<義母、介護はヨメも!>理解できない……「シフト表を送って!」私もメンバーなの?【まんが】
私はミサキ。夫のトモヤと息子のアツト(小学1年生)との3人家族です。義実家はそれほど遠くない場所にあるので、何かイベントごとがあるたび義実家にみんなで集まるという習慣がありました。結婚以来、正直義実家へ集まることが面倒くさいと思うときもありましたが、夫の家族と仲良くしたいと考えていた私は、できる範囲内でお付き合いをしてきたつもりです。今回は義祖母、夫のトモヤからするとおばあちゃんの誕生日。ずいぶん高齢になった義祖母ですが、毎年、家族からお祝いしてもらえるのを楽しみにしているようです。
今日は義実家で、夫のおばあちゃん(義祖母)の誕生日祝いをしています。義祖母はとても嬉しそうにしていますが、気がかりなことが……。
ひ孫の名前さえぱっと出てこず、相手が誰だかわかっていないようなところがあるのです。
うちの息子アツトの名前を忘れてしまう義祖母。ここ最近は会うたびにこれまでどおりの義祖母ではなくなっているように感じます。 義母は少々強引なところがあるタイプで、私や義弟のお嫁さんのメイさんの気持ちなどお構いなしに「手伝って」「来るでしょ?」などと連絡をしてくることがあります。立場的に断れないのに……なんとなく義母の押しの強さに反発できず、ここまで来てしまいました。
車中で夫が話し始めた内容に「それもそうだろう」と感じました。 介護となると、人手も時間も必要です。それなのに夫の話は淡々としているように感じられました。
なんか他人事のように語るトモヤに違和感を覚えましたが、私にはわからない家族の事情もあるでしょうし、それ以上は何も言いませんでした。
「母さんがやる」。夫の言葉に「それでいいのか」と疑問を抱きました。私からは何も言うことができません。「それが夫の家族の形なのかな」。そうも思っていました。しかし、事態は良からぬ展開を迎えてしまうのです。
義母:おばあちゃんの介護サポートのグループを作りました。仕事をしている人は、それぞれシフト表を写真に撮って送ってください。休みの予定を合わせて、予定を組みます。
義実家とはそれなりの距離感でやってきたけれど、イベントごとなどには助っ人として駆り出されることも多々ありました。イベントごとはそんなに頻繁でもないし、義実家との関係を良くしようと何とか自分なりに納得させてきましたが「義祖母の介護サポートのメンバー」に入れられてしまうと、話は変わってきてしまいます。これって私もやらなくてはいけないものなのでしょうか……? 夫に聞いてみようと思います。
夫はナゼ他人事!?私、LINEグループ抜けてもいいよね?
義母が作った介護グループのメンバーは、義母、義父、夫のトモヤ、私、義弟のユウヤさんとそのお嫁さんであるメイさんでした。勝手にグループを作って、勝手に仕事のシフト表を送れなんて、義母ってほんとうに強引……。っていうか、シフト表なんていうけれど夫はシフト制じゃないってば。義弟夫婦がどんな反応をしてくるかも気になりますが、それより何より、私は義母の強引な誘いから早く抜け出したくてたまりません。
正直、義実家の介護の手伝いメンバーに入れられる筋合いはないと思っています。
このまましれっとグループを抜ける? でも、これからの付き合いのこともあるし、一言は添えておきたいよね。いろんな感情や考えが頭を駆け巡ります。
夫も「なんだろうね」って、なんであんなに他人事なのでしょう? 私は夫の態度にも疑問を感じます。義祖母の介護は夫の実家の問題です。私が巻き込まれていることに対して、何か一言あってもよいのではないでしょうか。
誰かとこのモヤモヤをわかり合いたい……。同じ「嫁」という立場同士であるメイさんに連絡をしてみようとも思いましたが「……自分のことだし、自分で決めよう」そう決心しました。
着信が来るのも当然でしょう。私が介護要員グループに入れられたのは決して「何かの間違い」ではないのですから。
