『アイドリッシュセブン』名言・名台詞まとめ! 「道徳の教科書にすべき」との呼び声高いアイドル達の人間ドラマを言葉から紐解きます。
大人気アイドル育成アプリゲーム『アイドリッシュセブン』。芸能界の荒波に揉まれながらトップアイドルを目指して奮闘するアイドル達の姿をよりリアルに描いたストーリーと個性豊かな16人のアイドルたちや彼らが歌う楽曲が人気を集める作品です。
アプリリリースから今年で10周年を迎える本作は、これまでコミカライズや様々な形式でのライブ、3度のアニメ化に加え、多種多様な企業や商品とのタイアップを果たすなど、メディアミックスを通じて多くのファンを楽しませています。
本稿ではそんな『アイドリッシュセブン』の名言・名台詞をお届け! マネージャー(作品ファン)の間で「道徳の教科書にすべき」という声もあるほどの人間ドラマが描かれている本作のストーリーには心に刺さる名言ばかり。彼らの奮闘を言葉から紐解いていきたいと思います。
※本稿にはネタバレ要素が含まれます。
七瀬陸
「このまま、夢をあきらめて、100歳まで生きるよりも100年分、歌って死にたいんだ。」(第1部第5章第2話サイドストーリー)
幼い頃からアイドルに憧れていた陸でしたが、呼吸器系の持病のため長い入院生活を強いられていました。成長するにつれて症状は改善し、夢だったアイドル活動をはじめ、抜群の歌唱力からグループセンターにも抜擢。ところが、長時間歌い踊るアイドルの仕事によって収まっていた持病の発作が再発。
周囲にはそのことを隠していましたが、メンバーの和泉一織がいち早くそのことに気づき持病のことを問い詰めます。「歌って欲しいと望むことはあなたを苦しめることか」と問う一織に対し、陸は「ノー」と返し、こちらの台詞を続けます。夢が叶ったこと、メンバーに評価されセンターに選ばれたことが嬉しく、「生まれて初めて、自分の人生を生きてる気持ちになった」という陸が印象的なシーンです。
「精一杯、歌い続けて、大好きな、大切な、この空間を守ります!」(第2部第10章第4話)
陸がセンターを務めていたものの、持病が悪化したため一時的にセンターを一織に変更することにしたIDOLiSH7。そのことでファンの間で「どちらをセンターに推すか」論争が起こってしまい、そのせいで2人の関係もぎくしゃく。しかし、誰よりも陸のセンター復帰を願う一織の本心を聞き、関係は修復され、また体調も安定してきたことから陸がセンターに復帰。
その際のライブのMCで、陸はメンバーとファンが誇らしい存在であることを話し、まるで決意表明のようにこちらの言葉を口にするのでした。直後に流れる「RESTART POiNTER」を晴れやかな顔で歌う陸と優しい顔で彼を見る一織がたまりません。
「みんな、お疲れさま! みんな、すごく頑張ったね! この先は楽しいことしかないから! 思いきりはしゃいで、笑顔をみせてね! 一緒に遊ぼう!」(第6部第14章第2話)
こちらは、2022年末に行われた音楽番組「ブラック・オア・ホワイト ライブ ショーダウン(略称:ブラホワ)」のIDOLiSH7のパフォーマンス前に流されたインタビュー映像での言葉です。「あなたにとってアイドルとは?」という質問に対し、「光のようなもの」と回答した陸。つらい時でもそのことを忘れさせるほど楽しくて夢中にさせてくれる存在であり、自分自身もそういう存在になりたいのだと。
当然、大好きなアイドルに夢中になっても、問題が解決したり病気が治ったりするわけではありません。それでも、またアイドルを見て幸せな時間を過ごせるなら、今の苦しみも少しだけ耐えられる気がすると思っていた、と陸は語ります。
同じような気持ちで「ブラホワ」を見ているだろう人たちに向けて、また「ブラホワ」を楽しみにこれまで頑張ってきたファンに向けて送った温かい言葉は、幼い頃の自分自身に向けた言葉でもあったのかもしれません。
和泉一織
「IDOLiSH7を、ゼロを超えるアイドルにしてみせます。」(第2部第14章第3話)
