無料に驚き!巨大マンモスに恐竜も…迫力満点!子どもの成長とともに何度来てもじっくり楽しめる穴場スポット【渕上パパが行く、公園ブラボー#16】
5歳と1歳の2児の息子の父であるHBCアナウンサー・渕上紘行が、北海道内の公園や遊び場を巡る連載「公園ブラボー!」。
子育て世代におすすめの遊び場情報を、自称“公園ハンター”がご紹介します。
子育てに奮闘中の私が出会う、思わず「ブラボー!」と叫びたくなる遊び場を、独自の目線で、厳選してご紹介していきます。
まさに公園を“ハント”していく気分でお読みくださいね!
今回訪れたのは、「北海道大学総合博物館」
北海道が世界にほこる国立大学、北海道大学。
前身の札幌農学校が1876年に開設されてから150年近く経つ、言わずと知れた歴史ある大学です。
学生の学び舎である一方、札幌キャンパスは一般開放され、“札幌市民の散策コース”としても親しまれています。
また、JR札幌駅から徒歩10分ほどという利便性の良さもあり“北海道旅行では欠かせない観光スポット”にもなっています。
今回はその札幌キャンパス内にある『北海道大学総合博物館』に潜入!
3階建ての旧理学部本館に1999年に誕生し、この春で創設25周年。
2016年のリニューアル後は年間25万人近くの来館者を記録する人気スポットです。
入館料は“無料”という驚きの博物館には、子どもも大人も魅了される、たくさんのお宝が待っていました。
北大の英知が結集した“無料のあそび場”を覗いてみましょう!
ブラボーポイント①迫力満点!恐竜の骨格標本
150年もの長い歴史を持つ北大には、実に400万点にのぼる標本や資料が蓄積されてきました。
そのうちの300万点が博物館に保管されていて、その一部が展示されています。
3階『収蔵標本の世界』は「医学・考古遺物・生物・古生物・鉱物岩石・科学技術史」と6つのカテゴリーに分けられ、興味深い標本や資料が展示されています。
5歳の息子が特に興味を示したのが「古生物標本の世界」。
恐竜などの骨格標本が数多く展示されています。
普段、図鑑や映像でしか見ることのできない恐竜の存在を立体的に感じることができる場所に大興奮!!
こちらは1934年に当時日本領だった樺太(現ロシア・サハリン)で発見された、“ニッポノサウルス”の全身骨格標本。
北海道帝国大学の教授が発掘し、日本人が初めて研究した恐竜化石で、日本の恐竜研究のスタートとも言われている化石です。
北大が日本の恐竜研究の発祥の地だったとは!
まさにブラボーです!
“デスモスチルス”も樺太で発見されました。
全身骨格化石で見つかったのは世界初で、最初に北大に運び込まれたそうです。
デスモスチルスは恐竜が絶滅後に生息した水生哺乳類で、カバを思わせるような姿だったと言われています。
全長12mにも成長し、恐竜を襲った証拠も残っている巨大ワニ“デイノスクス”に…
最強の肉食恐竜ともいわれるティラノサウルスの仲間で、全長10メートルを超える“タルボサウルス”の頭部化石もありました。
展示品は主にレプリカで、本物は博物館のバックヤードに保管されているそうです。
レプリカだからこそ、緻密に復元されているので、実にリアル!迫力十分です。
ボランティアガイドさんがいる時には、詳しい説明を聞くことができます。
ちなみに、ガイドさんは週末にいることが多いそうですよ。
部屋いっぱいに展示される古生物たちを見入っていると、つい時間を忘れてしまいました。ブラボー!
そのほか、「鉱物・岩石標本の世界」では、さまざまな鉱物などが展示されていて、誕生してから約46億年という地球の歴史やスケールを体感することができます。
「医学標本の世界」では、カラー写真がない時代に、症状の記録や医学教育のために用いられたロウ製の皮膚病模型(皮膚病ムラージュ)が展示されていました。
地球上から根絶された天然痘の症状なども、ムラージュを通して見ることができます。
ただ、あまりのリアルさにショックを受けるかもしれません。写真撮影は禁止です。
興味のある人はぜひご自身の目で確かめて下さい!
ブラボーポイント②見てよし、触ってよし!『感じる展示室』
2階でお出迎えしてくれるのは、巨大マンモス!
高さ3メートルほどあるマンモスは、日本では唯一北海道で生息していたそうです。
全身を覆う長い毛に、見たこともない大きさの牙は迫力満点。
今にも動き出しそうな雰囲気を醸し出しています。
見つかった毛と似ている馬の毛400頭分を使って、原寸大で再現しているんです。
そして、その奥にあるのが、2つ目のブラボーポイント『感じる展示室』です。
名前のとおり、ここでは展示物や標本を実際に手に取って触ることができるのです!
