狭小住宅は間取りが決め手 | 実例や取り入れたいアイデアを解説
「限られた広さの土地に家を建てたい」
「生活しやすい家を建てたいが、費用はできるだけ抑えたい」
このようなお悩みはないでしょうか?
立地は好条件だけど狭い土地などに家を建てたいと思ったとき、気になるのが間取りです。
この記事では、おおむね20坪以下に建てる狭小住宅について、実例やメリット・デメリット、取り入れたいアイデアを解説します。
土地が狭くても生活しやすい家を建てることは可能です。
最後まで読んでいただけると、新たなアイデアが見つかるかもしれません。
狭小住宅の間取り実例5選
まず、狭小住宅の間取り実例を5つご紹介します。
間取り例①:玄関に収納をまとめた15坪の間取り
延床15坪の狭小住宅。
壁紙や巾木(はぎき)、コンセント口の色をグレージュに変更することで統一感のあるデザインにしています。
また、玄関にシューズクロークやシューズボックスを置いていません。
これにより、玄関に使うスペースを最低限に抑えることが可能です。
一方で、将来的に介護で車椅子を使用するときにも十分な玄関の広さは確保しています。
このほか、キッチン背部の高い位置にある横長の窓も、室内に自然光を多く取り入れるための工夫です。
間取り例②:ピアノが置ける広いリビングのある17坪の間取り
建坪17坪の狭小住宅です。
リビングは15.8帖で広めにとってあり、狭小住宅でありながらグランドピアノが置けるスペースを確保しています。
また、玄関にはシューズクロークではなくシューズボックスを置くことで、玄関に使うスペースを減らしています。
さらに特徴的な工夫は、あえて背面キッチンにしていることです。
対面ではなく背面にすることで使うスペースを上手く減らしています。
そして、キッチンとリビングの一体性を確保しながらメリハリをつけるため、腰までの高さの「腰壁」を用いています。
間取り例③:チルルームがある19坪平屋の間取り
建坪19坪の狭小住宅です。
玄関と寝室のどちらからもアクセスできるトイレが特徴的で、一人暮らしの終の棲家として過ごしやすい工夫が散りばめられています。
また、狭小住宅ながら趣味などを楽しむチルスペースが確保されており、狭いながらメリハリのある間取りを実現しています。
ウォークインクローゼットと脱衣所を隣接させ、便利な生活動線を確保していることも特徴です。
間取り例④:バリアフリーな18坪の間取り
建坪18坪のバリアフリーな間取りの狭小住宅です。
玄関の幅を確保し、車椅子のためのスロープが設置できるようにしています。
また、トイレの側面に引き戸を作ることで必要なスペースは減らしつつ、介護がしやすい工夫がなされています。
狭小住宅ながら、生活に便利なパントリーを確保していることも特徴です。
間取り例⑤:猫と暮らす19坪の間取り
延床19坪の狭小住宅です。
特徴は、玄関横に大きな固定窓を設けていることです。
これにより、家に帰ったときに猫が出迎えてくれるよう工夫しています。
また、リビングとダイニングの間に床用のコンセントを設置することで、調理家電をリビングで使用でき、上手く家事動線を確保しています。
このほか、狭いスペースでも家具を置きやすい引き戸を用いていることも、狭小住宅でおこなえる工夫の1つです。
狭小住宅の間取りのメリット3つ
狭小住宅には3つのメリットがあります。
それぞれくわしく見ていきましょう。
メリット①:土地代や建築費用を抑えられる
狭小住宅では、土地代や建築費用を抑えられます。
広い家を建てようとすると、大きな土地や建築材が必要になり費用もかさんでしまいます。
一方で狭小住宅であれば、最低限の土地代や材料代で済むため、費用を抑えることが可能です。
費用を抑えながら家を建てたい場合には、有効な選択肢といえるでしょう。
メリット②:税金を抑えられる
税金を抑えられることも、狭小住宅のメリットです。
固定資産税などの税金は、土地の広さや建物の大きさに対して課税されます。
このため、狭小住宅であれば税金を抑えることができるのです。
建てるときには大きな家を求めてしまいますが、ランニングコストにも目を向けて広さを検討することも重要な視点といえるでしょう。
メリット③:都市部でも建てられる
狭小住宅は都市部でも建てられます。
