【廿日市市】春のあたたかみを感じながら野山を散策 “春の女神”ギフチョウが舞う!|地球派宣言
2025年4月19日(土)、廿日市市の「おおの自然観察の森」で、春の草花と生き物をテーマにした自然観察会が行われました。
まず出会ったのは、春の野山を代表する花、スミレ。
鮮やかな黄色のヤマブキは、万葉集にも詠まれるなど古くから観賞されてきました。
この季節は、足元や頭上に少し目を向けるだけで、彩り鮮やかな花々が楽しめます。
さらに水辺に目を向けると……、ツチガエルに出会いました。
冬眠から目覚めた、さまざまな生き物が活発に動き始めています。
とぐろを巻いて現れたのは、赤い目が特徴のシマヘビ。
普段出会うことのない生き物たちに、子どもたちも大興奮です。
そして、日光浴をしていたのは、日本の固有種・ニホンイシガメ。
国の天然記念物に指定されている貴重なカメです。
はつかいち環境アドバイザーネットワークの西本悟郎代表は、
「春のあたたかみや季節の変化を感じてもらえるし、ヘビやカエルなどいろいろな生き物が冬眠から目を覚ますところも見られます。
昆虫も出てきて、それを食べるという生態系も見られるので、楽しみになりますね」と春の自然観察の魅力を語ります。
この日の午後、西本さんは同じ廿日市市の極楽寺山へ。
「こちらが、ギフチョウの産卵場となっています。一般客が入らないようにロープを張っています」と、西本さん。
毎年この時期、ギフチョウを保護するためにパトロールを行っています。
西本さんにギフチョウの産卵場を案内してもらいました。
そこには、サンヨウアオイというギフチョウの幼虫が食べる草も。
ギフチョウが生息する南限と言われている廿日市市。
この地に生えるサンヨウアオイに卵を産み、ふ化した幼虫が、この葉っぱを食べて成長します。
西本さんは、6年前から全ての卵を確認して、人によって、ふまれたり、採取されたりしないようにしています。
サンヨウアオイが生える場所は全てチェック。すると……
西本さんが、去年は一度も見られなかったという、ギフチョウに出会いました!
すぐに逃げてしまいましたが、ほどなくして……
ギフチョウが地面にとまりました!
“春の女神”と呼ばれる、ギフチョウ。
近くに行くとすぐに飛んで行ってしまうため、遠目での撮影です。
そして、気が緩んだのか、取材班の足元にも……!
羽を広げた貴重なギフチョウの姿を撮影できました。
西本さんは、「蝶の天敵は人間。数はかなり減っていますね。
何も知らずに(産卵の)場所に入ってギフチョウの卵や幼虫を踏んだりすることもあります。
そこで、ロープを張って保護していることをアピールしています。
今後我々が整備をしてギフチョウにとって良い環境を作って、ずっと後世に伝えるような活動をしていきたいと思っています」と話します。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年4月23日放送)