北海道の地層から見つかったさまざまな種類の石や、アンモナイトなどの化石、トドの骨の一部も展示されています。
引き出しも自分で開けることができ、中には鳥の羽や馬の毛などがありました。息子も珍しいアイテムを探している気分!
立派なエゾシカの角を触ると、やはりこんなことをしてしまいますよね。
「もし角が生えたらどんな感じだろう?」
これこそがイメージを膨らませている証拠。
持てる感性をめいいっぱい使って楽しむ、興味や好奇心をくすぐる演出にブラボー!
ブラボーポイント③歴史好きにはたまらない!「北大の歴史」
博物館に入ってすぐ1階には『北大の歴史』を紹介するエリアが広がっています。
実は、個人的に1番のおすすめスポットがここなのです。
札幌農学校時代から今に至る歩みを、当時の写真を用いて説明しています。
また、新渡戸稲造・内村鑑三・有島武郎ら歴史に名を残した北海道大学の卒業生も登場し、北大で受け継がれる精神や先人たちの偉業を紹介しています。
★有島武郎についてはこちらの記事も!
▼100年以上前の「北海道文学の父」の童話が絵本でわかりやすく!“許しあう心”を大人も一緒に考える【アナウンサー朗読付き】
特に興味深かったのは、札幌農学校初代教頭 クラーク博士の写真。
北大に生き続ける“クラーク精神”を説明しているコーナーに立っていると、当時にタイムスリップしたような気持ちになりました。
名言「Boys be ambitious」は、学生との別れの挨拶で発した言葉だったのですね。
正直なところ、このフロアは5歳の息子にとってはまだ早かった…。
歴史好きの私は、後日改めて1人で見学に来て、このフロアだけで1時間半近く過ごしました。
入館料が「無料」って本当に嬉しい!
気軽に何度でも訪れることができます。
もし子供と興味を示すものが違っていても、決して焦らずに、その時に見られるものをしっかり見て楽しむのが、子どもと行く北大博物館めぐりのポイントですね。
ブラボーポイント④ 獣医学部に興味津々…!?
北大総合博物館は、とにかく子どもから大人まで幅広い年齢のみなさんが楽しめる場所です。
1階から2階にかけて広がる『北大のいま』は、北大の現在を紹介するコーナーです。
全12学部の教育や研究を紹介する「北大の学び舎」コーナーがあり、それぞれの学部で魅力的な研究を紹介していますが、息子は獣医学部に引き込まれていきました。
馬や牛やゾウなどの全身骨格標本は圧巻。
身近な動物の骨なので、体の仕組みに興味を持つきっかけになったようです。
北大博物館を訪れて感じたのは、「とにかく幅広く一般の人々に大学の魅力を伝えたい」という思いです。
説明文・ディスプレイ方法・館内の動線など、いかに見やすく楽しんでもらえるかを考え抜かれた構成になっています。
博物館には、他大学からも「展示手法やコンセプトを参考にさせてほしい」と相談がくるのだそうです。
大学博物館の印象がガラリと変わりました。
「北大の魅力を少しでも広く知ってもらい、人々の役に立ちたい」
クラーク博士の教育理念「豊かな人間教育」や「リベラルな精神」が息づいている、北海道大学総合博物館。
子供の成長とともに何度でも訪れたい、居心地のいい空間でした。
“公園ハンター・渕上”のブラボーチェック(最大5つ星)
こどもあそび度 ★★★★☆
パパママ充実度 ★★★★★
おすすめ年齢 3歳ぐらい~
「北海道大学総合博物館」
・1階「北大の歴史」「北大のいま」 2階「北大のいま」「感じる展示室」 3階「収蔵標本の世界」
・住所 〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目 北海道大学構内
電話 011-706-2658
・開館時間 午前10時~午後5時
・休館日 月曜日(※祝日は開館し、週明けの平日を休館)、12/28-1/4
・入館料無料、予約不要
・アクセス 札幌市営地下鉄 南北線「北12条駅」徒歩9分(北大構内 新渡戸通りを通るのが最短ルート)
JR札幌駅北口より徒歩13分
・駐車場なし(構内への乗り入れは不可)
・飲食は、博物館内カフェ、学生食堂(土日は休み)、構内にあるセイコーマート(イートインスペース)で可
【参考】
北海道大学総合博物館 公式HP https://www.museum.hokudai.ac.jp/
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文|HBCアナウンサー 渕上紘行(ふちかみひろゆき)
テレビ「ブラボーファイターズ」「今日ドキッ!」やラジオ「ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組」「鶴岡慎也の焚き火トーーク」など北海道日本ハムファイターズに関する番組を中心に、野球・サッカー・スキージャンプ・バスケ・高校ラグビー・ゴルフとHBCのスポーツ中継全般に携わる。入社21年目、神戸市出身。Instagramも更新中!
編集:Sitakke編集部あい