ヤマメ狙いのミャク釣り入門 【竿・装備・仕掛け類をまとめて解説】
いよいよ渓流解禁。「エサを自然に流す釣り方」でヤマメに挑む準備をしよう。
ヤマメ釣りの準備
ヤマメのミャク釣りでは、エサが自然に流れているように見せる「ナチュラルドリフト」という流し方が基本だ。
この釣り方を実践すれば、安定した釣果を得ることができるだろう。そのためにも、以下の手順で、準備を整えてヤマメ釣りに挑戦しよう。
ウエーダー
安価なものであれば5000円程度から手に入る。ウエーダーは、長靴底にフェルトが貼られていて、濡れた岩場でも滑りにくく、川に入って積極的にポイントを狙う際に便利。
また、低温やマムシ、ダニなど危険生物から身を守るため、安全面でも必須のアイテムだ。種類は腰までの「ウエストハイ」と胸までの「チェストハイ」があり、私は転倒しても水が入りにくいチェストハイを選んでいる。ただし、一度転倒してしまうと、ウエーダー内部に水が入ると立ち上がれなくなる危険があるため、備え付けのベルトを必ず装着することを忘れないように。
タモ
タモがなくても河原に引き上げて魚を取り上げることはできるが、川通しで釣ることの多い渓流釣り場では、バラさないようにキャッチするために渓流用タモは必須だろう。
また、細い仕掛けを使用しているため、タモ網に仕掛け巻きを入れて、サオや仕掛けを少しずつ伸ばしたり重宝する。一般的な渓流では、27cm程度の金属枠のタモが丈夫で、川虫取りにも使えて便利だ。
魚籠(ビク)
魚をキープするために使うアイテム。保冷可能なトレイが内蔵されており、氷や保冷材を入れることができ、持ち帰り時の鮮度を保つ役割を果たす。私は、キープとリリースを兼ねるため、本流や開けた渓流ではアユ用の引き舟を使い、魚を生かしておく。
釣りの最後にリリースすることを意識した釣りを楽しんでいる。しかし、落差のある渓流や源流では高巻きもあり、引き舟では魚を生かすことが困難なため、保冷タイプの魚籠を腰ベルトに通して釣るスタイルが便利だ。
サオ
サオは、川幅に応じて使い分けるが、開けた一般渓流域では6mのサオ、木々が多い渓流では5mクラス、水量の多くて川幅のある本流域では8m前後のサオが操作しやすい。
サオの硬さはさまざまだが、操作性やフッキング率を考慮すると硬調のサオが使いやすく、大物を視野に入れる本流域では胴調子がタメられてバラシにくい。
サオ先は硬めのチューブラータイプが操作性に優れているが、食い込み率はソリッドタイプのサオ先が有利で私も愛用している。活性の高いヤマメにはチューブラータイプで問題ないが、スレたヤマメには硬いサオ先が異物と感じ取られ、ショートバイトが増えてハリが弾かれることがある。
ライン
渓流釣りでは、石が多く、根ズレに強いフロロラインを使用するのが一般的。水中イトの号数は悩ましいところだが、ヤマメは細イトほどアタリが増える。
ただし、初心者には標準の0.3号、本流域では0.4号のラインがお勧め。これならトラブルも少なく、数釣りにも対応できるし、不意に尺超えの大物が来ても対応可能だ。0.15号前後の極細イトは、専用ロッドとともに熟練者向けで取り扱いがデリケート。
サオ先と接続する天上イトは、サオ先のイト絡み防止だけでなく、木々にイトが絡んだ際に水中イトを傷めず解いてくれる役割も果たす。
天上イトは、水中イトより1~2ランク太い視認性の良いフロロカーボンラインを選ぶのがベストだ。
目印
矢羽型や発泡ウキなども販売されているが、ウーリーナイロン製の毛イト目印は用途も広く、風抵抗や視認性も良好でお勧め。多くはスプールに巻かれており、必要に応じてハサミでカットして使う。
太さは「標準」「極太」「細み」とさまざまだが、まずはオレンジ、ピンク、グリーンの標準の太さを選ぶとよい。結び方には事前に編み込み方法や現場結びがあるが、現場結びは簡単だ。
オモリ
渓流釣りではガン玉を使うことが多い。G4~G1、B~2Bを専用ケースに入れておくと便利。
直接水中イトに取り付けるとイトが痛むため、PEライン0.3号で編み込み可能な「オモリガード」を作成しておくとよい。釣りを始めたばかりの人は、ゴム張りガン玉を使ってもよいが、浮力の影響で沈みにくい点に注意。
ハリ
魚と唯一接触する部分であるハリの選択は慎重に。シンプルな袖バリや、ヒネリの入ったキツネバリがあるが、オーソドックスな袖型で釣り始めて問題ない。ハリの号数はエサのサイズに合わせ、エサを刺した際にハリ先が少し出るサイズを選ぶことが重要だ。使用する号数は、川虫4~5号、イクラ5~6号、ブドウ虫7~8号、ミミズ8~9号を目安にしてほしい。
ハリは消耗品なので、釣れた後や根掛かり・バラシがあった際は、必ず結び直す。川底でハリ先が当たって潰れたり、結び目付近の水中イトの劣化を考慮し、定期的に結び直すことも大切だ。
<週刊つりニュース西部版 津曲隼丞/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース西部版』2025年2月28日号に掲載された記事を再編集したものになります。