石破総理の経済政策 デフレ脱却際優先 藤井氏「言っていることをまともに捉える必要はないですが……」
10月3日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、石破茂新総理の経済対策に関するニュースについて意見を交わした。
石破総理は1日の記者会見で「デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行っていく。まず第一歩とし、早期に物価高で苦しんでいる方々を支援するための経済対策の検討指示を行う」と述べ、低所得者向け給付金などを実施する考えを明らかにした。
低所得者世帯向けの給付金など物価高への緊急対策を行うほか、企業の生産性向上の支援などで2020年代に最低賃金を全国平均で1500円にまで引き上げることなどを示した。
石破総理は経済政策について、岸田政権が掲げてきた「成長型経済」を継承するとして、物価高への対策と賃上げによって個人消費を拡大し、デフレからの完全脱却を目指すとしている。
寺島アナ「藤井さん、この石破総理の経済の考え方、これはいかがでしょうか?」
藤井氏「石破さんは口からでまかせで言う傾向があるので、言っていることをいちいちまともに捉える必要はないですが、ただ、総裁になることが決まった記者会見でデフレ脱却について問われたときに次のようなことを言っているんですよ。『消費というものが全体の経済の55%を占めている。だからデフレ脱却において消費の拡大は大事である。一方で人々の消費というのは将来に対する安心によって喚起される。不安があれば消費というのは抑制される。だから将来不安というものを払拭しないといけない。したがって、そのためにも社会保障を充実しなければならない』と言っているんですね。社会保障を充実しなければならないっていうのは、これはもう玄人筋の人はほぼ全員はわかりますけど『増税します』とか『社会保障費を上げます』っていうことを意味しているんですよ。財務省は常に増税する、社会保障費を引き上げるときの言い訳、理由として『将来不安を払拭するため』って言っているのでね。だから石破さんは、ほぼほぼ財務省が書いたことをそのまま暗記して喋ってはるんですよね。その暗記していることっていうのは増税に向けた理屈なんですよ」
寺島アナ「はぁ〜」
藤井氏「だからさすがに今回の会見でそこを直接言っているわけではないのかもしれませんけど、それをスッと言ってるわけですよ、(デフレ脱却について)質問されたときには。彼の基本的な考え方はそうなっているってことですよね」
寺島アナ「石破さんは前半というかギリギリまでは正論を言っていて、最後に言った社会保障の充実さえ、たとえば国債の発行だとか、そういったものでってなっていけば、これはある程度認められるって感じですかね?」
藤井氏「まぁもちろんね。でも石破さんはずっと『国債発行は悪である』とずっと言い続けてきているし、多くの識者は『石破さんは緊縮財政の人ですから』と、全員と言っていいレベルで言ってますから、そこだけはこの人は意見を変えないでしょうね。国債は出さないという意見はずっと財務省に言わされてきたことですから、そこだけは変えないと思いますよ」