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ファインダイニングを華やかに彩るアルコール0.0%のプレミアム・ノンアルコールスパークリングワイン「フレンチ・ブルーム」

ワイン王国

ファインダイニングを華やかに彩る アルコール0.0%のプレミアム・ノンアルコールスパークリングワイン「フレンチ・ブルーム」

text & photographs by Ryo TAMURA

お酒が好きな人も、飲めない人も。今や外食において、フレキシブルにアルコールとノンアルコールを状況に応じて選択できるシーンが急速に広まりつつある時代。「フレンチ・ブルーム(FRENCH BLOOM)」は、ノンアルコールワイン業界で話題のプレミアム・ノンアルコールスパークリングワインを世界約50カ国に展開する注目のメゾンだ。この春、「マンダリン オリエンタル 東京」のメインダイニング「シグニチャー」にて、新たなコレクション『フレンチ・ブルーム エクストラ・ブリュット』のリリースに際してプレゼンテーションを行った同社CEO兼研究開発責任者のロドルフ・フレールジャン=テタンジェ氏と、共同設立者でテタンジェ氏の妻であるマギー・フレールジャン=テタンジェさん二人の商品開発ストーリーをお届けする。

『ミシュランガイド』審査員から転身。自身の妊娠を機にシャンパーニュの代替品を着想

マギー まず「フレンチ・ブルーム」の誕生ストーリーからお話しましょう。私は『ミシュランガイド』のディレクターを5年間務めていました。その関係もあり、さまざまな国で素晴らしい料理の数々をワインとともにいただいてきました。やがてロドルフと結婚し、2019年に双子を授かったのですが、妊娠中お酒が飲めない期間、料理とワインのペアリングという世界から疎外された思いがしたのです。

そこで考えたのが、シャンパーニュと同等のクオリティで楽しめるノンアルコールドリンクを作れないか、ということでした。商品開発にあたっては、妊婦を対象に発想したこともあり、オーガニック、酸化防止剤無添加、ナチュラル、糖分ゼロ、低カロリーといったテーマを創業当初からベースに掲げました。

しかし、そうしたアイデアは思いついたものの、実際どのようにノンアルコールドリンクを作ったらいいか見当もつきません。幸運なことに、夫のロドルフがシャンパーニュを造ってきたキャリアがあったので、彼と一緒に起業することにしました。

ロドルフ マギーから最初にこの話をもらった時、これは非常に大変なことになったと思いました(笑)。なぜなら、アルコール発酵をさせてベースワインを造り、そこからアルコールを抜いてしまうと、大部分の香りも味わいの骨格も抜けてしまうからです。

私たちは、ノンアルコールワイン造りにチャレンジを始めた2020年当初、手始めにフランスのさまざまな地域のワインを取り寄せ、試験的にそれらからアルコールを抜いてみました。皆さんがご存じのような著名な高級ワインも含めてです。そこでわかったのは、どんなに素晴らしいワインだからといって、アルコールを抜いてしまうと美味しいノンアルコールワインにはまったくならない、ということでした。

脱アルコールのプロセスより大切なのはテロワールを生かしたベースワイン造り

ロドルフ 私たちは、グループ企業のシャンパーニュメーカーの醸造長や、コニャックのセラーマスターにも加わってもらい、ノンアルコールワイン造りの議論を始めました。その試みは今でもまだ続いていて、品質改革と新商品開発は継続的に進んでいます。

マギー 現在でも、脱アルコールの工程を経ると、アルコール醸造時の約60%の香りは失われてしまいます。でも、私たちがトライを始めた当初はそれが約90%という数値だったことを考えれば、社内のたゆまない努力は着実に実を結んできていると思うのです。

研究の中で、コニャックのセラーマスターから学んだことがあります。コニャックはユニ・ブランのブドウから造られますが、ベースとなるワイン自体はけっして美味しいものではありません。しかし、そのワインを蒸留すると、美味しいコニャックができあがる。ですから、コニャックと同じような考え方にのっとり、私たちは脱アルコールをする前提でフレンチ・ブルームのベースワインを造っています。

ロドルフ 「どうやってアルコールを抜くのですか?」皆さんからよく聞かれる質問です。でも、私たちが大事にしているのは、実はアルコールを抜くプロセスよりも、アルコールを造る前段階なのです。

ワインは本来、素晴らしいテロワールがあってこその産物。私たちはフランス国内のさまざまな土地を選定していった結果、最終的にラングドック地方リムー地区のブドウ畑にたどり着きました。そして、やがてそこに20ヘクタールの畑を購入しました。フランスのノンアルコールワイン業界では初めて、自社畑のブドウでノンアルコールワインを造るということを始めたのです。

