【ウイスキー教養】「地獄」で生まれたウイスキー!ザ ダブリン リバティーズ蒸溜所へ現地取材してきました!
アイルランドのダブリンにあるザ ダブリン リバティーズ蒸溜所では、築400年の建物を利用し2019年よりウイスキーづくりが行われています!今回はザ ダブリン リバティーズ蒸溜所についてご紹介します!
1.「地獄」のザ ダブリン リバティーズ蒸溜所
ザ ダブリン リバティーズ蒸溜所があるのは、かつて「地獄」と呼ばれていた地域、リバティーズに位置しています。ここはダブリン旧市街の荒れ放題の地区であり、騒乱と暴動が多発していた一方、古いウイスキーの蒸溜所と並んで、織物工場、鍛冶場、印刷所、皮なめし工場、違法な酒場などがありました。当時、アイルランドは年間1,000万ガロン(約3780万リットル)のウイスキーを生産しており、その内このリバティーズの地域だけで、半分の量の500万ガロンを生産していたそうです。
そのような背景もあり、ザ ダブリン リバティーズ蒸溜所は、18世紀のウイスキー黄金時代にウイスキーメーカーとして世界的に名を轟かせていきました。
2.リバティーズの特徴
ザ ダブリン リバティーズ蒸溜所は自前の水源を持っていることが特徴的で、さらにウイスキー黄金期である18世紀当時と同じ水源を使用できる唯一無二の蒸溜所なのです。ウイスキーづくりのための専用井戸を持っており、1万年以上前に雨水としてこの地に降ったものを使っています。
また、畑から大麦を収穫した時は少し青々としていて風味が違うため、畑から取り出した大麦を、暖かく湿ったところに置きます。すると、大麦が春だと錯覚して芽を出す準備を始めます。その後、乾燥させることで麦芽が誕生します。このように丁寧に手間暇を込めることで、より甘くほのかにビスケットのような香りが楽しめるウイスキーになります。
3.最後に
かつては地獄と呼ばれていた地域で育まれてきた、ザ ダブリン リバティーズ蒸溜所の歴史は、製法などにも影響を与え、味にも個性を発揮しています。唯一無二の個性を肌で感じられるザ ダブリン リバティーズ蒸溜所は、私たちをロマン溢れるウイスキーの歴史のなかへと誘ってくれます。