【海老名市】望地の「鈴木農園」が農家レストラン開店へ
海老名市望地(もうち)の目久尻川を望む里山の丘の上で、「農家レストラン」の開店準備が進められている。開店予定は12月20日(土)。許可を行う神奈川県によると農家が運営し、地元の食材を楽しめる同様の飲食店は、海老名・綾瀬・座間地域では初めてという。
この「農家レストラン」を運営するのは、柑橘類の栽培を手掛ける鈴木農園の鈴木信一さん(79)。鈴木家は江戸時代から、農業の傍ら商売を営んできたという。鈴木さん自身は、現役時代は都内に通勤していて、定年退職後の62歳から本格的に農業に取り組み始めた。
鈴木さんが農家レストランの構想を始めたのは2018年頃。ミカンやオレンジなどを栽培する中、周辺の開発が進むことを憂い「持続可能な里山の風景を残したい」との思いを強くした。この場所でレストランを開業するには神奈川県の許可が必要なため、20年から県への相談を始めた。事業性の検討を重ね、藤沢市にある農家レストランへ視察に行くなど準備を進め、23年に県の許可が下りた。
レストランが建つのは目久尻川左岸の丘の上。大きなガラス窓からは、里山の風景や大山を眺めることができる。店名は里山からイメージして「yato.」と名付けた。メニューは地元の食材を用いた一汁三菜で、ボリュームや金額ベースで50%は市内産の食材が使用される。当面はランチとカフェタイムのみの営業となる予定だ。その他、柑橘類や自家製ハチミツの販売も行われる。
鈴木さんは「変容していけばいくほど、周辺の里山の風景や暮しを残していきたいという思いが強くなった」と思いを話す。開店までのレストランに関する問い合わせは【携帯電話】090・5445・0404へ。