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【ネタバレ】『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ラスト&おまけシーン解説 ─ 衝撃の結末と伏線、今後の展開も大予想

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ソニー・ピクチャーズによる『ヴェノム』シリーズ完結作が先行公開中だ(一般公開は2024年11月1日)。

エディとヴェノム、壮絶なる最後の戦いが描かれた本作。ラストではシリーズ新章を予告する重要なシーンも挿入された、見逃し厳禁の一作となった。この記事では、ラストシーンの意味することや、原作コミックの設定解説、今後の展開の予想解説を行う。

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の非常に重要なネタバレが含まれています。未鑑賞の方は閲覧をお控えいただき、ネタバレなしのレビュー記事をお楽しみください。

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エディとヴェノム、壮絶な最後── -->

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の非常に重要なネタバレが含まれています。未鑑賞の方は閲覧をお控えいただき、ネタバレなしのレビュー記事をお楽しみください。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』エディとヴェノムの最後……ラストシーン

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』より初登場した、闇の邪神にしてシンビオートの創造主ヌル。はるか彼方の惑星に幽閉されたこの最強ヴィランは、自身解放のカギとなる“コーデックス”の持ち主ヴェノムを狙って、ゼノファージを地球に送り込んでいた。

コーデックスとは、シンビオートが別の生命を蘇らせた際、異なる生命が一つとなって生成されるもの(それ以上の詳細は不明)。ヴェノムはシリーズ第1作の対ライオット戦の際にエディ・ブロック(トム・ハーディ)を蘇生させていたので、コーデックスを取得していたのだ。

ちなみにゼノファージのビジョンではコーデックスが渦巻き型をしていたが、これは原作コミックを踏襲したもの。また、コミックではいくつものコーデックスを充分量集める必要があるとされたが、映画では一つで通用する設定に変更された。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』クライマックスでは、エリア51でヴェノムたちがヌルによる使者ゼノファージとの激闘を繰り広げる。物理的に破壊しても再生されるゼノファージが次々と送り込まれ、このままでは勝ち目なしと判断したヴェノムは、最後の奇策に打って出る。「俺たち、リーサル・プロテクターはもう無理か……」「まだなれる。今こそ必要だ」。

ヴェノムは、自らにゼノファージを巻き込む形で吸収し、自分もろとも“ハイパー酸溶解”を浴びて消滅を試みたのだ。この事態を収拾させ、コーデックスを消滅させるためには、エディかヴェノム、そのどちらかが犠牲とならなければならない。“ラストダンス”を踊るのは、ヴェノムだった。

膨張した身体を引きずりながら、エディはヴェノムの身体を投げ出し、「お前を忘れない。お前も俺を忘れるな。さらば」と言い伝え、死の酸を浴びる。虹彩認証によって酸噴射を行っていたストリックランド将軍(キウェテル・イジョフォー)の体が制御盤から落ちると、自らその体勢を直してなおも酸を浴び続ける、まさに“決死”のエディ。この生命体から聞いたことのない、低く鈍い呻き声。最期の瞬間には「さよならは別れじゃない」と言い残し、相棒に危害が及ばないようにシールドを被せる。そして手榴弾のピンが抜かれ……。

この戦いでは、エリア51の地下極秘施設の研究職員たちもシンビオートと融合し、ゼノファージに立ち向かった。その全員が敗れた中、最後までシンビオートのサンプルを使わずにいたペイン博士(ジュノー・テンプル)は、爆破される研究所から逃走しながらついに融合。かつて全身に受けた落雷による特別なパワーを宿していた彼女は、スーパースピードで駆けるシンビオート“アゴニー”として覚醒する。

ヴェノムの犠牲により、ゼノファージ群はなんとか消滅した。エディは、旅の途中で出会ったマーティン・ムーンから教えられた“ニエリカ”(死後の世界に通じる道)を夢見て気絶し、目が覚めるとどこかの施設のベッドの上にいた。側にいたのは、ストリックランド将軍のボスであり、劇中でほとんど説明のされなかった謎の“インペリアム計画”首謀と見られる男で、現在までにキャラクター名などは不明。エディはこの男から礼を述べられつつ、一連の出来事を口外してはならないと警告される。