こちらは伝説のアイドル・ゼロのプロデューサー・九条鷹匡に言った言葉です。人気絶頂の最中、突然失踪した姿を消したゼロを恨み、ゼロを超えるアイドルを自分の手で作り出そうと躍起になっている九条に対し、一織は「おじさんの出る幕はない」と辛辣な一言を放ち、新しい伝説を作るのは自分とIDOLiSH7であると宣言。
これは自身もアイドルとして活動しながら、プロデューサーとしてグループの舵を取っているから言えること。実際に、IDOLiSH7は彼の手腕でトップアイドルの道を駆けあがっていくことになります。
「私がいる限りIDOLiSH7は存在し続けます。終わらせたりしません。」(第3部第2章第3話)
こちらは九条鷹匡に、IDOLiSH7は長くは続かないと言われた際に返した言葉です。九条は、圧倒的な歌唱力と訴求力を持つ陸がゼロに似ているところがあると評価しつつも、「長くは続かない」と予言のような一言を放ちます。
それに対し陸を誰よりも評価し、陰に日向にその活躍をサポートしようと努めている一織は、自分がいる限り陸もIDOLiSH7も存在し続けると言い切るのです。一織プロデューサーの一言がとても頼もしいですね。
「IDOLiSH7を守るためなら、悪魔に魂を売り払って契約したっていい。口だけじゃない。本当です。」(第5部第13章第2話)
こちらは自分がプロデュースに関わっていることを初めてメンバーであり実の兄でもある和泉三月に打ち明けた際の言葉です。聡明で達観している一織は同級生たちといっしょにゲームやスポーツに夢中になることはできず、そのことにどこか寂しさや孤独を感じていました。しかし、IDOLiSH7のプロデュースは人生で初めて夢中になれるほど楽しく、情熱をかけられるものだったと話します。大切な人たちを成功に導くことが自分のやりたいことであり、IDOLiSH7は自分のすべてだと語る一織。大人顔負けのプロデュース力を持つ彼ですが、夢を語る姿は年相応の高校生らしい情熱と若さが漲っています。
二階堂大和
「おまえは俺に、一生懸命ってやつ教えてくれたからさ。ほどほどってやつ、俺が教えてやるよ。」(第2部第8章第3話)
こちらは三月が、賛否両論あるファンの声に思い悩んでいたときにかけた言葉です。知名度が上がりファンが増えるにつれて、その多種多様な要求に苦悩していたIDOLiSH7。中でも、常に全力でアイドル業に取り組む三月はその悩みにも全力で向き合っていました。
そんな彼に大和は、たまには肩の力を抜いて頑張りすぎないように助言。年長者、かつ、いつも一歩引いて冷静に物事を見ている大和らしいアドバイスです。三月との“長所の交換”のようなシーンも印象的です。
「最初は復讐のつもりだった。だけど今は違う……! あいつらの夢を叶えてやりたい」(第2部第4章第4話)
とある人物への復讐を目的に芸能界に入った大和。しかし、IDOLiSH7として活動していく中で、他のメンバーが夢を持って入ってきた世界だと知り、さらに、トップアイドルになるため努力を重ねる仲間の姿を見て、大和の気持ちに変化が訪れます。
こちらの言葉は事情を知る先輩アイドルRe:vale・千に心境を吐露した際のものです。自分の復讐よりもメンバーのことが大切になった大和は、渋っていた映画のオファーを受けます。この映画出演をきっかけに業界内外で演技力を知られることとなり、アイドルとしてだけでなく俳優としても活躍の場を広げることとなりました。
「7人を縛る名前。その信頼が重かった時もあるけど今は誇らしく思うよ。終わらせない、IDOLiSH7を」(第3部第5章第4話)
大御所俳優の息子である大和。しかし、正妻ではなく愛人の子であるため、アイドルにとっては大きすぎるゴシップです。グループを愛するがゆえ、自身の経歴がIDOLiSH7の活動に影響を及ぼす前に脱退することを考えた大和でしたが、活動を続けたい本心とメンバーへの想い、そして“IDOLiSH7”という1人でも欠けると成立しなくなるグループ名によって引き止められます。メンバーに自身の秘密を打ち明けた大和は、グループ名の重みとともに終わらせないという覚悟を口にしたのでした。
