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食卓に春の味覚を届けてくれる<春告魚> ニシン・メバル・サヨリの魅力と美味しい食べ方とは?

サカナト

メバル(提供:PhotoAC)

春の食卓、ちょっと贅沢にしてみませんか?

春告魚」は、春になるとやってきて、私たちに旬の味覚を届けてくれる魚たち。「春を告げる魚」と書いて「はるつげうお」と読みます。

とろけるようなニシン、宝石みたいなメバル、透き通るサヨリ……など、この春に食べたい、おすすめの魚たちをご紹介します!

北の海からの春の便り<ニシン>

ニシンは春告魚の代表格として知られています。

特に北海道や東北地方では、春になると産卵のため沿岸に大群で回遊してくる姿が見られます。その様子は「群来(くき)」と呼ばれる、春の風物詩です。

ニシン(提供:PhotoAC)

身は適度な脂がのりながらも淡白で食べやすく、特に産卵期には腹に数の子が入っているため、1匹で2度美味しい魚として知られています。

鮮度の良いニシンは銀色の体表が美しく輝いており、その姿は春の海の象徴です。

ニシンの調理法は地域によって様々です。最も基本的な調理法である塩焼きでは、シンプルながら旬の味わいを存分に堪能できます。

焼き浸しもさっぱりとした味付けで春の食卓にぴったり。北海道では伝統的な保存食としてニシン昆布巻きが作られ、京都では独特の出汁文化と結びついたにしん蕎麦が郷土料理として長く愛されています。

また、ニシンの卵である数の子は、おせち料理の定番として全国で親しまれています。

春の海の宝石<メバル>

春の訪れとともに、その美しさを増すメバル。冬から春、あるいは春から初夏にかけて旬を迎えます。

かつては1種と考えられていましたが、現在ではシロメバルアカメバルクロメバルに分けられています。よって、「メバル」とはこの3種の総称となります。

岩礁地帯に生息し、夜間に活発に活動するこの魚は、体長20~30センチ程度の小型ながら、その味わいは格別です。

釣りたてのメバル(提供:PhotoAC)

白身でありながら程よい脂がのっており、身が締まっているため、様々な調理法に適しています。

メバルの代表的な調理法は煮付けで、甘辛い味付けが身の旨味を見事に引き立てます。新鮮なものは刺身でも楽しめ、透き通るような白身の美しさと繊細な味わいを堪能できます。

唐揚げにすると外はサクサク、中はジューシーな食感を楽しめます。アクアパッツァや塩焼きも美味しく、和洋どちらの料理法でも楽しめる魚です。

優美な春の使者<サヨリ>

サヨリは、細長い体型と青緑色の背、銀色に輝く腹部が特徴的な魚です。春になると産卵のため沿岸に近づき、この時期のサヨリは特においしいといわれています。

身は繊細で上品な味わいを持ち、脂が少なくさっぱりとした味わいが特徴です。

サヨリの群れ(提供:PhotoAC)

サヨリは、その繊細な味わいを存分に活かして調理するのがおすすめ。刺身にすると、透明感のある身は春の訪れを感じさせる一品になります。

酢締めもさっぱりとした味わいを引き立てます。天ぷらにすると身の甘みが際立ち、干物は朝食の定番として楽しめます。

お吸い物では上品な味わいを楽しめ、押し寿司は特に関西地方の人気の郷土料理です。

春告魚を美味しく食べるために

春告魚をより美味しく楽しむコツは、まず新鮮な魚を見分けることです。

魚選びのポイントは、目が澄んでいて、ハリとツヤのある魚。体表の傷が少なく、鮮やかな色合いのものが新鮮な証です。

できるだけ新鮮なものを選ぶと、美味しい料理に仕上がります。

調理は、なるべく新鮮なうちに。魚種それぞれの特徴に合った調理法で素材の味わいを存分に引き出せます。

春野菜と合わせよう

春の訪れを感じられる一品に仕上げるなら、菜の花や春キャベツなどの春野菜と組み合わせるのもおすすめです。また、下処理をしっかりと行い、生臭みを取ると、より美味しく仕上がります。

春告魚は、私たちに季節の移ろいを教えてくれる大切な存在です。今年の春は、あなたも旬の魚で特別な食卓を演出してみませんか。

それぞれの魚の特徴を活かした調理法で、春の訪れを味わってくださいね。

(サカナトライター:minto)

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