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猫がドタドター!と『急に暴れだす』5つのワケ 何かにびっくりした?イライラしている?

ねこちゃんホンポ

1.狩猟本能にスイッチがONになった

猫の狩猟本能は、室内飼いの猫でも失われていません。毎日のちょっとした刺激で、狩猟本能にスイッチが入り、突発的な動きをすることがあります。

床に転がっていた小さなゴミをつついたことをきっかけに、急にバタバタと走り出すことも。特に、子猫は短期間で多くのことを学習するため、飼い主がもう十分に遊んだと思っていても、「狩りの基本動作」のように低姿勢からの急なダッシュやジャンプを繰り返すことがあります。

可能であれば一日に何度かに分けて、十分な遊びの時間を確保するとよいでしょう。また、成猫でも性格や健康状態によって、シニアになるまでこのような行動が見られるケースもあります。

この行動自体は猫にとって自然なものですが、加齢とともに身体能力も低下する可能性が高く、年齢に応じて遊び方を変えるなどをしてケガをしないように注意してあげてください。

2.エネルギーが余っている

猫は一日の大半を眠って過ごすといわれるほど長い休息をとります。それは、次の食糧となる獲物を狩る時に備え、エネルギーを十分に蓄えておくためです。

しかし、お留守番が長い家庭の場合は、飼い主さんがいないとおもちゃで遊んだり、注意を引いてもらったりすることが少なくなり、自発的な運動が不足しがちになります。そのため、余ったエネルギーを解消するために、突然活発になることがあるのです。

猫が急に暴れ出すことを、英語で「zoomies(ズーミーズ)」といい、猫だけでなく犬などほかの動物でも見られる現象です。ズーミーズは自然な行動であり、心身の健康を保つために必要なエネルギーの発散方法のひとつです。

3.ストレスや不安

猫は意図しない環境の変化や見知らぬほかの動物の気配に対して、強くストレスを感じます。最初は警戒していた猫も、ストレスの要因が改善されないとイライラして落ち着きを失ったり、過剰に暴れ出すようになったりすることがあります。

走り回っている猫は一見元気そうに見えますが、精神的には疲れていることがあります。そのため、ストレス状態が長期にわたって続けば、過剰グルーミングや攻撃的な態度を見せるようになることも考えられます。

もし、ストレス性の行動が見られる場合には、原因を調べてストレス緩和の対策を取るようにしましょう。

思い当たらない場合は、知らない所で猫にストレスを与えてしまっているかもしれません。かかりつけの獣医師やブリーダーなどの専門家に猫の生態などについて聞いたうえで、究明すると良いでしょう。

4.トイレの後の興奮

「トイレハイ」と呼ばれる排泄後の興奮行動では、猫はトイレを済ませたあと、そのまま走り回ったり、高い場所に飛び乗ったりして暴れます。

トイレハイには、明確な科学的根拠はないものの、排泄したあとの安心感や快適さから、ワーッと開放的になるのではないかといわれています。あるいは、本能的に「排泄物のにおいから敵に見つからないようにする」ための行動ともいわれています。たしかに排便時の方がトイレハイになることが多いかもしれません。

このトイレハイは一時的な興奮なので、通常の場合は特に心配することはありません。しかし、過度の興奮や便自体に変化があった場合は、注意しておく必要があります。

5.体調不良や痛み

通常、猫は体調が悪いときには、ジッと黙って寝床にうずくまっているイメージがあります。たしかに、それも間違いではありませんが、急に暴れ出すことで体調不良が判明することもあります。

たとえば、免疫力の低下などから口内炎になっている場合、食事中やグルーミングの途中で突然走り出すことがあります。予期せぬ激痛を感じるのでしょう。

加齢に伴う変形性の関節症などもふとした行動で痛みを感じる可能性があるため、痛みを感じて突然怒ったり興奮したりする場合があります。頻繁に見られるときは、獣医師に相談しましょう。

まとめ

今回の記事では、猫が突然暴れる理由について解説しました。

猫が暴れだす理由には、エネルギーの発散やトイレハイなどの本能的な習慣だけでなく、ストレス、体調不良など見えない健康問題が隠れていることもあります。

最初は、愛猫のおかしな行動に驚いてしまいます。そして、このような行動は何年もするうちに、飼い主も次第に見慣れてしまい「またやっているな」と考えるようになります。

しかし、これまでそうだったからという理由で、猫の変化を見逃してしまうことはとても怖いことです。猫の暴走が本当にいつもの行動なのか、今回は異変が伴うのか、よく見極めることが大切です。

病気によっては早期治療が改善のカギとなるため、暴れる行動が頻繁に繰り返される、過剰グルーミングや食欲低下など別の症状も見られる場合には、できるだけ早く動物病院で相談するようにしてください。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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