プロ野球レジェンドも後押し 静岡発の“的当て遊具”全国1061校へ 目標5000万円の挑戦
■三島市の企業が手づくり「59ZUBAAN!」 クラウドファンディング募集
静岡県三島市の企業「ジェーピーツーワン」が、子どもたちに外遊びと野球の楽しさを届けるためのクラウドファンディングを立ち上げた。手づくりのボール的当て遊具「59ZUBAAN!(剛球ズバーン)」を全国の小学校・特別支援学校1061校に寄贈するプロジェクトで、資金募集を開始した。目標金額は5000万円で、日本プロ野球名球会のレジェンドたちも応援に加わっている。
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ジェーピーツーワンは昨春から今年1月にかけて、静岡県内432校に「59ZUBAAN!」を寄贈した。わずか3人のスタッフで3カ月半かけて500台を製作し、4カ月間で1校1校に直接届けた。子どもたちが「え、それくれるの?」、「やったー!」と喜ぶ姿が活動を全国展開する原動力になった。学校側からも「最近の子どもたちは投げる力が低下しているので、教材として使いたい」という声も届いた。
プロジェクトを推進するのは、ジェーピーツーワンの社会貢献グループ「アスタワークス」。コロナ禍で外遊びの機会を失った子どもたちに“体を動かす楽しさ”を取り戻してもらいたい思いから活動を始めた。これまで野球場やグラウンドを借りてスポーツイベントを開催し、その中で誕生したのが「59ZUBAAN!」だった。
全国の自治体を通じて寄贈希望を募ったところ、北海道・礼文島から沖縄・与那国島まで計1061校から「ほしい」との声が寄せられた。全国には約2万校の小学校があることから、「いつか全校に届けたい」と目標を掲げる。
■和田一浩氏と中村紀洋氏も応援動画 プロ野球名球会も賛同
「59ZUBAAN!」は、ボールを投げて的を狙うというシンプルな遊具。特別な運動能力を必要とせず、遊びながら投力や集中力を養える。静岡県内では「体力低下対策として授業でも活用したい」という声も上がっている。
この取り組みには日本プロ野球名球会も賛同し、クラウドファンディングを後押しする。首位打者に輝くなど西武や中日で活躍した和田一浩さんや、近鉄で本塁打王を獲得した中村紀洋さんも応援動画で「遊びを通じて野球が上手になる」、「全国に広がってほしい」とコメント。夏に大阪で行われた野球教室では、名球会イベントで「59ZUBAAN!」が実際に使われたという。
ジェーピーツーワンは2011年の東日本大震災をきっかけに、社内に社会貢献団体「アスタワークス」を設立した。震災復興支援や防災教育のほか、近年は子どもたちの外遊び促進を目的にスポーツイベントを開催している。
■プロジェクト概要
プロジェクト名:名球会も後押し!私たちが手作りした的当て遊具を全国の小学校へ!
実施期間:2025年10月29日~2026年1月27日
目標金額:5000万円(All-in型)
返礼品:名球会ロゴ入りTシャツ・タオル、59ZUBAAN!本体、名球会レジェンドとの特別体験など
(SHIZUOKA Life編集部)