大弘会 茶道界のお正月「炉開き」 源氏香で優美な世界堪能
市内石田の煎茶道黄檗弘風流家元総師範、茶道裏千家教授である大門ヒロ子さん宅で11月30日、大弘会炉開きが行われた。
炉開きとは、口切の茶事といい、炉を開いて火を入れ、その年に摘んだ新茶を茶壷から出し、いただく行事。炉の始まる時期である11月に行われ、お茶の世界での正月とも言われている。
当日は正装した大弘会社中や来賓が集い、厳かな雰囲気の中で執り行われた。参加者には濃茶や薄茶、汁粉膳、祝い懐石膳が振舞われた。
また、安藤家御家流香道の田賀月沙鶴氏を招き、源氏香も行われた。源氏香とは組香のひとつで5種類の香木を5包ずつ作り計25包を混ぜ合わせ、無作為に5包を取り出し焚いて薫じ、同じ香りと思うものの線の上部を横線でつなぐもの。『源氏物語』五十四帖から採用されたものだが、「桐壺」と「夢の浮橋」の二つが除かれ五十二帖からなる。香りの嗅ぎ分けに苦戦しながらも、参加者らは、優美な世界を堪能していた。
大門さんは「お茶の世界では今日がお正月にあたり、大変身の引き締まる思い。香道も行い、優雅なスタートを切ることができました」と感想を述べた。