義母から突然作られたLINEグループは、たしかに納得できるものではありませんでした。相談もせずに勝手にグループを作って介護のサポートをしてなんて、やはり強引だと思うのです。けれど、よくよく考えてみると義母自身だって「夫の母である義母」の介護をしようと考えているわけで、そうなると私と立場は変わらないことになる……。嫁が義親の介護をすることは当たり前なの? と疑問に思う気持ちと、当たり前だと受け入れて介護をしていこうと考えている義母の姿勢と……。いろいろ考えているうちに、なんだか切なくなってきてしまうのでした。
夫に喝!「当事者は義母だけ?」家族みんなで支えないとダメ
「ミサキ、母さんが作ったグループ、勝手に抜けただろ? 母さんから連絡あったよ」
私が感じていた違和感は、一言で表すと「なんで?」でした。
うちの夫だけでしょうか。こういう都合が悪いときに限って「家族」という言葉を使いたがる。もちろん助け合う気持ちや思いやる気持ちは大切だと思いますが、家族という言葉をかざして、誰かをコントロールしようとするのは違うと思うのです。私もメイさんも、もともとは他人です。「だから助けない」と言いたいわけではなく、「助けて当たり前」と思われていることがイヤなのです。 今までの夫の態度からは「他人事」という印象を強く感じます。それなのに私に協力を求めてくるなんておかしいのではないでしょうか。
義母にいきなり介護グループに入れられたときは驚きました。でもよく考えていると、義母の立場も相当つらいでしょう。なぜ身近な家族が手を差し伸べようとしないのでしょうか。
仕事をしているから、母さんがやってくれるから。夫の発言はかなり問題があると感じます。
「他人である私たちをあてにするんじゃなくて。まずはお義父さんがしっかりしないといけないってこととか。お義母さんに感謝しないといけないこととか。介護はたしかに家族の問題だけれど、もっと孫であるあなたたち兄弟も当事者意識を持たないといけないとか!!!」私が感じている疑問や怒りをストレートに夫へぶつけました。
義母の強引さにイラっとしてすぐに義母が作ったグループを抜けてしまいましたが、結局、私がグループを抜けることが解決策ではなかったのでした。なぜ義母がこんなメッセージを送らないといけないまでになっていたのか。私にはその視点が抜けていたのです。そのことをしっかりと夫に伝えることができて良かったです。夫たち家族がこれから話し合いを重ねていくと思いますが、私は「妻」としてしっかりと夫のサポートをしていきたいと思います。
義父にビシ「介護に仕事は関係ナイ」話し合いで解決できる?
あとで夫から聞いた話によると、最初は夫の言っている意味が義父はなかなか理解できなかったようです。おそらく昔からの世の中の風潮のようなもので「夫の親を妻が世話して当たり前」といった思い込みもあったのかもしれません。以前はそれでよかったかもしれないけれど、時代は確実に変わっています。それは私たち子ども世代から親に伝えていかないといけないのかもしれません。
お互いの考えや意見を話し合ううちに、義実家のメンバーも考えを変えたようです。誰かひとりが負担を背負う結果にならなくて本当によかったです。 義祖母の施設行きが決まってから、義実家に行く機会があったとき――。
「あなたたちを巻き込むなんて失礼なことをしてしまって、本当にごめんなさい」義母はそう言って、頭を下げて謝ってくれました。 私はグループを抜けてしまったので知りませんでしたが、私がグループを抜けたあとにメイさん(義弟嫁)も抜けていたそうです。義弟ユウヤさんも、メイさんからたっぷりとお説教を受けたと、後に夫が話してくれました。
私の言葉が想像以上に夫に伝わっていて良かったです。夫からの説得により、義父も義祖母の介護に乗り出してくれ、義母の負担が大幅に減ったそうです。あのとき私が介護のサポートをしたくないばかりにグループを抜けるだけで終わっていたら、あとになって私自身も後悔していたかもしれません。介護は誰かひとりだけに負担がいっていいものではなく、「家族だから」というのなら、その言葉どおり家族全員が当事者意識を持ちつつ、自分のできることを考えていかなければならないのだと思います。義母からの謝罪の言葉をありがたく受け入れ、私も嫁という立場でできる範囲で義実家と付き合っていけたらと思います。