和泉三月
「一度きりの人生!オレの人生、面白くすんのはオレしかいねーじゃん?」(第1部第10章第3話)
ひとりで懸命にダンスの自主練習に励んでいた三月に大和が「いつも一生懸命だな」と声を掛けると、「一生懸命じゃなきゃつまらない」と返した三月。全力でやって、全力で成功して、全力で喜ぶ。失敗したら全力で悔しがる。そうやって自分の人生を面白くすると語ります。常に一生懸命な彼のポリシー、私たちも見習いたいですね。
「もう絶対に忘れないよ。オレを変える勇気も大切だけど、オレでいる勇気も大切だっていうこと……。オレは、IDOLiSH7の和泉三月だから!」(第2部第9章第4話)
MCとしての才能を開花させた三月は、IDOLiSH7の冠番組以外でもMCとして起用されるなど、活躍の幅を広げることに。しかし、喜んでいたのも束の間、MCとして目立つようになった分、今までなかった批判の声も届くようになってしまいます。
マイナスな声にも応えようとして空回りしてしまい、悩みを募らせていた三月ですが、メンバー・六弥ナギをはじめとした仲間の励ましやアドバイスによって、自分が自分でいることの大切さに気づくのでした。人気が出て、知名度がアップしたタイミングで訪れるアイドルのターニングポイントを乗り越え、三月がひと回り成長したことがわかる言葉です。
「格好つかなくて、短気で、取り柄なんかないオレだけど……。オレ……。オレのことが好きで幸せだ。」(第5部第9章第1話)
IDOLiSH7になるまで、アイドルのオーディションに何度も落ち続けていたことなどから劣等感を抱いていた三月。それ故にアイドルとなってからも自信を持ち切れず、悩み苦しむことも少なくありませんでした。
しかし、葛藤しながらも活動する中でファンの応援やメンバー、仕事仲間からの励まし、そして何よりも三月自身の頑張りや実力が評価されたことにより、これまでにない大きなMCの仕事に抜擢され、持ち続けていた劣等感に見事打ち勝ちます。自分の短所もひっくるめて自分を愛する大切さを感じる一言です。
四葉環
「今は笑うと思います。俺がちゃんとしてると、喜んでくれる人たちがいるから」(第2部第8章第4話)
家庭環境に恵まれず、生き別れた妹を探すためにアイドルになった環。妹に会わせてくれるというテレビ番組の企画に了承したものの、番組収録で目の前に現れたのは幼いころに暴力を振るわれていた大嫌いな父親。期待を裏切られたショックと憎き父親との思わぬ対面に、環は暴れ、収録は中止に。
さらに、時間にルーズなところや仕事に身が入っていないことがあるなど、デビュー当初はアイドルとしての自覚が足りない面が見受けられた環ですが、自分がちゃんとしていると褒めてくれるメンバーや喜んでくれるファンの声を受け、その行動に変化が生まれます。変わり始めた彼が、暴れて中止させてしまったあの収録を振り返って言ったのがこちらの言葉。自分のために行動していた環が人のために頑張る喜びに気づき、成長する姿にグッときます。
「いいとか、悪いとか、正しいとか、間違ってるじゃなくて。あんたが好きなもん、好きでいいんだよ。」(第3部第10章第3話)
こちらはMEZZO”として共に活動する逢坂壮五に言った台詞です。幼いころから父に自分の好きなものを否定され続けてきた壮五。彼自身が気づいていなかった「自分が好きなものをみんなに褒めてほしい」という気持ちを環が代弁します。
そして「好きなものは好きって言えばいい。もっと大きな声で」と諭します。高圧的な父親から押さえつけられ、いつの間にか“好き”という気持ちを素直に表現できなくなってしまった相方の心を溶かす環の優しい一言です。
「俺たち、基本、頑張んなきゃだめだけどさ。それって幸せになるためだろ? 幸せになるため以外に、頑張んなくたっていいんだよ。」(第4部第2章第1話)
