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仏像写真から伝わる祈りや想い、パラミタミュージアムで「小川晴暘と飛鳥園100年の旅」始まる

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黒い背景に仏像が浮かぶ小川晴暘の作品。立つのは孫の小川光太郎さん=三重県菰野町

 三重県菰野町のパラミタミュージアムで11月30日、「小川晴暘と飛鳥園100年の旅」が始まった。仏像写真の芸術性を極めた奈良の写真館「飛鳥園」が2022年に創立100年を迎えたことを記念し、晴暘、その子の光三の2人の作品を中心に、撮影機材や2人の活動を引き継いだカメラマンの作品なども展示し、飛鳥園を多角的に紹介している。2025年1月26日まで。

 岡田文化財団設立45周年記念の企画。写真のほか、長さ約16mにもなる中国山西省の雲岡石窟を調査した時の全景スケッチなど計111点を展示している。

 小川晴暘(1894~1960)は兵庫県姫路市の生まれで、画家を志したが、職業とするのは難しく、親戚の写真館で修業、朝日新聞社で写真を担当するなどしたのち、歌人や美術史家などとして知られる會津八一の勧めもあり1922年、奈良に「飛鳥園」を創業した。奈良の仏像を中心に文化財や文化遺産の撮影をし、中国の雲岡石窟、インドネシアのボロブドゥール遺跡、カンボジアのアンコール・ワットなどアジアでの調査や撮影活動も行ったという。

 晴暘の活動を継いだ三男の小川光三(1928~2016)は、黒いバックでモノクロで撮影した晴暘とは別の、カラー写真での撮影に独自の道を探した。「カラーの方が難しい」と言われた仏像写真の精神性の表現に挑んだとされる。

カラー写真で仏像の精神性をとらえようとした小川光三の作品の一部

 展示初日、晴暘の孫にあたる現在の「飛鳥園」の代表取締役、小川光太郎さん(70)が会場を訪れており、展示を自ら解説した。限られた自然光や小さな灯りのみで仏像を撮り、像の中に秘められた祖先の祈りや思いに焦点を当てたなどと称される撮影方法が、展示を見る人にも特別な何かを伝えるようだ。

 光太郎さんは、雲岡石窟の調査時に描いた長大なスケッチを「ぜひ見ていただきたい」と紹介した。画家をめざした晴暘だからこそ描くことができたともいえる絵と、撮影したその場所の写真を合わせて展示してあり、照らし合わせながら見ることができる。

雲岡石窟のスケッチの一部。全体では約16mの長さになる

 光太郎さんは、幼かったころ、自宅の離れにいた晴暘が、少し怖い印象だったなどと思い出も語ってくれた。羽織、袴で、髪は黒く、やや長めだったと覚えているという。光太郎さんは12月8日午後2時から、パラミタミュージアムで記念講演会「飛鳥園の100年」の講師を務める。

 来年1月12日午後2時からはパラミタコンサートがあり、四日市出身の村鳥栄舞さんらが「マリンバによる木のぬくもりコンサート」を開く。パラミタミュージアムの入場料は一般1000円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。12月28日~1月1日は休館。

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