名張市の行財政改革 29事業を廃止・縮小 新財源も確保
三重県名張市が2月20日に発表した2025年度一般会計当初予算案では、財政健全化の取り組みとして、一般財源から支出していた29の事業や補助金が廃止・縮小された。市は他の歳出削減や歳入確保と合わせ、当初の目標を上回る5億1954万円の効果があったとしている。
市は昨年11月、28年度に財政再生団体に転落する可能性があるとする中期財政計画を公表。行財政改革プランを打ち出し、財政健全化に向けて25年度は約4億円の目標額を設定していた。
この日の会見で北川裕之市長は「引き続き厳しい状況に直面しているのは変わらない。市民の皆さんには一定の痛みは伴うが、3年間集中して結果を出し、財政再生団体のリスクを回避したい」と述べた。
主な歳出削減
▼民間保育所措置費の削減(効果額4104万円)=1歳児保育推進や延長保育事業の補助基準見直しなど
▼福祉バス運行取り止め(同1830万円)=各地区と市総合福祉センター「ふれあい」(丸之内)とを結ぶ高齢者ら対象の無料バス。06年度は1便当たり平均約40人が利用したが、近年は1便当たり平均約8人
▼生活習慣病予防重点プロジェクト事業の廃止(同500万円)=三重大に委託
▼全国大会などの出場者激励金の削減(同47万円)
▼市街地循環型コミュニティバス「ナッキー号」の休日運行廃止(同44万円)
▼名張中央公園の展望台「ビューナ」のエレベーター運転停止(同34万円)=展望台には階段がある
▼親子体験農業の中止(同19万円)=めばえファーム(新田)でのサツマイモの苗植え・収穫体験など
▼「初めてのスポーツ」応援プロジェクト事業の廃止(同9万円)=テニスレッスンやホッケー教室など
▼就学援助費・特別就学援助費制度の削減(同961万円)=オンライン通信学習部分の廃止
▼ゆめづくり地域交付金の削減(同900万円)
▼地域福祉増進事業補助金の削減(同420万円)=市社会福祉協議会への補助金
▼市職員の時間外勤務の抑制(同4600万円)=窓口時間短縮など
▼庁舎LED化による電気代削減(同582万円)
主な歳入確保
▼がん検診自己負担金の引き上げ(同361万円)
▼軽度生活援助事業自己負担金の引き上げ(同39万円)
▼児童生徒用タブレット端末の売却(同3015万円)=GIGAスクールタブレット端末の更新費に充当
▼ネーミングライツ活用施設の拡充(同417万円)=市武道交流館、図書館など
▼斎場火葬残骨灰引き取り手数料の確保(同198万円)
この他、国補助金の活用や寄付拡充
【関連記事】火葬後の「残骨灰」売却へ 名張市の財源に 当初予算(https://www.iga-younet.co.jp/2025/02/21/100235/)
【関連記事】一般会計307億9300万円 過去最大 名張市当初予算案(https://www.iga-younet.co.jp/2025/02/20/100125/)