メンバーに話せないとある事情を抱えたまま、苦しそうな表情でステージに立とうとするナギ。既にステージ袖に控え、IDOLiSH7は出番を待つばかり。歌う曲を変更したり、出演を中止することなど考えられないような状況ですが、表情の晴れないナギを思いやり「歌うのをやめよう」と言える環は本当に優しい心の持ち主だと感じます。
それでも出演しようとするナギに掛けたのがこちらの言葉なのですが、17歳とは思えない人生の真理を突いたような言葉にハッとさせられてしまいます。むしろ、17歳の純粋さがあるからこその言葉かもしれませんね。
逢坂壮五
「君を見てるよ。君がつらい時、悲しい時にひとりぼっちで怒らなくていいんだ。君の気持ちをわかってる人はたくさんいる。ちゃんと、君は見守られてるよ。」(第2部第8章第3話)
とある事情から思わぬ形で結成し、活動を始めたMEZZO”。結成当初、性格や気質が正反対の彼らは大小さまざまなところで衝突していましたが、次第に壮五は、家庭環境に恵まれなかった環が他人から見守られることがなく、自分で自分の身を守るしかなかったことに気が付きます。
壮五は環をこれからも見守ると約束し、“君の声がピアニシモより小さくても、必ず気づけるように努力していく”と伝えます。MEZZO”2人の関係が大きく前進したことを感じさせてくれる印象的なシーンです。
「僕は、音楽と生きていたい。」(第3部第17章第1話)
音楽の道に進むことを父親に許してもらえず、勘当同然で家を出た壮五。とある事情から久々に実家に赴き、アイドルの仕事を父親に理解してもらおうとしますが、失敗に終わり、それどころかアイドルを辞めるよう迫られてしまいます。
最後の仕事と父に言われ、送り出されたラジオ番組で、壮五は父親に認められずとも愛することをやめられなかった音楽と自分について語り、その中でこちらの言葉を口にします。この放送を父が聞いたことにより、アイドル引退の話は白紙に。自分の好きなことを初めて大きな声で語った壮五。その声は父の心にも届いたようです。
「環くん。僕と一緒に、僕の歌を歌ってくれ。」(第4部第16章第1話)
作曲に興味があるものの、なかなか決心がつかなかった壮五は、IDOLiSH7の曲を手掛けていた作曲家・桜春樹の死を受け、自分の曲を発表することを決意し、そのことを環に打ち明けます。壮五は桜の死に触れたことで、自分の中にある曲は今自分が死んでしまったら誰にも知られないままだと気づいたのです。そして、自分の生きた証として曲を残したいと強く願ったのでした。
これまで自分の要望を口にすることや他人を頼ることが苦手だった彼が、ここまではっきりと願い出るのは初めてのこと。壮五の精神的な成長とMEZZO”2人の強い信頼関係が感じられます。これを機に壮五は作曲家としての道を歩み始めることに。彼の大きなターニングポイントと言える名台詞です。
六弥ナギ
「Are you happy?」(第1部から複数回登場)
ストーリー序盤から何度も登場するこちらの言葉。ナギの台詞と言えばコレ、というマネージャーも多いのではないでしょうか。始めはとてもシンプルな何気ない一言のように登場しますが、相手が幸せな時はもちろん、苦しんでいるときにもナギはこの言葉を使っており、ストーリーが進むにつれて様々な意味合いを持つようになります。
時には、メンバーからナギへこの言葉がかけられることもあれば、ライブでコール&レスポンスのように観客に問いかけることも。どんなシーンであっても相手に幸せであってほしいという願いも込められた言葉であり、IDOLiSH7のメンバーやナギ自身に何度も寄り添ってきた大切な言葉です。
「街中にあるたくさんの声は、時に残酷で、時に鋭い。ですが、耳を澄ませば、あなたを、ワタシを思ってくれている。ワタシたちが輝く明日を迎えると信じて、向かい風の中でも声を張り上げて、エールを送り続けてくれています」(第2部第9章第4話)