回復したエディが向かったのは、ヴェノムと夢見た旅の終着地ニューヨークだ。BGMはMaroon5の『Memories』。「分かち合った喜びに乾杯」と歌う一曲だ。エディは、これまで“相棒”と過ごしたかけがえのない日々を胸に抱き、清々しい顔で歩く。もう頭の中で絶え間なく悪態をつく声はない。あるのは静寂と平穏、そして思い出だけ。

二人で見ようと約束しながら、ついぞ叶わなかった自由の女神をひとり眺めながら、エディは「忘れないよ、相棒」と呟く。こうして、エディとヴェノムの物語は完結するのだった……。

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おまけシーン徹底解説! -->

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の重要なネタバレが含まれています。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』おまけシーン解説

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』には二つのおまけシーンが存在する。エンドクレジットの最中に挿入されるミッドクレジット・シーンでは、すべての黒幕となったヌルが登場。ヴェノムのコーデックスが消滅したことに激昂しており、“キング・イン・ブラック”の目覚めを宣言し、世界を焼き尽くしてやると予告。「お前はそれを目の当たりにする」と宣戦布告した。なお、解放に必要なコーデックスはヴェノムの死によって無くなったはずだが、どのようにしてヌルが復活できるのかは説明されていない。

劇中でヌルは、宇宙創造前から存在し続ける闇の邪神であり、シンビオートの創造主であると紹介されていたが、これは原作コミックと同じ。コミックではヴェノムやアベンジャーズ、X-MEN、ファンタスティック・フォー、シルバーサーファーにセントリーといった最強クラスのヒーローたちが結集して死闘を繰り広げたほどの、最強クラスのスーパーヴィランだ。原作でも同様にシンビオートの反逆によって幽閉されていたが、コーデックスによって解放され、地球に襲来する物語が展開された(『キング・イン・ブラック』)。

ケリー・マーセル監督は本作でのヌル登場について、「マーベル映画でサノスが注意深く紹介されたのと同じようにして、彼が自身の映画でどこまで行けるのかを試す、一種のテスト」であると。これまでソニーのユニバースにはサノスのようなラスボスが存在しなかったが、ついにヌルがその最大の脅威となって、シリーズの今後を引き締める。劇中でマリガン刑事(スティーヴン・グレアム)が見た未来のビジョンでは、地獄のような光景に立つヌルの姿が描かれていたが、この最悪の事態が到来する恐れがある。

なお、ヌル役を演じたのは前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)で監督も務めたアンディ・サーキス。ハリウッドにおけるモーションキャプチャーや声優業の第一人者として、恐るべきラスボスを迫力たっぷりに表現した。

二つ目のおまけシーンは、まさにおまけだ。エンドロール後に登場したポストクレジット・シーンでは、ゼノファージとの戦いで爆破され、焼け野原状態となった研究所から、メキシコのバーの店員(クリスト・フェルナンデス)がひょっこり登場。エディが残したシンビオートの回収に訪れたストリックランド将軍によって、ついでに身柄が拘束されていた不運な男である。

ラストカットではゴキブリが登場するが、これは事前に語られた「核戦争になってもゴキブリは生き残る」というセリフを回収するものだ。海外メディアでは、実はこのゴキブリにシンビオートが残っていたのではないかと見る向きもあるが、果たしてどれだけの重要性があるかは不明。ちなみにシリーズ最後作のおまけシーンがゴキブリとともに幕を閉じるというのは、DC『アクアマン/失われた王国』(2023)と同様である。

ところで、施設全壊となった中でもバー店員だけが生き残っていたのは、コメディ演出のご加護によるものなのか、それとも彼にもゴキブリ並みの特殊な生命力があるということなのか……。

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今後の展開を大予想-->

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の重要なネタバレが含まれています。

『ヴェノム:ザ・ラストダンス』解説 今後の展開予想

本作『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は『ヴェノム』シリーズ最終作であり、ケリー・マーセル監督も「エディとヴェノムの物語はこれで終わり」としている。ただ、ヴェノム最強の敵であるヌル登場による今後の大展開が予告された今、すっかり看板キャラクターに出世したヴェノムがこれで本当に見納めとなるとは考えにくい。監督が「(コミックの)カノンにはたくさんのシンビオートの物語があります。行くべきところもたくさんありますし、もしかすると本作にも、そのきっかけとなるイースターエッグがいくつかあるかもしれません」と続けているように、すでに我々は今後へのヒントをいくつか受け取っている。

