五百城茉央・山村隆太「自分をもっと信じて、もっと傲慢にわがままになったほうがよかった」#春からの君に伝えたいこと
人生の先輩である著名人の方々から、春から新生活、新しい学年が始まる大学生のみなさんに、エールを送る「春からの君に伝えたいこと」。
今回はドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』に出演している乃木坂46の五百城茉央さんとflumpoolの山村隆太さんが登場。これまでの経験を振り返って、お二人それぞれの視点で学生へのアドバイスをくれました。
【写真】五百城茉央・山村隆太の撮りおろし五百城茉央、山村隆太が<春からの君に伝えたいこと>
1.自分をもっと信じて、もっと傲慢にわがままになったほうがよかった
――学生時代にやっておいたほうがいいと思うことはありますか?
山村隆太(以下・山村):僕は親の考え方とかに影響を受けやすかったので、自分をもっと信じたほうがよかったし、もっと傲慢にわがままになったほうがよかったなと思います。悪い意味で真面目すぎたというか、人に嫌われたくないとか、自分が傷つきたくないから人に気を遣いすぎていたところがあって。やりたいことやすごく大事な大切なものが自分の心の中にはあるのに、それにいつの間にかブレーキをかけちゃっているような大学時代だったんです。大学に行ったのも親が「行ったほうがいい」と言うからで、行かせてもらったのはありがたいことだけど、人生に保険をかけているようなところもありましたし。でも、もし孤独になったとしても、もっと周りにめんどくさいやつと思われるくらいのほうがよかったなと思います。今ってみんな人がよすぎるし、優しすぎるなと思うんです。そうじゃないほうがいいよなと思うことも多いので、人生の先輩としてというのはおこがましいですけど(笑)、僕がした後悔としてみなさんの心にも留めておいてもらえたらなと思います。
五百城茉央(以下・五百城):私のちゃんとした学生生活は高1で終わっているので、やっぱり行事とかにもっと参加してみたかったなと思うんです。なので、そういうことを楽しんだり、やってみたいことはなんでもトライしてみたらいいと思います。そのほうが絶対に後悔なく生きれそうだなと思います。私はやりたいことがあったとしても恥ずかしかったり、勇気なくてやらなかった人間だったんですけど、乃木坂46のオーディションのときは自分からやってみたんですよね。それでひょんなことから受かって今に繋がっていて。そうやって勇気を出したらつまんないと思っていることとも変わるかもしれないので、もし何かに興味があったら踏み出してみたらいいと思います。
2.「左胸の勇気」を聞くと何事も前向きにやってみようという気持ちになれる
――新生活を送る学生におすすめの乃木坂46、flumpoolの楽曲を教えてください!
五百城
:「左胸の勇気」です。すごく明るい曲なんですけど、私はこの曲を聞いて勇気をもらったり、ちょっとうるっとくることもあって。何事も前向きにやってみようという気持ちになれると思いますし、周りにいるみんなの力ってすごく大きいんだなとも思いますね。乃木坂46は背中を一押しする曲が多くて、「歩道橋」もおすすめです。聞いていただけたら嬉しいです。
3.「Keep it up!!」を聞けば明るい気持ちになる
山村:「Keep it up!!」という曲は、自分の中にある透明なものが曇っていちゃうようなこの世の中で「自分らしく、そのままでいいよ」と歌っている曲で、おすすめしたいですね。何か頑張ってみようと思うきっかけを自分の中にあるモチベーションとか根性に頼ろうとすると壊れちゃうので、自動的にこの曲を聞けば明るい気持ちになるということを目指して突き詰めた曲です。ぜひ聞いてみてください。
毎日が面白くないと思って生きている人にとって面白みを掴むきっかけになれば
――お二人が出演するドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』が4月からスタートしますが、作品についてどんな印象を持ちましたか?
