タカハ劇団、太平洋戦争末期「戦意高揚画」を描いた画家たちの物語『帰還の虹』が開幕
2025年8月7日(木)座・高円寺にて、高羽彩が主宰するタカハ劇団の第21回公演『帰還の虹』が開幕し、舞台写真と高羽彩のコメントが公開された。
今作は1944年の日本を舞台に、「戦意高揚画」を描く画家たちと一人の画学生、また彼らを取り巻く人々が、時代のうねりの中で翻弄されながら芸術や戦争に向き合う様を写しだす会話劇。
パリ帰りの天才画家・藤澤を演じるのは古河耕史。藤澤の書生になることを望む画学生・貞本を田中亨、藤澤の妻・キヨ子を護あさなが演じる。さらに、藤澤の友人であり貞本の師でもある画家役には吉田亮と津村知与支、藤澤家の女中であるちづ役に久下恵、ちづの弟・孝則役に池岡亮介、陸軍報道部に勤める中佐・近藤役に神保良介が出演している。
2021年『美談殺人』より取り組んでいる視覚・聴覚に対応する鑑賞サポートは今回も継続。2公演を対象に舞台手話通訳(田中結夏)のほか、字幕タブレットの貸し出しや音声ガイド、事前舞台説明会、終演後の感想シェア会を実施する。
またアフタートークゲストとして、8月7日(木)19時公演に平埜生成・土屋佑壱、8月9日(土)118時公演に古川健(劇団チョコレートケーキ 脚本家)、8月11日(月祝)118時公演に横井秀信(NHKプロデューサー)の登壇が決定。
本公演は8月13日(水)まで上演される。
高羽彩 コメント
タカハ劇団第21回公演『帰還の虹』が開幕しました! 終戦80年の今年、タカハ劇団では『他者の国』と『帰還の虹』という戦争の時代を舞台にした二作品を上演することにしました。こういう作品を上演するときは「戦争を知らない世代が戦争を語り継ぐ」みたいな文脈からは逃れられぬもので、もちろんそういう意義もおおいに感じてはいるのですが、最近は「語り継ぐ」という言葉に若干の違和感を覚えています。私たちはもうすでに戦争を知らない世代ではなく、新しい戦争の当事者になっているんじゃないかという思いが日に日に増しているからです。
『他者の国』も『帰還の虹』も、過去ではなく「今」との繋がりを強く意識して作りました。過去によって照射される「今」を見にいらしてください。
劇場でお待ちしております!!