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清水エスパルス、ジュビロ磐田と渡り歩き5月で30歳…リーダーとして、個人として。金子翔太が藤枝MYFCで描くビジョン

アットエス


【サッカージャーナリスト・河治良幸】
藤枝MYFCは3月9日、アウェーでヴァンフォーレ甲府と対戦。シーソーゲームの展開で終盤まで2-3 とリードを許したが、後半アディショナルタイムに大卒ルーキーであるDF中村涼の劇的なゴールで追い付き、3−3で引き分けた。前節は直前に集団食中毒という困難に陥りながらも、ブラウブリッツ秋田を相手にシーズン初勝利を飾った藤枝だが、その流れをなんとか繋いだ形だ。

3−4−2−1の左シャドーでスタメン出場し、CKから久富良輔の先制点を演出した金子翔太は振り返る。「最後に追いついて3−3で、確かに勝ち点1を取れたっていう見方もありますけど、選手たちはすごい悔しがっていた。ロッカーでもみんな全然、満足してないし、もっとやらなきゃ、もっとやれたなっていう感想を持ってる選手が多いと思う」

金子自身は後半20分に交代で下がり、最後は仲間たちを信じて見守る展開だった。「そこは総力戦」と前置きしながら「(中村 )涼も練習からセットプレーでゴールを決めてたし、身体能力のある選手なので、みんな驚きはないと思う。なんとかもぎ取った勝ち点1」と語る。

「キワのところをもっと」

それでも90分を通してみると、藤枝としてはアウェーで十分に勝利できる内容だっただけに、悔やまれるところが大きいのは確かだ。

良い流れで先制点を取りながら5分後にカウンターからの2次攻撃で追い付かれ、FW千葉寛汰のゴールで再び勝ち越した2分後に、ロングボールから与えたCKで2−2の同点とされた。そこから逆転を許したのも、カウンターをしのいだ直後のCKからだった。セットプレーで2失点したことも問題だ。

金子は反省材料を挙げた。

「カウンターを食う回数がうちは多い。今日も、相手陣地から自陣まで持っていかれてコーナーを取られるとか、そういうシーンも多かった。この3失点というのは、もちろんセットプレーの守備もそうだけど、相手のコーナーも自分たちのリスク管理のところから取られてるところもある。みんな集中してやってたとは思うけど、失点してるので、まだ足りない。僕自身も含めて、そこの際(きわ)のところはもっとやっていかないと」

「ギアを上げていかないと」

金子はプロ12年目で、5月には30歳になる。清水エスパルスから、3年半過ごしたジュビロ磐田を経て藤枝にやってきたが、25歳の中川創がキャプテンを担う若いチームを前主将の杉田真彦らと、心身ともに支える役割を求められていることは自覚している。

甲府戦の前半は、選手間のイメージが合わずに攻撃のリズムがなかなか上がらなかった。

「予想以上にボールが走らなくて、風もあって…。相手もミドルブロックでそんなにプレッシャー来てなかったので、ボールも本来は回せて、テンポよくっていうところがあったけれど、そこがうまくいかなかったのはイレギュラーなところであった。

前の選手は相手がプレッシャー来てないから、もっと前進してくれよと。だけど後ろの選手はピッチコンディションで難しいところがあって。前と後ろと真ん中の意思疎通がうまく行ってなかった面は前半にあった。ハーフタイムに修正していたら遅いと思うので、僕は。試合中に修正するのがベストだけど、試合前から、もう少しうまくできたかなというのはある」

立場的に、そうしたチーム全体のバランスやリーダーシップを意識しながらプレーしているというが、その上で金子は「もっと自分を出すことは監督にも求められている。自分の個の力を出すというところは全然できてない」と強調する。先制点につながるCKに関してはコーチともしっかり分析して、狙いを持った形が得点に繋がったというが、これから流れの中でも結果を引き寄せるプレーができるか。

「次のいわき戦に向けて、自分自身もう1ギア、2ギアあげないと、ゴールを取る、取らせるには足りないと理解している。自分自身にプレッシャーかけてやっていかないと」

チームとしてJ1昇格を目指す藤枝だが、金子もチームのリーダー格としてはもちろん、個人の選手としても違いを出していかなければ、明るい未来につながっていかない。再びJ1のステージに上がり、そこで主力として輝くために。金子のここからに注目だ。

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