五百城
:私が演じる茜は天才で、毎日をつまらないと思っている中で(山村さん演じる)黒川に出会って人間として惹かれて、自分も犯罪に手を染めていくので、黒川と出会わなかったらこの物語は何も起こっていなくて。それだけ茜にとっての黒川の存在はすごく大きいものなので、そこを表現できたらいいなと思っています。
(C)カンテレ
山村:人生が楽しくない、面白くないみたいな気持ちはきっと誰しもが持っていて、茜もその一人で。でも黒川と出会うことによって人を試したり、理解しようとしていくんですけども、茜が天才がゆえにいろんな事件を起こしすぎてしまう、ちょっと予想外な展開になっていくんですよね。それはフィクションであり、非日常的なことかもしれないけど、そういった人を理解しようとするトライアルみたいなものが、茜のようにどこか毎日が面白くないと思って生きている人にとって面白みを掴むきっかけになったり、ふさがっていたものが開くようなものになればいいなと思いました。
――今回共演して感じた、お互いの第一印象を教えてください。
五百城:もともと存じ上げていたので、「山村さんだ!」と思いました。お会いしたばかりのときはミステリアスな雰囲気だと思っていたんですけど、ついこの間撮影したときはめっちゃ関西弁で喋ってくれて、そこで少し打ち解けたかなと思っています(笑)。
山村:すごく嬉しいです。最初に会ったとき、五百城ちゃんはすごく不思議な表情している感じがしましたね。この作品はものすごく難しいから、本読みでもみんなが頭を悩ませながら一生懸命に理解しようとしている中で、どこか「もっと頑張んなきゃ」みたいな気迫を感じて、そんなに頑張らなくてもいいのにと思っていました。その「理解しようとするけど、できない歯がゆさ」みたいなものは茜と通ずるところかなというのが第一印象ですね。
五百城:演技の仕事をやってみたいなと思っていた中でいただいたお話だったので、嬉しかったんですけど、いきなり連ドラの主役というのは「おお、びっくりだ」という感じで。それに台本も役柄も難しくて、いろいろ自分で考えて、でもそれが正解なのかわからなくて。今もたくさん監督とかと話し合って考えつつやっているんですけども、まだぐるぐる回っています(笑)。
山村:でもすごく器用だなとも思いました。昨日も監督と話しているのをちょっと聞いていたんですけど、あるシーンで「それだとちょっとかわいく見えちゃうな」という監督からの要望があって、五百城ちゃんが演じるからやっぱりそうなるじゃないですか。でもそれを言われたあとのシーンでは雰囲気が変わっていたので、その対応力みたいなものはすごいなと感じていましたね。
五百城:ありがとうございます。嬉しいです。
山村:でも関西弁はめっちゃ意外でしたよ。関西を捨てた方なんだと思っていたから。
五百城:なんでですか!(笑)
山村:こっちに来て三年でしたっけ?
五百城:三年です。でも捨ててないですよ(笑)。
山村:冗談です(笑)。
このドラマが日々の楽しみのひとつにしていただけたら嬉しい
――現場に入って、実際に演じてみた感触はいかがですか?
五百城:黒川が茜を脅かすくらいの気迫で怪しさ満点のシーンがあるんですけど、もし自分の目の前にあの黒川がいたら「めっちゃ怖い!」と感じると思うんです。でも茜は多分その感情ではなくて。教室にいるときは「学校はつまらない」「なんなんだ、この人たち」と思っているけど、黒川といるときは思ったことが顔に出ることが多くて、出ちゃう自分にもイラついたりするから普通の高校生に近くて。その全然違う感じを見せないといけないし、黒川に対する「この人、面白いな」というか、憧れのような感情を見せるにはどうやったらいいんだ……と考えながら演じているかなと思います。
山村:観続けていくと、五百城ちゃんが演じている難しさや高度なものが暴かれていくんだと思うんです。とんでもなく難しいものを背負いながら演じているなと思いますし、今後の予想外な展開としても楽しみにしていてほしいです。
――最後に見どころを教えてください!
五百城:この物語は考察をして楽しめるミステリーですので、私が「この曜日はこのドラマがあるから帰るのが楽しみ」と思っていたように、友だちやSNSでも話しながら盛り上がって、日々の楽しみのひとつにしていただけたら嬉しいなと思います。
PROFILE
五百城茉央
2005年7月29日生まれ、兵庫県出身。「乃木坂46」の5期生としてデビュー。2025年1月25日に1st写真集『未来の作り方』を発売。単独でCMにも出演する他、ラジオMCを隔週レギュラーで務めたりと活躍は多岐に渡る。本作が地上波ドラマ初出演にして初主演を務める。
PROFILE
山村隆太
1985年1月21年生まれ、大阪府出身。2007年にflumpoolを結成し、翌年に配信シングル「花になれ」でメジャー・デビュー。2017年には月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』で俳優デビュー。3月5日(水)に6枚目となる待望のニューアルバム『Shape the water』がリリースされた。
カンテレ×FODドラマ『MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です』カンテレ:毎週木曜24:15-24:45/フジテレビ:毎週木曜26:15-26:45/カンテレ1話放送直後からFODにて1週間の先行配信
(C)カンテレ
偏差値78超、東大進学率No.1の進学校・清爛学園で、創立以来初の入試全教科満点で入学した天才高校生・仲野茜は、頭が良すぎるせいで“世の中がつまらない”と退屈し、生きる意味を見いだせないでいた。しかし、街で起こったある殺人事件と、その犯人と思われる青年・黒川悠との出会いをきっかけに、まだ見ぬ世界≪犯罪の世界≫にひかれて、学校で小さな事件を起こし始める—。
やがて学校内で本当の殺人事件が発生。
さらにそこから、日本を震撼(しんかん)させる未曽有の連続殺人へと発展して…。
https://www.ktv.jp/madder/
取材・文/東海林その子
撮影/三橋優美子