後のほうであるんですけど、そこがすごく好きで。修行中も、ずっとこういう感じだったんだろうなと思わせてくれたんですよね。もちろん、修行もちゃんとやっていたと思うけど、ふとしたときに等身大の男の子っぽさが出てくる。まだまだムゲンに甘えているところがあるんじゃないかなと思いました。

──まだ8歳ですからね(ムゲンは439歳)。今回は、姉弟子のルーイエと一緒に行動しますが、花澤さんから見たルーイエの印象をお聞かせください。

花澤:シャオヘイ的には、最初すごくイヤな感じの人、自分のことも好意的に思っていないのではないかと思っていたんですよね。そこから彼女の実力を見て、かっこいいかもと感じたり、チョロいところはあるんですけど、考え方の違いは確かにあるんです。でも、シャオヘイの中で、彼女の印象はどんどん変わっていったんだなと思いました。

私視点では、この映画を通して描かれていたルーイエの過去を見て、そこから立ち直り、前を向いてやっているのはすごいなと感じました。そんなルーイエの心を開いたムゲンもすごいと思ったので、その2人の関係性も良いですよね。

 

 

──ルーイエとムゲンの過去の描き方も、素敵でした。

花澤:そうですね。彼女の過去が壮絶なものだったので、頼る人もいないし精神的にも不安定だった。でも、そこにムゲンがいてくれたんだなって思いました。シャオヘイに対する優しさとか、導いてくれる感じを知っているので、ルーイエにもきっと、そうやって寄り添ってくれていたんだなと思いました。

──それを言葉で説明しすぎない良さ、行間を読む面白さみたいなのがあったんですよね。

花澤:確かに語ろうと思えば、どれだけでもエモくできると思うんですけど、そこをしないというのが良いですよね! 前作でムゲンの人柄をわかっているというのも含めて、できる技ではありますよね。ルーイエの回想シーンのところも何て言っていたんだろうと想像させてくれるところも良かったです。

──個人的には、そのあたりからも日本のアニメの影響を感じたんです。

花澤:日本のアニメに対するリスペクトはかなりありますよね。懐かしさも感じるし、日本のアニメの良いところと監督独自の創造力と想像力で出来上がっているアニメなんだなと思います。

──そして、ストーリーを通して、シャオヘイとルーイエの間に、ちゃんと絆が生まれていくんですよね。

花澤:同じムゲンの弟子同士でもあるし、一緒に過ごすうちに悪い人ではないこともわかってくるから、その絆がちゃんと芽生えたと思うんです。だから2人での戦闘シーンは見応えがありましたよね。収録は大変でしたけど……。


 

 

大変だったアクションシーン、原音が入れた息を探す難しさも……

──収録は、皆さんで録るのですか?

花澤:前作同様、みんなバラバラでした。私は結構早い段階で録っていたので、あまりみんなの声は聞かないで収録をしていたんです。前作も1人だったので、そこは今回も変わらなかったです。でも一緒に録っても、きっと別録りにはなるんです。戦闘シーンが激しいし、会話も被るところが多いので。

あとは原音があるので、そこは普段の収録とは大きく違うと思いました。ゼロよりかは掛け合いもしやすいので。

 

 

──原音の雰囲気は、どのくらい活かして、どのくらい日本語として表現しているのですか?

花澤:まず原音のお芝居が素晴らしいので、もちろん参考にしています。あとシャオヘイが猫になるところは忠実にやっていますし、アクションも基本的に原音が入っているところに音を入れていきました。

表現としては、前作からそうだったのですが、原音をトレースするというよりは、自分が感じたもので演じました。ディレクションでも、「原音がこうだから、こうしてほしい」とは言われなかったので、このやり方で良いんだろうなと思いながら演じていました。

──アクションが大変だったのは、息遣いなどですか?

花澤:そうですね。しかも結構息が多めなんですよ。すごく大変な戦闘で、ぐわ〜っと息が漏れちゃうようなシーンは、わりと入れやすかったりするんですけど、本当に細かく息が入っているんです。それがシャオヘイの幼さとかかわいさに繋がっているので、大事なポイントだというのはわかったんですけど、いただいた原音の映像には、いろんな音が入っているので、その息を見つけるのが本当に大変だったんです。なので、当日のアフレコで、スタッフさんたちが「ここにも息、入ってない?」となったりしました(笑)。

あとはとにかくアクションが速いし、緩急がものすごいので、台本を見て映像を見てとやっていると追いつかないんです。一連の動きを覚えてやらないとできないので、それは結構大変でした。

──カンフーっぽい、「ハッ!」みたいな切れのある感じの息が多いなと感じました。

花澤:そうですね。台本には「ヤッ!」って書いてあるけど、そうじゃなくてもいいよねってところは違う息遣いにしたり、いろいろやっていたので、私としては、どちらの音も聞いてほしいんですよ。原音のバージョンも吹替バージョンも、どちらの良さもあるので。

 

 

──今作では登場キャラクターも増えましたが、花澤さんが気になるキャラクターはいますか?

花澤:ギャップに弱いので、やっぱりムゲンが好きなんですよね。最強の人が、ちょっとぽやっとしたり、優しかったりすると、ころっといってしまうので、ムゲンはずるいなー、好きだなーと思いました(笑)。

彼はそれほどわかりやすい人ではないけど、ずっとルーイエのそばにいてあげたからこそ、彼女は一緒に前へ進むことができたのだなと思ったので、そういう優しさや包容力が、さすがご長寿!と思いました(笑)。

──好きなシーンはありましたか?

花澤:やっぱり最初に話した、ルーイエと意見が違えたときに、ちゃんと自分の意思を伝えたところですね。そこのシーンは、大人だなと思いました。

──事情を察することができるところも、大人になったなと思いました。

花澤:本当にそうですよね。ちょっと言い過ぎちゃったかもなって、ちゃんと反省もできるという。そこもシャオヘイの良いところですよね!

 

 

──では最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

花澤:本当に観やすいアニメーションだと思うんです。中国で作られていますけど、日本でアニメを観てきた皆さんにも受け入れられるし、ちょっと懐かしくも感じられると思います。でも、新しさもあるすごい映像になっているので、前作『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』を、まだ観ていない方は、配信もありますから、ぜひ観ていただいて、『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』を観ていただきたいです。そのほうが、今作でパワーアップした感じも楽しめると思います! 

あと、テーマとしては人間と妖精がどう共生していくかというお話で、今の殺伐とした世の中とも重なる部分があると思うんですよね。まずはちゃんと考えることが大事だし、お互いを思いやることが大事だと教えてくれるので、いろんな出来事に重ねながらも、エンタメとしても楽しんでください。あと、この作品は、映画館で観ないともったいない作品だと思うので、ぜひ映画館で観てください。

 
[文&写真・塚越淳一]

 

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