陥没事故受け市が緊急点検 目視やレーダーで調査
埼玉県八潮市で先月28日に発生した、下水道管の破損に起因する道路陥没を受け、藤沢市が先月31日から2月10日にかけて、市内下水道管の緊急点検を実施した。
点検が行われたのは、下水処理場に接続する口径2千ミリメートル以上の下水道管(汚水)で、大清水浄化センターから大清水中学校南側までの延長約550m。
担当の市下水道管路課によると、市内で口径2千ミリメートル以上の汚水下水道管は今回調査を行った地点のみで、31日には路面の変状を目視で確認した。
6日から7日の夜間にかけては、専門の調査業者が管路内に入り、汚水の流下状況や土砂の堆積、管の亀裂や破損等を目視で調査した。
さらに10日には、地中レーダーを使って路面下の空洞の有無を調査した。管路が埋設された道路上でレーダー搭載車両を走らせ、データを収集し解析した。
同課によると、路面と管路内の異常やレーダーによる地中調査での空洞は確認されなかったという。同課では「今後も点検等を行い、異常を発見した場合は速やかに補修するなど適切に処置していく」としている。
陥没は年約30件
老朽化による破損や改修費用の負担増など、全国的に課題となっている下水道管などのインフラ設備。
藤沢市内では、管路全体の延長が約1700Kmほどあり、年間約340Kmを目標に定期的な点検を行っている。
さらに、管が腐食する原因となる硫化水素が発生する恐れがある約90カ所を特定し、年1回の点検も実施している。
この他にも、地盤強度の差などから陥没が発生する可能性が高い地域を示す「陥没ポテンシャルマップ」をもとにした点検や調査を行い対策を取ることで、多い時には年間120件ほど発生していた道路陥没は、最近では年間30件ほどになっているという。
同課では「人や車両などに大きな被害が発生する規模の道路陥没は発生していませんが、下水道管が原因での道路陥没は今なお発生している」とし、「道路部門と連携しながら、点検や調査を継続的に行い、補修や対策を取ることで陥没被害の発生を防いでいきたい」と話す。