6月の気温、スペイン・イングランド・日本で史上最高を記録
日本は平年より2.34℃高く 1898年以来の史上最高
気象庁の発表によると、2025年6月の日本の平均気温は、1898年に統計を開始してから最も高い数値となった。
1991年から2020年までの30年間の平均気温に対して、2.34℃高い結果となり、全国153か所にある気象台等のうち122か所で、6月の月平均気温がもっとも高い数値を記録。
これまでの6月の平均気温が過去最高を記録したのは、2020年の+1.43℃。2025年については、これを1℃近く上回る高温となった。
地域別にみると以下のとおりで、北部の方が平年気温の上昇が大きい。
・北日本 +3.2℃
・東日本 +2.3℃
・西日本 +1.8℃
ヨーロッパ各国でも6月は過去最高気温を更新
日本以外でも、6月の平均気温が過去最高となった国がヨーロッパを中心に多い。
イングランド
ロンドンのヒースロー空港で先日、英国で過去最高となる33.1℃が記録され、6月30日に始まったテニスのウィンブルドン選手権は32.3℃と高温での幕開けとなった。イングランド気象庁は6月の平均気温が過去最高を更新し、英国全体では1884年の統計以来、2番目に暑い月となったことを発表した。
スペイン
スペインの6月の平均気温は23.6℃で、7月と8月の平均気温を上回るものとなった。とくに南部で厳しい暑さが続き、エル・グラナドでは6月28日、46℃と6月の過去最高気温となった。
ポルトガル
ポルトガルの首都リスボンから東に約100㎞のモラでは先日、46.6℃を記録。ポルトガル全土でも過去最高の平均気温となった。
異例の暑さの原因はなに? いまこそ考えよう、地球のこと
ヨーロッパを中心とする厳しい暑さに対し、各地で警戒が呼びかけられている。
フランスでは、パリのエッフェル塔が暑さのため閉鎖され、パリを含む15の地域で最高レベルとなる猛暑警報が発令され、フランス全土で最大1,896の学校と大学が休校となった。
イタリアでは屋外での活動を制限するなどの対策が講じられている。
また、気候変動との関連性は不明ではあるものの、トルコや米カリフォルニアなどでも山火事が発生。海水温の上昇による生態系への影響も懸念される。
欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスは、ヨーロッパは世界のおよそ2倍のスピードで温暖化が進んでいると述べ、フォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官は気候変動の対策や化石燃料からの脱却の必要性を浮き彫りにしていると警告した。
この異例の暑さの原因が何なのか、このまま看過していいことなのか、私たちは考えるべき課題を突き付けられているに違いない。
※参考
6月の記録的な高温と今後の見通しについて|気象庁
Spain and England record hottest June as heatwave grips Europe|BBC
Spain records temperature of 46C as Europe heatwave continues|BBC
France shuts schools, Italy limits work outdoors in 'exceptional' European heatwave|Reuters