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【浜松市美術館の「小杉惣市コレクション 名品でたどる東洋陶磁-小杉惣市の眼-」展】 中国・新石器時代の壺に高度なデザイン性を見た

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアート&カルチャーに関するコラム。今回は浜松市中央区の 浜松市美術館 で10月12日に開幕した企画展「小杉惣市コレクション 名品でたどる東洋陶磁-小杉惣市の眼-」展から。

浜松市出身で日本楽器製造(現ヤマハ)に勤め、川上喜市社長(1885~1964年)の影響で古美術を収集した小杉惣市(1915~1984)のコレクションは、浜松市美術館の収蔵品の中核の一つとされる。仏像、硯、書画など東洋美術の歴史を総覧する「小杉コレクション」から、今回は中国、朝鮮の陶磁器を中心に展示した。

1階が中国、2階が朝鮮を中心とした展示で、ほぼ年代順に並んでいる。まず最初に目に入るのが新石器時代(紀元前3300年頃~紀元前2100年頃)の「彩陶双耳壺(さいとうそうじこ)である。一部に手びねりの跡が見られるが、全体に高度なデザイン性とそれを実現させる技術がうかがえ、驚嘆する。上部はふくよかに、下部は少しソリッドに。これが当時の美意識なのだろう。

中国ゾーンは各時代をまんべんなくたどり、明代にまで行き着く。殷時代から北魏時代(6世紀)までの素焼きの土器「灰陶(かいとう)」が、貴族の身なりや生活を細かく伝えていてたいへん興味深い。

南宋時代(12世紀)の「青白磁唐子唐草文瓶(せいはくじからこからくさもんへい)」の、しっとりした薄いグリーンと優しく彫り込まれた文様表現からは、作り手の丁寧な性格が伝わってくる。(は)

<DATA>
■浜松市美術館
住所:浜松市中央区松城町100-1
開館:午前9時半~午後5時(月曜休館、祝日の場合は翌日休館)
企画展料金(当日):大人310円、高校生150円、中学生以下と70歳以上無料
会期:12月15日まで

 

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