「ヤマハサウンドクロッシング渋谷」がオープン ヤマハとゆかり深い渋谷桜丘で...ブランド発信の拠点として存在感を
ピアノや電子機器の製造などの楽器事業を行うヤマハは2024年11月15日、東京都渋谷区桜丘町の大規模複合施設「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」の「SAKURA」サイドに、ブランド発信拠点「Yamaha Sound Crossing Shibuya(ヤマハサウンドクロッシング渋谷)」をオープンした。
ヤマハサウンドクロッシング渋谷は、誰でも自由に利用できるブランド体験施設「LAB(ラボ)」(SAKURAサイド3階)と、研究開発のサテライト施設「LOUNGE(ラウンジ)」(SAKURAタワー8階、一般には非公開)からなる。
新しい音楽や文化のトレンドを生み出す渋谷で、若者に向けたブランド発信拠点や、アーティスト・クリエイターと協創するサテライト研究開発施設として存在感を高めていく。
「新しい音楽文化を渋谷から発信していきたい」
オープン前日の11月14日にはメディア内覧会が行われた。登壇したヤマハミュージックジャパンの松岡祐治社長は、「LOUNGE(ラウンジ)」について、「アーティストやミュージシャンの創作やパフォーマンスをサポートし、新しい音楽文化を渋谷から発信していきたい」と述べた。
「LOUNGE」のコンセプトは「ヤマハとクリエイターやアーティストとの協創の場」。施設内には、ミーティングルームや演奏スタジオ、ミキサールームが設置されている。
ねらいは「アーティストリレーションの強化」の場としての活用していくこと。アーティストとの商品開発で協力しあったり、アーティストたちの創作やパフォーマンスの支援を行ったり、新しい音楽文化を発信する拠点という目的を掲げている。
また、「LOUNGE」には、過去にヤマハが手掛けたシンセサイザーやギターアンプ、エレキギターなどが展示されている。デジタルイノベーションの地である渋谷でIT企業やスタートアップなど、異業種交流やメディアとの交流拠点としても活用したいという。
ヤマハサウンドクロッシング渋谷からイノベーションを
一方、「LAB」は、渋谷の先進的な最新トレンドを取り込み、若者向けのヤマハのブランド発信をねらいとしている。「EXPERIENCE(エクスペリエンス)」エリアでは、楽器やインターネット配信機器なども展示され、試奏も可能。ヤマハの最新技術を「体験」してもらうとことが目的だ。
ほかにも、配信も可能なライブエリア「STAGE(ステージ)」や、最新技術のプレゼンテーションの場となる「STUDIO(スタジオ)」、オリジナルコーヒーやクラフトビールなどを提供する「CAFE(カフェ)」が備えられている。
ヤマハによると、こうした最新の楽器や機材、技術が体験できるほか、LABとLOUNGEや自治体などとのコラボ企画などを通じて、来館者の創造性やアイデアを刺激し、新しい音楽が生み出される場所になることを目指しているという。
同社ブランド戦略本部コーポレート・マーケティング部の吉川剛志部長は、1975年にヤマハの音楽スタジオ「エピキュラス」があったことや、そのあと95年に情報発信の場として「ヤマハエレクトーンシティ渋谷」を運営していたことを振り返り、こう話した。
「『エピキュラス』時代には長渕剛さんや中森明菜さんの傑作が生まれていた。今回、ヤマハサウンドクロッシング渋谷でも偶発的なイノベーションを起こし、アーティストと協創の場としたい」