機動隊爆発物処理班のエースとして活躍──『名探偵コナン』警視庁刑事部捜査一課「松田陣平」の情報まとめ|登場回一覧や重要エピソード、人物像、過去、所属について解説
『名探偵コナン』で異彩を放つ人気キャラクター・松田陣平。卓越した爆弾処理技術を持ち、警視庁警備部機動隊爆発物処理班のエースとして活躍した後、警視庁刑事部捜査一課強行犯三係に1週間だけ所属していました。
スピンオフ作品『警察学校編 Wild Police Story』や劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』でも松田の魅力が溢れており、警察学校時代の同期との絆も描かれています。
本稿では、そんな「松田陣平」の情報をまとめてご紹介。登場回や重要エピソード、人物像、過去、所属などを解説していきます。
※本稿には、『名探偵コナン』のネタバレが含まれます。
【写真】『名探偵コナン』松田陣平の情報まとめ|登場回や重要エピソードも解説
松田陣平(まつだじんぺい)のプロフィール
所属:警視庁警備部機動隊爆発物処理班→警視庁刑事部捜査一課強行犯三係
CV:神奈延年さん
こうと決めたら真っ直ぐに突き進み、誰に対しても臆することなく己の意思をぶつける松田。傍若無人でありながら仲間思いでもあり、危険な目に遭っている人がいれば必ず助けようと全力で立ち向かいます。
どんな機械でも分解してしまう「分解魔」で、故障箇所の修理もお手のもの。子供の頃は親友である萩原研二の実家の自動車修理工場で勝手に車を分解・改造するなどして萩原の父に怒られていたのだそうです。プロボクサーだった父・松田丈太郎にボクシングを仕込まれたため、ボクシングも得意。
萩原が爆弾解体中に殉職し、その敵である爆弾犯を追い続けていた松田は、同じ犯人により観覧車に仕掛けられた爆弾の処理中、大勢の命を救うために爆発に巻き込まれて殉職しました。
警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属
松田は警察学校在学中にスカウトされており、卒業後は親友の萩原と同じく警視庁警備部機動隊爆発物処理班に所属。爆弾事件で萩原を亡くし、その犯人を追うため爆弾事件を担当する特殊犯係に転属を何度も希望するも、頭を冷やすようにと刑事部捜査一課強行犯三係に異動させられて憤っていました。
粗暴な態度で人を寄せ付けない孤高の刑事でもありますが、大切な亡き親友への想いはとても深いもの。萩原を死へと追い込んだ爆弾犯から予告状を受け取ると、爆弾が仕掛けられた観覧車に単身乗り込みます。
爆弾自体は機動隊爆発物処理班のエースであった松田にとっては容易に解体できるものでしたが、人々の命を救うために自らを犠牲にすることを選択。
劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』では、物語序盤で爆死した人物が捜査一課時代の松田の名刺を持っていたことから、松田の死の前日(11月6日)の動向が語られています。
佐藤刑事との関係
松田が刑事部捜査一課強行犯三係にいたのはわずか1週間でしたが、佐藤美和子刑事は年下とはいえ刑事としては自分の方が先輩だとして「松田くん」と呼んで共に行動。
萩原へ届かないメールを送り続けていた松田は、父の形見である手錠をお守り代わりにする佐藤に対して、相手を本当に死なせないために忘れる必要はないと語っています。
佐藤は想いを寄せていた松田から届いた最後のメールを長らく保存しており、後にその爆弾犯が逮捕されるまで引きずり、彼女の心に傷を残していました。
松田陣平の登場回一覧
<TVアニメ>
・301~302話「悪意と聖者の行進」 (36巻)
・304話「揺れる警視庁1200万人の人質」(36、37巻)
・358~359話「本庁の刑事恋物語5」(40巻)
・535話「古き傷跡と刑事の魂」(64巻)
・983~984話「キッドVS高明 狙われた唇」(96巻)
・1098~1099話「風の女神・萩原千速」(101巻)
・1115~1116話「千速と重悟の婚活パーティー」(102巻)
<スピンオフ>
・『警察学校編 Wild Police Story』
<劇場版>
・『純黒の悪夢』
・『ハロウィンの花嫁』
重要エピソードを解説
304話「揺れる警視庁1200万人の人質」(36、37巻)
松田と萩原が殉職した連続爆破事件
松田と萩原の絆と、残酷な結末を描く重要エピソード。
7年前の11月7日。松田と萩原は、後に連続爆破事件へと発展する最初の爆弾事件で現場へ。都内にある二つの高級マンションに爆弾が仕掛けられ、片方は松田が解除しましたが、萩原が担当した爆弾は解体に手間取ったため仕方なく犯人の要求を飲むことに。
爆弾のタイマーは停止されたのですが、止まっていたはずのタイマーが再び動き出し、萩原は即座に周囲へ避難を伝えるも自身が脱出する猶予はなく爆死。松田とは死の直前まで通話していました。
それから4年後。警視庁捜査一課に配属された松田は、萩原が殉職した日に毎年送られてくるというカウントダウンのファックスを待ち構えていました。すると、今年は謎のメッセージが届き、松田はその暗号を解読して杯戸町のショッピングモールの大観覧車へ。
松田は「死んだときは敵をとってくれ」という親友との約束を果たすため爆弾犯を追い続けていましたが、観覧車に仕掛けられた爆弾の爆発3秒前に別の爆弾の在処を示すヒントが表示されると知り、自身を犠牲にすることを決断。この爆発に巻き込まれた松田が殉職したのは、萩原の命日である11月7日でした。
1098~1099話「風の女神・萩原千速」(101巻)
千速の回想で松田が登場