デビュー後、順調に仕事が増えるIDOLiSH7は、知名度が上がるにつれて応援するファンの声だけでなく、心無い批判の声も聞こえてくるようになってしまいます。そんな世間の声に苦悩する三月にナギが送ったのがこちらの言葉です。
自分の存在意義に思い悩むメンバーに常に寄り添い、励まし続けてきたナギ。応援してくれるファンのことも信頼し、愛する彼のポジティブな言葉にIDOLiSH7のメンバーは何度も勇気づけられています。
「ワタシたちは、生まれた国が違っても、性別や、話す言葉、愛するもの、憎むものが違っていても……。友人になることで、全て解決していける。社会性の高い、幸福な生き物です。」(第3部第13章第3話)
こちらは、MEZZO”が歌う新曲「Dear Butterfly」についてナギが環と壮五に説明している場面での言葉。作曲者である桜春樹の友人であるナギは、この曲は桜が好きなものをイメージした曲だと話していたと2人に伝えます。
好きなものは人に幸福を感じさせる一方で、それを他者に否定されると傷つき、場合によっては衝突や争いに発展してしまう可能性もはらんでいるもの。しかし、相手が友人ならば、否定された意味を考え、理解しようと努力するだろうとナギは言います。愛情深い彼らしい言葉であると同時に、自分もそんな社会性の高い生き物でありたいと思わせてくれる言葉です。
八乙女楽
「俺は俺以外を生きたことはない。だけど、俺を必死に生きてる。大真面目に八乙女楽をやってんだよ。」(第2部第9章第3話)
アイドル活動が軌道に乗り、知名度も人気も上がっていくIDOLiSH7。しかし、大勢の目に触れるようになるにつれて、批判的な意見や過度な要望も耳に届くように。どの声に応えるべきか悩み、自信を失った三月は楽に「あんたみたいに生まれたら人生楽勝だったんだろうな」と羨む発言をしてしまいます。
そんな三月に対し、「あんただって、イケてんじゃんか!一体、何が不満なんだって。」と一言。そして、こちらの言葉を続けます。何もかも恵まれているように見える楽は、ただ“ないものねだり”をせず、人に見えないところで努力を重ねているだけなのでした。彼の気高い精神が垣間見える一言ですね。
「ノイズを消せ。自分の声だけ探せ。100人に愛されるおまえじゃなくて、おまえに愛されるおまえになれ。」(第2部第9章第3話)
こちらも先ほどのシーンに続く名台詞です。「おまえは大真面目に和泉三月をやってるのか」と問われた三月は「やってるつもりだけど、正解がわからない」と悩みを打ち明けます。すると楽は「正解なんて探さずに、自分の声を聞け」と助言し、こちらの言葉を続けました。「そしたら、いつか、1万人がおまえを愛するようになる」とも。
それが楽にとっての「自分自身を真面目に生きること」だと言います。他人の要望ではなく自分のやりたいことを軸にすることの大切さを教えてくれる、作中屈指の名シーンです。人生にとって大事なことが詰まっていると思います。
「負けた理由を敵に探すな。自分の中に探せ。」(第3部第12章第4話)
順風満帆なアイドル活動をしていたTRIGGERは、とある人物の意図的な悪意によって苦境に立たされることに。彼ら自身に落ち度は全くないのに、テレビの仕事は目に見えて減り、大型チャリティー番組のパーソナリティーは降板。ライブも今までやっていた大規模会場ではなく小さなライブハウスに……俗に言う干されている状態になってしまいます。
自分たちを貶めた相手を恨んで当然のこの状況でも、八乙女さんは人のせい・環境のせいにするのではなく、自分自身に目を向けます。芸能界追放寸前とも言える危機的状況でも、逃げることなく立ち向かい、ひたむきに努力をする八乙女さんの心の強さを感じます。
九条天
「九条天のファンでいたせいで、傷つくことがあったなんて、ボクは絶対に許せない。」(第2部第5章第1話)
