犬が誘拐されないための5つの方法とは 他人事ではない?万が一に備えた対処法を知っておこう
愛犬が誘拐されないための方法
2021年2月に米国ロサンゼルスで、レディー・ガガさんの2匹のフレンチブルドッグが散歩中に強奪されるという事件が起きました。有名人や富裕層のお子さんが誘拐される事件を耳にすることはあっても犬の誘拐は珍しかったので、印象に残っている方も多いかもしれません。
事件当時犬たちと散歩をしていたのは、犬の散歩代行業者の男性でした。犯人たちはその男性を銃撃した上で、3匹いたフレンチブルドッグのうちの2匹を連れ去りました。動機は「有名人の愛犬だから」ではなく、「フレンチブルドッグは高額で売れるから」だったといわれています。
新型コロナ感染症のパンデミック以降、犬や猫と暮らす人は世界的に増えました。また、それと同時に増えているのが「犬の誘拐」といわれています。そしてこの傾向は日本も例外ではありませんし、決して他人事ではないのです。
そこで今回は、犬が誘拐されないための方法について解説します。ぜひご自宅の愛犬についても確認しておきましょう。
1.店先で犬をひとりで待たせない
近年多発している犬の誘拐は、その方法や状況もさまざまです。
冒頭のレディー・ガガさんの事件のように、最初から誘拐を目的に計画的に愛犬が狙われていた場合はもちろんですが、たまたま通りすがりに見かけて「かわいい」と思われた結果、簡単に誘拐されてしまう事件も少なくありません。
中でも愛犬が誘拐される原因として特に多いのが、コンビニやスーパーなどの店先に繋いで、愛犬をひとりで待たせておくという行為です。
店内からガラス越しに愛犬の様子を見ることはできても、いざという時に助けたくても間に合いません。犯人に「誘拐してくれ」と言っているのに等しい行為だと言っても過言ではないでしょう。
また、駐車場に停めた車の中で待たせるのも危険です。ガラス窓を破ったり、車ごと盗まれたりしてしまうこともあります。
2.自宅のセキュリティ強化
昼間はご家族が全員外に出てしまい、犬だけで留守番をさせているというご家庭の場合、家や庭に侵入できないようにセキュリティを高めることが大切です。
特に、留守にする時間が長いご家庭であれば、防犯カメラを設置することも検討してみましょう。
留守中の庭での放し飼いは特に危険です。どうしても室内で留守番をさせられない場合は、簡単に連れ出せないように係留しておきましょう。
また、飼い主さんの在宅中に愛犬を庭で遊ばせる時も、子どもと犬だけにせず、必ず大人がついているようにしましょう。
3.外出に同伴する際は愛犬から目を離さない
愛犬との外出中は、常に目を離さないことが大原則です。
ただし、愛犬同伴で入れるショップはまだ数が少なく、外出中に飼い主さんがトイレに行きたいということもあるでしょう。そのため、愛犬を同伴する外出では必ず複数人で出かけ、外出先では愛犬を常にひとりにさせないようにすることが大切です。
また、一緒に出かけられるご家族がいない場合は、ご近所の愛犬家と交流を深め、お互いに助け合える関係を築くというのも大切です。
4.無闇に情報を発信しない
愛犬のことを話しだすと、止まらなくなるのが愛犬家の性です。しかし後先考えずにご自宅の様子や愛犬の情報を拡散してしまうと、「転売目的」や「嫌がらせをしたい」犯人から目をつけられるリスクが高まります。
特に最近は、SNSなどに愛犬との暮らしぶりを写真付きでアップし、日々の行動が筒抜けになっている方も少なくありません。
SNSなど不特定多数の目につく場所での愛犬自慢などは、ほどほどにされることをおすすめします。
5.周囲との人間関係を良好に保つ
愛犬とは全く関係のない人間関係も含めて、周囲の方との人間関係はできるだけ良好に保ちましょう。
生きていれば、どんな些細な理由でも第三者に嫌悪感を抱かれてしまうことはあります。その悪感情が、愛犬に向けられてしまう可能性もあることを、頭の隅に入れておきましょう。
犬が誘拐されてしまう理由とは
そもそも、なぜ一般家庭の飼い犬が誘拐されてしまうのでしょうか。
ここからは、犬を誘拐しようとする犯人の動機について考えてみましょう。犯人側の動機が分かれば、より良い対策ができるかもしれません。
転売するため
最も多いと考えられているのが「転売目的」です。
人気犬種はその地域や時代によって変わっていきますので、常にフレンチブルドッグだけが狙われるというわけではないでしょう。
ただし、転売目的の場合は、より買い手がつきやすい子犬が狙われやすいと考えられます。
繁殖犬にするため
ブリーダーはその犬種を心から愛し、その犬種を健全に長く存続させようとしている良心的な業者が多いです。
しかし、中には目先の儲けしか考えず、違法な手段で繁殖犬を入手しようとする業者もいるようです。その場合、健康で若くて避妊手術をしていない雌犬が多く狙われます。
自分で飼うため
たまたま買い物に行った店先にかわいい犬が繋がれていて一目惚れしてしまい、自分で飼おうと連れてきてしまったという犯人もいます。
出来心からでしょうが、いつどこで誘拐されてしまうかわからないという、恐ろしい理由だともいえます。
虐待などで憂さを晴らすため
恐ろしいのは、虐待したり命を奪ったりして「憂さを晴らしたい」という動機で誘拐する人が存在する、ということです。
動物虐待は、近年犯罪として罰則が強化されてきています。しかし、人に対するものと比べると、残念ながらまだまだ軽い罰則であることは否めません。
また、動物虐待が高じると、その攻撃性は人に向かっていくことが分かっています。愛犬を、過激化する虐待欲求のはけ口にして良いわけがありません。
飼い主への嫌がらせ
飼い主さんに嫌悪感を抱いた人が、飼い主さんへの嫌がらせに誘拐するという動機もあります。
この理由で誘拐された犬も、幸せとは程遠い暮らしを強いられることになるでしょう。
大切な愛犬を、飼い主さんへの嫌悪感の犠牲にすべきではありません。
まとめ
今回は、犬が誘拐されないための方法について解説しました。
愛犬が誘拐されないようにするためには、外出時に愛犬から目を離さないことと、すぐ手の届く距離を維持することが大切です。狙われるのは、有名人の犬だけではないことを理解しましょう。
万が一誘拐された場合は、警察、保健所、近所の動物病院などに連絡を入れ、常に連絡が取れるようにしておきましょう。
また、ペット探偵に依頼するのも、解決を早めるためには有効です。過去の実績や評判等をしっかりと調べ、信頼できるところに依頼しましょう。
いずれにせよ、愛犬との大切な日々を奪われないためにも、今回解説した方法を改めて確認し、備えておきたいですね。