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どうせやるならやりすぎたい造園業者「ろこ庭苑」。

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どうせやるならやりすぎたい造園業者「ろこ庭苑」。

「クソの役にも立たない庭造り。どうせやるならやりすぎたい」。そんなキャッチフレーズをうたっているホームページを見つけ、どんな造園業者なのか興味が湧いてきたので、燕市の「ろこ庭苑(ていえん)」を訪ねることに。代表の長谷川さんにいろいろとお話を聞いてきました。

ろこ庭苑

長谷川 真 Makoto Hasegawa

1977年燕市生まれ。ガソリンスタンドや工務店を経て植木屋で庭づくりを学ぶ。いくつかの造園業者で経験を積み、2004年に独立して「ろこ庭苑」を開業。近所の中之口川でバス釣りをするのが趣味。

「ろこ庭苑」という名に秘められた、衝撃の事実。

——「ろこ庭苑」のホームページが面白すぎて、どんな方なのか楽しみにしていました。

長谷川さん:あれは知り合いに作ってもらったホームページなんですよ。もちろん、文言はすべて俺が考えてるんだけどね。

——お会いしてみると、ホームページのまんま飾らない人柄を感じますね(笑)

長谷川さん:いや〜、ありがとうございます。俺は何でも思っている通りに話しちゃうんで、いい感じにまとめてよ(笑)

——いえいえ、できるだけそのまんま使わせていただきます(笑)。まずは長谷川さんが庭造りの仕事に就くことになったお話から聞かせてください。

長谷川さん:とりあえず若い頃はやりたいことが何も決まっていなかったので、ガソリンスタンドで働いたり大工をやったり、いろんなことをしてたんだよ。そんななかで植木屋の仕事をしてみて、はじめて自分にしっくりくる仕事だと思えたんだよね。

——どんなところがしっくりきたんでしょう?

長谷川さん:それまでの仕事のなかでいちばんうまくできたし、何より面白いと思ったんだよ。まだ若かったから生意気だったこともあって「なんなら親方よりうめえじゃん」なんて思ってたね(笑)

——じゃあ、その後は庭造りの仕事を続けてこられたんですね。

長谷川さん:ところが2〜3年で辞めて、工場や郵便局で働いたりしたんだよね。

——えっ、せっかく自分に向いている仕事と出会ったのに?

長谷川さん:自分が考えてやった部分を、親方からチェックされて直されるのが嫌だったの。どこが悪かったのか聞いても「俺のセンスで直している」としか答えてもらえないから、こっちはぜんぜん納得いかないわけ。

——なるほど。それで他の仕事を。でも、どうしてふたたび庭造りの仕事をすることになったんでしょう?

長谷川さん:25歳になった頃に「そろそろひとつの仕事を真面目に極めよう」と決心して、庭造りの仕事を選んだんだよ。この仕事だったら続けていけると思ったんだね。

——その後の修業はどうでした?

長谷川さん:いくつかの造園業者でお世話になったけど、いちばん最後についた親方にはいろいろなことを教わったね。例えば庭に飛び石を並べたときに、ひとつだけ他と違う形の石を使ったことがあったの。そしたら親方から「どうしてこれだけ形が違うんだ」と聞かれたんだけど「なんとなく、こっちの方がいいなと思ったんですよね」とか言って、うまく説明できなかったんだよ。

——ほうほう。

長谷川さん:そしたら親方が「同じ形で単調にならないように変化をつけようと思ったんだろ」と俺の思っていたことを代わりに説明してくれてさ。「自分のやった仕事を説明できるのがプロだ」って教えられたんだよね。

——自分の仕事をわかってもらえたのは嬉しかったでしょうね。

長谷川さん:俺は褒められると伸びる子だっけね(笑)。ただ庭のメンテナンスだけじゃなくて、庭造りをメインにやっていきたいという思いが強かったから、27歳のときに独立して「ろこ庭苑」をはじめたんだよ。

——「ろこ庭苑」の「ろこ」にはどういう意味があるんですか?

長谷川さん:意味はねぇんだよなぁ(笑)。親しみやすくひらがなの名前がいいなとは思っていたから「ぽち」とか「ころ」とか、犬の名前みたいなのにしたかったんだよ。とにかく語呂が良かったから「ろこ」になったの(笑)

お客さんに喜んでもらえるよう、期待を超えるものをつくりたい。

——独立してからのお話を聞かせてください。

長谷川さん:独立してからもしばらくは、有名な造園家の元で手伝いをしたりして勉強をしてたんだよ。そのときもまだ生意気だったから、「お前はたまたま有名なだけで、俺はたまたま無名なだけ」なんて思って、同レベルの気でいたりしたんだよ。ところが一緒に仕事をしてみたら、レベルが違いすぎてボコボコにやられちゃったの(笑)

——あらら……。

長谷川さん:そんな相手にリスペクトの気持ちはあったけど、同じようにやっても仕方ないじゃん? だから俺は自分のできることをやろうと考えたんだよね。

——それって、どんなことだったんですか?

長谷川さん:当時はお客さんの求めている金額まで降りてくる造園家って、ほとんどいなかったんだよ。だから俺はお客さんの求める金額まで降りてやろうって思ったんだよね。今まで50万円かかっていた工事だったら、俺は半額でやってやろう。半額まで下げれば、さすがに文句を言われることはないだろうって(笑)

——半額っていうのは思い切りましたね。やってみてどうでした?

長谷川さん:おかげで仕事はどんどん来たんだけど、やればやるほど赤字だったね(笑)。でも自分で工夫を重ねたり、業者の方々が協力してくれたおかげもあって、6年間頑張っていたら利益が出て儲かりはじめたんだよ。

——へぇ〜、頑張ってきてよかったですね。ところで、長谷川さんの庭造りはどんなことにこだわっているんですか?

長谷川さん:ホームページでもうたっているんだけど、「クソの役にも立たない庭造り。どうせやるならやりすぎたい」ってことかな。

——庭造りは役に立たない?(笑)

長谷川さん:駐車場や物置と違って、庭には具体的な価値はないと思っているわけ。でもお金を出してまでそんなものをつくってくれるんだったら、せめて喜んでもらえるものをつくりたいと思っているんだよね。

——生活する上で絶対に必要なものではないということですね。では喜んでもらうために、心掛けていることはあるんでしょうか?

長谷川さん:お客さんのイメージ通りにつくっても満足してもらえないと思っているから、常に期待を越えるように努力するようにはしているよ。それがホームページで言っているところの「やりすぎたい」ってことなんだよね。「誰もそこまでは求めてないよ」ってことまで一生懸命やったりしてね(笑)

——では今後の目標があれば教えてください。

長谷川さん:今まではがむしゃらに庭造りのことだけを考えてやってきたんだけど、半年くらい前からようやく人生に目標を持つことは大事だよなって思いはじめたんだよね(笑)。でもまだはっきりした目標があるわけじゃないから、今は目標を探しているところかな。

ろこ庭苑

燕市小高99

0256-62-3491

9:00-17:00

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