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能登半島地震受け車使った津波避難も検証 上越市直江津区で10月に総合防災訓練

上越タウンジャーナル

能登半島地震を受け、新潟県上越市は2024年10月12日、直江津区で津波を想定した総合防災訓練を行い、車を使った住民避難を検証する。沿岸部の町内会では避難行動計画の見直しを進めており、実効性を確認する。

《画像:港町で5月に行われた車を使った津波避難訓練の様子》

元日の地震では、原則徒歩としていた中、多くの人が車で避難し渋滞が発生した一方、徒歩避難が難しい高齢者らが逃げるのを諦めた例もあり、市は避難行動要支援者などに限り車の使用を選択肢に加える方針を決めた。沿岸部263町内会を対象に避難行動計画の見直しを行い、マニュアルの修正などを行ったほか、4町内が車での避難計画を新たに作成した。

総合防災訓練は、津波被害があった直江津地区の22町内会と五智地区15町内会を対象に行う。上中越沖を震源とする地震で市内では震度6強を観測し、県内に大津波警報が発表される想定で、徒歩や車での住民避難や指定避難所の開設などを確認する。訓練は内閣府の「地震・津波防災訓練」に採択され、当日は内閣府の防災担当者も参加する。

《画像:事前ワークショップでは3町内会が見直した避難計画などを発表した》

8月29日には事前ワークショップが開かれ、訓練の内容が説明されたほか、3町内会が見直した避難計画などを発表した。このうち津波による浸水被害があった港町1・2丁目町内会は、町内で実施したアンケートで、体が不自由などの理由で避難できなかった人が20人ほどいたことなどから、車での避難を検討。5月には独自に訓練も行い、人と車が交わらない経路の選定などをしてきた。

《画像:港町では訓練で人と車の動線などを確認した》

港町防災対策委員会の泉秀夫委員長(82)は「徒歩で避難できない人を見捨てることはできない。(総合防災訓練では)避難にかかる時間を細かく計って、説得力や納得感を与えられたら」と話していた。

ワークショップに出席した新潟大学災害・復興科学研究所所長の卜部厚志教授は「自動車避難で救える命がある。県内外で見ても先駆的な取り組み」と評価し、「南海トラフの方など全国でも同じ課題があるので、上越市の検討過程をたくさん残してほしい」と述べた。

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