社会貢献で全信協表彰 北伊勢上野信金が受賞 水力発電復活に支援
三重県伊賀市の「馬野川小水力発電所」を産学連携で60年ぶりに復活させたプロジェクトに貢献したとして、北伊勢上野信用金庫(本店・四日市市)が第28回信用金庫社会貢献賞の「地域活性化しんきん運動・優秀賞」(全国信用金庫協会主催)を受賞した。同信金の受賞は今回が初めて。
全信金には254の信用金庫が加盟しており、今回の社会貢献賞には155信用金庫と6関係団体から609件の応募があった。受賞したのは北伊勢上野を含む6信用金庫と個人賞の3人で、表彰式が20日に東京都内であった。
復活プロジェクトは、取引先企業の土木建設会社「マツザキ」(伊賀市下阿波)の松崎将司社長が東日本大震災の被害による深刻な電力供給不足をきっかけに「貴重な水資源を地域エネルギーとして地産地消できるように」と2013年に発案。同信金が三重大学との共同研究をコーディネートする役割を果たし、補助金申請や事業融資で支援し、地元住民の共感や合意を得るために尽力したことが評価された。
19年に復活した発電所は、標高約460メートルの取水口から全長約1キロの導水管を経て約76メートルの落差を利用している。最大出力は199キロワット、年間発電量は約95万キロワット時で、一般家庭260戸分に相当する電力を生み出している。
南部和典理事長や松崎社長らが6月23日に伊賀市役所を訪問し、稲森稔尚市長に受賞を報告した。南部理事長は「信金独自でできる地域貢献を目指して頑張っていきたい」と話した。