都市部では広い土地が確保しづらく、となりの家との距離が近いこともよくあります。
そのような状況でも、狭小住宅であれば一戸建てが建てられます。
さまざまなシチュエーションに合わせて建てられることが、狭小住宅のメリットです。
狭小住宅の間取りのデメリット3つ
ここからは、狭小住宅のデメリットについて解説します。
3つのデメリットをくわしく見ていきましょう。
デメリット①:坪単価が高くなりやすい
狭小住宅には、坪単価が高くなりやすいデメリットがあります。
狭小住宅を建てる土地は縦長であることが多く、縦長の土地には重機などが入れない場合があります。
このような場合、人力で建築作業を進める必要があるため、人件費などの費用が増えてしまうのです。
また、建築資材を保管する場所が確保できない場合も、少しずつ現場に運ぶ必要が生じるため費用が増えます。
安いだけで土地を購入するのではなく、建築の際に重機が使える広さが確保できるのか確認するようにしましょう。
デメリット②:生活空間を窮屈に感じる
生活空間を窮屈に感じることも、狭小住宅のデメリットです。
限られた土地に建てるため、室内空間は狭くなります。
また、となりの家との間隔が近いため窮屈に感じたり、生活動線が縦に伸びざるをえないため上下の移動が多くなったりすることで生活しづらいと感じてしまいます。
狭小住宅では、いかに室内空間を広くし、生活しやすくするかがポイントです。
デメリット③:駐車スペースの確保が難しい
狭小住宅では、生活空間のスペース確保を優先するため、駐車場の確保が困難になります。
これも狭小住宅のデメリットです。
2階建ての1階部分を駐車スペースにするなど、工夫が必要になります。
狭小住宅の間取りに取り入れたいアイデア6つ
狭小住宅のメリット・デメリットを踏まえ、取り入れたいアイデアを6つご紹介します。
アイデア①: 廊下を設けない
狭小住宅では、廊下は設けないようにしましょう。
廊下は部屋と部屋を区切るために効果的ですが、狭小住宅では廊下分の広さも生活空間に当てるべきです。
生活空間を最優先に考えて、廊下はなくしましょう。
アイデア②:スキップフロアを活用する
狭小住宅には、スキップフロアが効果的です。
室内に高低差を作ることで、1つの部屋でもスペースを分けることができます。
また、部屋に広がりが生まれるため、室内が広く感じられます。
狭小住宅において、部屋を分けたい場合に壁を作ってしまうと狭くなってしまうため、スキップフロアを検討しましょう。
アイデア③:窓を工夫する
狭小住宅では、窓にもこだわってみましょう。
窓の大きさや高さ、種類を工夫すると、それだけで部屋の広さに違いが生じます。
これは、室内に取り入れられる自然光の量が変わるためです。
自然光だけでも室内を明るくできるように、窓を工夫して設置しましょう。
アイデア④:中庭を設ける
狭小住宅には中庭を設けることもおすすめです。
中庭には広いスペースが必要と感じますが、必ずしもそうではありません。
少しのスペースで自然光を多く取り入れられるようになり、室内に開放感が生まれます。
窓の工夫と合わせて取り入れたい手法です。
アイデア⑤:水回りを1か所に集中させる
狭小住宅では、生活しやすい動線の確保が重要です。
そのために、水回りを1か所に集中させることをおすすめします。
水回りを集中させると家事がしやすいことに加え、配管などのスペースも少なくて済みます。
結果的に水回り以外のスペースも確保できる方法です。
アイデア⑥:オーダーメイド家具を取り入れる
矮小住宅に合わせたオーダーメイド家具を取り入れることも有効です。
部屋のサイズに最適な大きさや機能を持つ家具を配置することで、家具スペースを最小限に抑えられます。
既製品に比べると費用はかさみますが、広い家を建てる場合の費用に比べて安く済むようであれば検討してみるとよいでしょう。
まとめ:アイデアを取り入れて住みやすい狭小住宅を建てよう
この記事では、狭小住宅の間取り実例やメリット・デメリット、取り入れたいおすすめアイデアについて解説しました。
狭小住宅と聞くと生活しづらいイメージがありますが、アイデアや工夫しだいで住みやすい家にすることが可能です。
土地が狭いから家を建てることを諦めるのではなく、どうすれば生活しやすい間取りにできるか考えて狭小住宅を建てましょう。