今後のおおまかな流れを予想してみよう。『ヴェノム』世界におけるヴェノムのシンビオートはおそらく完全に死滅してしまったのだが、彼は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』おまけシーンで、(アース616)にもその一部を残している。つまり、ヴェノム(の欠片)はMCU世界でまだ生きているのだ。彼らがユニバースを跨いで再会できる可能性は残されている。

考えられるのは、MCU世界に残ったシンビオートがピーター・パーカーに寄生し、コミックや『スパイダーマン3』(2007)で有名なブラック・スパイダーマンが誕生すること。原作コミック『シークレット・ウォーズ』でスパイダーマンはシンビオートであることに気付かずブラックコスチュームを着用するのだが、これが2027年の映画『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ』で再現される可能性も高い。もしもこのクロスオーバー大作でソニー・ピクチャーズ勢も参戦するのなら、ピーターに寄生していたシンビオートが異世界ではぐれた元の宿主を探し求め、最終的にエディに辿り着くという線もあるだろう。

(C) 2007 Columbia Pictures Industries,Inc.All Rights Reserved.MARVEL,and all Marvel characters including the Spider-Man,Sandman and Venom Characters TM & (C) 2007 Marvel Characters,Inc.All Rights Reserved.

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『ヴェノム』ユニバースで確認できる限り生き残ったシンビオートは、ペイン博士に寄生した“アゴニー”のみ。本作ではサブキャラクターだったペイン博士だが、今後のシリーズではより重要な役どころとなりそう。

彼女のフルネームはテディ・ペインで、過去映像で落雷によって死亡していた兄がサディアスという名。原作コミックのサディアス・ペイン(Thaddeus Paine)は、事故によって触覚神経を失ってから恐ろしい実験に取り憑かれるようになり、ヴェノムのシンビオートとも接触を試みたことがあるという人物だ。映画では独自にアレンジしたと見られる。

そのほか、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』劇中では、エディがムーン一家の息子リーフと交流する中で、ヴェノムから「いい父親になるぞ」とかけられる場面があったが、これは原作コミックでエディが父となる展開への頷きだろう。

コミックでは、ヴェノムがエディとアンにそれぞれ寄生した際に、両者の因子が組み合わさったことでアンが子を身籠るという展開で、息子ディランが誕生。アンにとって隠し子となったディランは本当の両親も知らず育つが、あるとき実父エディと出会い、衝突もありつつも、ぎごちなく理解を深めていく。ヌルとの最終決戦を描いたコミック『キング・イン・ブラック』では、エディとディランの親子の絆が物語の鍵として機能する。

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映画『ヴェノム』1作目ではヴェノムがアンと結合しており、原作通りの筋書きが実現する可能性も。仮にエディ役のトム・ハーディの再演が叶わなかったとしても、密かに誕生していたディランがMCU世界に残されたシンビオートと出会い、2代目ヴェノムが描かれるというバックアップ・プランが残されているというわけだ。

なお、ヴェノムが最期の瞬間に残した「さよならは別れじゃない」のセリフは、原語では“It's just bye for now”=「これは今だけの別れだ」というもので、将来的な再会を示唆するようなものにもなっている。果たして、エディとヴェノムは再び出会うことができるのだろうか……?

このシリーズの次回作は、2024年12月13日日米同時公開の『クレイヴン・ザ・ハンター』。スパイダーマンの宿敵として知られる最強ハンターを描く作品で、シリーズ初のR指定となる。こちらの作中にもどこかにヌルが登場する可能性が高まり、ますます見逃せなくなった。

映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は先行上映中。一般公開は2024年11月1日より。

Source:

スパイダーマンTM トリロジー ブルーレイ コンプリートBOX
価格:¥5,800+税
発売・販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
セルブルーレイ品番:BPBH-1154

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