リムーはシャンパーニュ地方よりも約100年早く、スパークリングワインが誕生した土地。ドン・ペリニヨンがリムーにやってきて、シャンパーニュ造りの製法を学んでいった、シャンパーニュの誕生ときってもきれないゆかりのある場所です。私たちはそのリムーで、シャルドネとピノ・ノワールを栽培していますが、現在、畑のうち40%がオーガニックの畑です。

マギー この度、新しくコレクションに加わった『フレンチ・ブルーム エクストラ・ブリュット』を例にとると、リムーで栽培したシャルドネを周辺地域より約3週間早く、ブドウが完熟する前に収穫することで、十分な酸を確保しています。さらに、ベースワインの30%はブルゴーニュワイン樽で熟成させることで、香りと味わいに複雑さがもたらしているのです。

ロドルフ 『エクストラ・ブリュット』に使われるシャルドネの畑は、リムーのうちでもコトー・オセアニックと呼ばれる畑で、地中海性気候に加えて大西洋気候の影響も受ける石灰質・粘土土壌の特殊な土地です。そのテロワールから生まれるほどよい酸味こそ、この『エクストラ・ブリュット』の味わいの軸となり、ひいてはそれがフレンチ・ブルームというメゾン全体の個性にもつながっているのです。

マギー・フレールジャン=テタンジェさん(左)、ロドルフ・フレールジャン=テタンジェ氏

“ノンアルコールスパークリングワイン”だけを造り続け「ワイン」の定義を変えていく

マギー この春から、ここ「マンダリン オリエンタル 東京」の「シグニチャー」では、フレンチ・ブルームの4種類のキュヴェを使ったノンアルコールペアリングを楽しんでいただいています。昨年から、フレンチ・ブルームの顧客層のマーケティングをあらためて行ったところ、創業当初はお酒が飲めない人、すなわち妊婦であったり、体質的、あるいは宗教的な理由からアルコールを摂取しない人を想定していたのに反し、その約80%はシャンパーニュを日常的に楽しんでいる人であることがわかりました。ふだんお酒を飲むけれど、たまには飲まない日もあるという“フレキシブル・ドリンカー”です。

ロドルフ 私たちがほかのノンアルコールワインメーカーと大きく異なるところ、それは私たちはノンアルコールワインを、それもノンアルコールスパークリングワインしか造っていないということです。しかし、意識としてはシンプルに「ワインを造っている」ととらえています。ただ私たちは、その「ワイン」の定義を変えていきたいと考えているのです。

『フレンチ・ブルーム エクストラ・ブリュット』

「オマール海老のポシェとそのババロア ガストリックソース グリーンアスパラガスのエスプーマ」

『フレンチ・ブルーム ラ・キュヴェ・ヴィンテージ 2022年』

新緑の装いに仕上げた「鶏胸肉のポシェ “プーレ オ ヴィネグル” ホワイトアスパラガス」

『フレンチ・ブルーム ル・ロゼ』

「苺のデクリネゾン ピスタチオクリーム バジルのアクセント」
『フレンチ・ブルーム エクストラ・ブリュット』(左)、『フレンチ・ブルーム ラ・キュヴェ・ヴィンテージ 2022年』(中)、『フレンチ・ブルーム ル・ロゼ』

『フレンチ・ブルーム エクストラ・ブリュット』

品種:シャルドネ100%

小売価格:1万1232円(税込)

明るい黄金色の色調。繊細な白い花の香り。爽やかなミネラルのノートに、ドライアプリコットと白い花のニュアンス、生き生きとした緊張感とほのかな塩味。

『フレンチ・ブルーム ラ・キュヴェ・ヴィンテージ 2022年』

品種:シャルドネ100%

小売価格:1万8144円(税込)

アルコール0.0%、かつ比較的若いヴィンテージにもかかわらず、香りや味わいが複雑で、熟成のピークに達したシャンパーニュのような熟成感を感じる。

『フレンチ・ブルーム ル・ロゼ』

品種:シャルドネ、ピノ・ノワール

小売価格:7452円(税込)

バラの花びらやサクランボの香り、白桃やワイルドベリーの繊細な香り。バランスの良い酸味とミネラル感、深みのある味わいのロゼ・スパークリング。

問い合わせ先:アオセフランス㈱
Tel 0798-61-2231
Mail contact@aocfrance.jp

オフィシャルサイト

[フレンチ・ブルーム 有機フレンチ発泡酒 アルコール0.0]

東京・日本橋「マンダリン オリエンタル 東京」37階のファインダイニング「シグニチャー」では、「フレンチ・ブルーム」の全コレクションをノンアルコールワインペアリングを提供中(1名/1万2100円、税込・15%サービス料別)。

問い合わせ先:マンダリン オリエンタル 東京 コミュニケーションズ

Tel 03-3270-8960

Mail motyo-pr@mohg.com

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「フレンチ・ブルーム」をはじめ52本のノンアルコールワインを掲載

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