高いプロ意識を持つ天は、どんな理由があっても全力でパフォーマンスできないことを良しとしません。コンサートチケットは、“ファンのために全力を尽くす約束”であり、その約束を破ることはファンを失望させること。そのため自分たちの仕事には代わりはないのだと天は言います。
さらに、いつか他に興味が移ってファンでなくなったときでも、応援していたことや費やした時間を楽しいものだったと思ってほしいと語り、「隕石が落ちてきて、世界中が絶望している時にも、笑って歌っているのがボクらの仕事」というほど、常に完璧なパフォーマンスをファンに届ける天。こんなに想われるファンは幸せ者ですね。
「他人と比べていいことなんてない。比較していいのは、過去と、未来の、自分だけ。」(第2部第9章第3話)
こちらはグループメンバーと自分を比べて悩む陸に対して天が助言した際の言葉です。自分自身もメンバーに勝てないと思う部分もあるけれど、2人に絶対に負けないものを自分も持っていると語る天。過去と未来の自分を比較し、昨日の自分に明日も、明後日も、勝ち続ける努力をするよう陸を諭すのでした。天の常にパフォーマンスが磨かれていることがわかる言葉であると同時に、私たち自身も肝に銘じておきたい言葉です。
「……うた、歌ってて、良かった……。」(第3部第14章第4話)
とある人物の策略によって、何も落ち度がないにもかかわらず、芸能界追放寸前まで追い込まれてしまったTRIGGER。テレビや大規模な会場といったパフォーマンスの場も奪われてしまった彼らは、再出発の第一歩として路上ライブを実施します。
予告なく行われたゲリラライブにもかかわらず、TRIGGERの姿をもう一度観たいと願っていた多くのファンによって大きな人だかりができ、温かい声援に触れた天は笑いながらも思わず涙を零します。
歌うことで何かを欲しいとも報われたいとも思ったことなかったという天は、このライブでファンからたくさんのものをもらったと言い、この言葉を続けるのでした。自分が大切にしたい、守りたいと思っていたファンから、愛され支えられていることを改めて実感した瞬間です。
十龍之介
「俺が愛されたいわけじゃない。俺の歌が、俺のダンスが、TRIGGERの一部となって愛されたいんだ。」(第1部第18章第2話)
セクシーでワイルドなキャラクターとして事務所に売り出されている龍之介。しかし、その素顔は沖縄育ちの純朴な心優しい青年です。事務所が作り上げたキャラクターと本来の性格のギャップに思い悩む龍之介でしたが、彼は自分自身が愛されるよりも、歌やダンス、キャラクターがグループの一部となって愛されたいのだということに気が付きます。
「いつも、一緒に戦ってきた2人を置いて行ったりはしません。ここにいる2人もあなたは奪えない。あなたは、ちっぽけで、無力だ。」(第3部第11章第5話)
とある人物の悪だくみによって、大きなステージを前にTRIGGER全員がバラバラに誘拐されてしまいます。何とか助け出された龍之介でしたが、天と楽は間に合わず、ひとりでパフォーマンスをしなければならなくなってしまいます。そんな自分を嘲笑う首謀者に対し、龍之介はこの言葉を伝えてステージへ上がり、一人で見事に新曲を歌いきるのでした。どんな困難に遭っても決して屈しない強い精神とTRIGGERの絆を感じる力強い言葉です。
「あの日のことを許さないのと、君が俺の気持ちに気づいてくれたことや、君の成功を、喜ばないのも、別のことだよ。(中略)いいステージに立てて良かったね。」(第4部第10章第1話)
TRIGGERのステージを邪魔したŹOOĻ・御堂虎於から電話で謝罪された龍之介。虎於は自身が良いステージに立てたことで、自分がやったことを深く反省したことを龍之介に伝えました。その謝罪に対し、龍之介はこちらの言葉を返します。芸能界引退寸前まで追い込まれたわけですから、本来であれば相手のことを憎み、恨んだとしてもおかしくありません。しかし、彼はされたことと相手の成功を完全に切り分け、自分を貶めた相手の成功を祝福したのです。龍之介の器の大きさに感服します。