要人と勘違いされて攫われてしまった阿笠博士をスケートボードで追っていたコナン。犯人の車に跳ね飛ばされたところを白バイで颯爽と助けてくれたのが萩原の姉・萩原千速です。神奈川県警交通部第三交通機動隊小隊長を務めており、バイクのドライビングテクニックは驚くほどに華麗で、まさに“風の女神”。
彼女は弟を殉職に追い込んだ犯人の逮捕に大きく関わったコナンに恩を返すため、全面的に協力する意思を見せています。
こちらのエピソードでは、松田と萩原の回想も。千速はコナンの言葉から弟・研二のことを思い返しており、過去に千速のスマートフォンを分解した松田が、千速にボコボコにされて黙々と元に戻していたことなども明かされました。
1115~1116話「千速と重悟の婚活パーティー」(102巻)
松田の恋と危うさ
神奈川県警の横溝重悟と萩原千速が、東京の婚活パーティーで鉢合わせ。重悟に好きな男のタイプを聞かれた千速は、口が悪くて態度もでかく、こうと決めたら後先考えずに突っ走る、傍若無人を絵に描いたような男。そんなバカに惚れられたことはあったなと、松田のことを思い返しています。(作者の青山剛昌先生によると、松田の初恋は小学生の頃で、千速に一目惚れしたそうです。)
そんななか銃殺事件が発生。捜査にあたる警視庁の高木刑事を見ていた千速は「陣平と一緒で危ういな」と、昔の松田と重ねていました。直感的に危険な矛先を自分に向けて大切なものを守ろうとするところが松田に似ているといいます。
松田は高一の頃、自殺を図った千速の友人・大江 忍が手にしていたナイフの刃を素手で掴んで流血。自殺は防げたものの、ボクシングのインターハイを棒に振ってしまいました。なぜ刃を掴んだのかという千速の問いに対して松田は、「血を見た方が分かるだろ」と答えています。
『警察学校編 Wild Police Story』
警察学校時代
『警察学校編 Wild Police Story』で描かれるのは、警視庁警察学校の同期である降谷 零・松田陣平・伊達 航・萩原研二・諸伏景光の5人の青春時代。
試験の面接でのマイナスを、学科や実技、高いレベルの専門知識でカバーしていた松田。授業でも警察官の心得を完璧に回答していますが、鬼塚教官には「傍若無人で協調性のなさは致命的」と評されています。勝手に拳銃の解体を始めてしまうなど、教官の怒りを買うこともしばしば。
松田は元々警察に強い不信感を抱いており、その理由はプロボクサーの父が殺人容疑で誤認逮捕されて将来が絶たれてしまったことにありました。
警察嫌いという松田は、警察官への熱意溢れる降谷とは当初殴り合いになるほど相容れない関係でしたが、5人の連携による鬼塚教官の救助を経て信頼関係が芽生え、二人は急速に打ち解けていきます。
警察を恨んでいるのに何故警察官を志したのか理由を聞かれた際には、警視庁のトップ・警視総監を殴るためだと話していましたが、警視総監が登壇した卒業式の日に殴らないのかと仲間から煽られると、ガキじゃあるまいしと胸を張ってすました顔をしていました。
在学中、危険度の高い爆発物処理班からのスカウトに迷わず承諾した松田は、一緒に勧誘された萩原に怖くないのかと尋ねられると、怖くないと言えば嘘になるけれど自分にはアクセルしか付いていないと返答。
とはいえ命知らずなわけではなく、危険なことは察知して仲間の無謀を制止しようとする言動も見られます。
劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢』
松田から受け継いだ爆弾解体技術
劇場版20作目『名探偵コナン 純黒の悪夢』(2016年公開)では、安室 透(=降谷 零)の回想で松田が登場しています。
公安の機密データを奪った後に記憶を失った黒ずくめの組織のメンバーをめぐり、コナン、安室、赤井秀一が東都水族館に集結。スコッチに関する因縁により安室は赤井と対峙していましたが、組織によって観覧車に爆弾が仕掛けられていることが判明。
友人に解除方法を教わったという安室は「アイツの技術は完璧だった。それを僕が証明してみせる」と爆弾解体に挑みます。その友人とは、警察学校時代の同期である松田のこと。安室は、“焦りこそ最大のトラップ”という教訓と共に、松田に叩き込まれた爆弾解体技術を受け継いでいました。
劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
3年前の11月6日の出来事
劇場版25作目『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(2022年公開)。卒業後も繋がる警察学校同期組の深い絆を描き、彼らが関わった過去の事件とも絡み合う物語です。
警視庁の目暮警部の元同期・村中に脅迫状が届くなか、かつて萩原と松田を殉職に追いやった連続爆弾犯が脱走し、その手引きをした人物に降谷は首輪爆弾を付けられてしまいます。
さらに翌日には、とある外国人が持つタブレットが突然爆発。彼が捜査一課時代の松田の名刺を所持していたことから、同期4人で久しぶりに会ったという3年前の11月6日──松田の死の前日の出来事が降谷によって語られます。
3年前、萩原の命日の前日に仕事の合間を縫って一緒に墓参りをした降谷、松田、伊達、景光は、その帰りに渋谷の廃ビルで謎の仮装爆弾犯による事件に遭遇。
解体の困難な液体爆弾が仕掛けられており、さすがの松田も苦戦するなか、かつて萩原がやっていたことを思い出して爆発を阻止。彼らの見事な活躍により窮地を切り抜けましたが、これが4人で会った最後の日となりました。
松田陣平の声優は神奈延年さん
松田陣平を演じているのは声優の神奈延年(かんな のぶとし)さん。6月10日生まれ、東京都出身。『マクロス7』の熱気バサラ役をはじめ、『Fate/stay night』のランサー役、『忍たま乱太郎』の七松小平太役など、人気作品のキャラクターを多く演じています。