【津山の心】岡山県北部民が激愛する弁当チェーン『つるや』の名物「唐揚王(からあげおう)」は王を名乗れるだけの器である!!!
岡山と鳥取(私の地元)はお隣同士だが、主に都会度を表す都道府県カーストにおいて、順位に大きな差がある。理由は “新幹線が通っているか否か” に起因するところが大きいと思う。あと千鳥と藤井風。
そんな岡山も、実は南部と北部とで都会度に雲泥の差があることをご存知だろうか? 新幹線が走っているのは県南部であり、北へ向かうにつれ秘境感が増してゆく。最北部ともなると “鳥取へ買い出しに来る岡山県民” もいるほどなのだ。
今日はそんな陸の孤島みと哀愁を秘めた岡山県北部で、圧倒的に愛されている弁当チェーン店をご紹介したい。きっと最後は「レンタカーを借りてでも行きたい」と感じるだろう。
・『つるや』とは
『つるや』は、岡山県北部の砦・津山市を中心に28店舗を展開するお弁当屋さん。
私は長らく「岡山全域にある弁当屋」と思っていたのだが、北部にしかないと最近知って驚いた。鳥取県中部から津山を通過して岡山市へ向かう道中には、幾つもの『つるや』が点在している。
「岡山県北部民と鳥取県南部民にとっておなじみの店」と呼ぶのが正しいかもしれない。
数ある『つるや』の店内は、多少の形状の差はあれど、だいたい全部こんな感じ。
お弁当もさることながら、とにかくお惣菜の品数が豊富なのが特徴だ。いま気づいたけど私、『つるや』でお弁当を買ったことがないかもしれない。イカ唐やら焼き鳥をガサッと買い込み、車内で食べながら岡山市内を目指すのが鳥取県民流。
カップ麺やスナックのほか、岡山のご当地パン『キムラヤのパン』がフルメンバーで並んでいる点はテンション上がる。ものの10分で鳥取に突入する距離の『つるや』にも、キムラヤがバッチリ勢揃い。「あぁ、岡山に来たなぁ」って感じする。
また食堂が併設されていて、出来立ての丼やら麺類をテイクアウトすることも可能。もはや弁当屋というより「弁当も売ってるレストラン」説ある。
・唐揚げの王
さて。そんな『つるや』で長く看板メニューを務めているのが……
唐揚げである。それもただの唐揚げではない。
「唐揚王(からあげおう)」である。
自らを唐揚げの王と名乗る『つるや』の唐揚王は、6個入り税込630円、4個入り税込420円。大きいのを買ったら割安とかは無いらしい。
唐揚王はかつて量り売りだった。これでもか! と盛られた唐揚王の山から好きな量をパックに詰める瞬間は、ディズニーランドへ来たかのようなトキメキを感じたものだ。あれほど大量の唐揚が売り切れるのだから、北部とはいえ、やっぱ岡山って都会なのかもしんないな〜。
で肝心の味はというと、見た目のとおり“テイクアウトに全振りした唐揚げ”である。唐揚げには様々なタイプがあるが、中でも「ジューシーなやつ」「フワフワしたやつ」などは長時間の持ち運びに適さない。なぜならベチャベチャのギトギトになるから。
そこへきて唐揚王は小さめにカットした鶏肉に薄めの衣をまとわせ、カリッカリに揚げてある。そうすることで水分と油分を極限までカットし、冷めてもおいしい……否、「冷めてからが本番」な唐揚げへと昇華しているのだ。
こう聞くと「揚げたてよりは劣るのかな」とお思いの読者もおられるかもしれないが、さにあらず。恐るべきことに冷えた唐揚げ王は、そこらへんの揚げたてより断然ウマい。もちろん好みにもよるが、味濃い系ガリガリ唐揚げ好きなら必食の味だ。
ごらんください。この芸術的な皮のハジケっぷりを。
これなんてほとんどスヌーピー。
こっちは完全にミッキーマウスじゃないか。
見ているだけで口ん中が唐揚げ味でいっぱいになる……まさに唐揚げの王!!!
・『つるや』へ行かないか?
なお先ほどフライングでお伝えした、店内で食べられる店舗メニューもメッチャ人気。
弁当とどっちがメインか、マジで分かなくなるくらいメニューある。
個人的にはカレーがオススメ! (※ 画像は店舗限定『唐揚げカレー』)
岡山駅から最寄りの店舗まで車で約1時間かかるので、「ちょっと岡山に立ち寄りました」程度の軽い気持ちじゃ『つるや』に辿り着くことはできない。ただ『つるや』へ向かう道中に、見たことのない岡山の景色が広がっていることは確かだ。
「当たり前」と言われてしまえばそうかもしれない……それをふまえた上で、あえて秋の旅行は『つるや』へ行ってみないか!?
参考リンク:つるや
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.