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「キウイ」が日本に届くまでの工程が“想像を超える厳しさ”だった【ニュージーランド現地取材】

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「キウイ」が日本に届くまでの工程が“想像を超える厳しさ”だった【ニュージーランド現地取材】

私たちが普段、何気なく手に取り、口にしている甘くてジューシーなキウイフルーツ。その一つひとつが、実は驚くほど厳しい品質管理と検査を経て、ニュージーランドからはるばる日本に届けられていることをご存じでしょうか? 見た目も味も、まさに“選び抜かれた一品”。 saita編集部は、そのキウイのクオリティの裏に隠された、知られざるキウイの秘密を探るため、キウイフルーツの生産地として世界的に知られているニュージーランドへ現地取材に行ってきました。

その1.産業の秘密~ゼスプリ本社に訪問

ゼスプリの本社があるのは、ニュージーランド北島に位置するタウランガ。

外観も内観も緑や赤を基調としたキウイカラーで統一されています。キウイブラザーズもお出迎えしてくれました!

ところで、みなさんは“ゼスプリ自身がキウイを育てているわけではない”ことをご存じでしたか?
意外に思われるかもしれませんが、ゼスプリは果物の生産者ではなく、「キウイフルーツブランド」として、販売する権利を持っており、世界中に高品質なキウイを届けるための仕組みづくりや品質管理などを担っています。

おいしいキウイが私たちのもとに届くまでには、生産者、パックハウス、船会社、そして流通業者など、数多くのパートナーの力が欠かせません。ゼスプリは、その中心となってキウイの価値を世界中に届けているのです。

特に重要なのが、ゼスプリキウイを育てる“生産者たちの存在”です。ニュージーランドには約2,800人の生産者がいて、ゼスプリは生産者たちが安心して高品質なキウイを育てられるようにサポートを行っています。

そして、収穫されたキウイは全国に40か所あるパックハウスで丁寧に梱包され、品質が保たれた状態で出荷されます。

日本への輸送は、船を使い、10日に一度程度、1,500~5,000トンものキウイを冷蔵状態で輸送。約10日間かけて、日本に新鮮なまま届くように出荷されています。
ちなみに、ゼスプリのキウイは世界50か国以上で販売されていますが、日本はニュージーランド産キウイの輸出先として、世界で第2位を誇ります。それだけに、日本市場へ届ける品質や輸送体制は高い基準が求められています。

実際にどのようにキウイの品質チェックをしているのかも見ていきましょう。

その2.品質の秘密~キウイの“成熟度”を調べる研究所に訪問

続いて訪問したのは、Hill Laboratories(ヒル ラボラトリ―ズ)。ここは、キウイフルーツの品質管理のために成熟度を調べる研究施設です。

「繁忙期は、日が昇ると同時に私たちの仕事もはじまります。」と話すヒル ラボラトリ―ズのブラッドさん。繁忙期は300人のスタッフ総出で、週7日、朝の6時から夜10時までお休みなく出荷準備がされているのです!
実際にどのようにキウイの成熟度がチェックされているのでしょうか?

キウイのおいしさを見極める【6つの厳密なチェック項目】

ヒル ラボラトリーズでは、出荷する前のキウイフルーツの成熟度と品質を厳重にチェックし、徹底した検査が行われています。検査することで、キウイフルーツの現在の状態を詳細に知ることができます。

1.重さ
コンピューターを使い、果実一つひとつの重量を計測し、輸出基準に適しているかを確認します。

2.硬さ

キウイの皮を少しカットして果肉の硬さをチェックします。フットペダルを踏むと、8mmの深さまで針が入り、現在の果肉の硬さを測定することができます。この検査を通して、生産者やパックハウスに「このキウイは、もう少し出荷を待った方がいい」「出荷できる状態」「もう保存した方がいい」などのキウイフルーツの“今の状態”を知らせることができるそうです。

3.果肉の色
1つ前の工程で行った硬さチェックでカットした場所よりも、さらに深い部分をカットして果肉の色をチェックします。

4.ドライマター

果実に含まれる水分以外の“乾いた果肉の充実度”を測定する工程。一つのキウイサンプルから3mmの薄さにスライスし、「水分がある状態のキウイ」と「乾かした状態のキウイ」を比較します。そうすることで果肉の詰まり具合や、甘みなどをチェックすることができるのです。

5.糖度
キウイの糖度を測定します。ただしキウイは収穫後、船で輸送されている間にも糖度が上がっていくため、ここでは初期段階としての確認です。

6.種の色
グリーンキウイのみ“種”がしっかり黒くなっているかをチェックします。中の種の色をチェックすることで、収穫してもいい時期かどうかを確認することができます。

こうした6つの厳格な検査をすべて通過したキウイだけが、日本の市場に並び、私たちの食卓へと届けられているのです。日本で食べるキウイがおいしくて甘いことに納得しました。

検査に通らなかったキウイの行き先は……

トラックに無造作に積まれたキウイは、検査に通らなかったり傷がついているもの。これらのキウイは家畜の餌になるとのことです。パッと見た感じ「まだまだ食べられそう……。」と思ってしまいましたが、それだけ厳重な品質管理が行われている証拠です。牛や豚さんも好んで食べるそうですよ。

その3.“最高品質のみ”日本に届けられる~パックハウスに訪問

続いて、パックハウス DMSにも訪問しました! 日本でいう「選果場」です。

案内してくれたのは、アシスタントサイトマネージャーのRick Limmer(リック リマ-)さん。
「DMSは、キウイフルーツのマネジメントをすることを目的に1989年にスタートしました。オーチャード(キウイ園地)のマネジメントからはじめ、その数年後からパッキング作業も開始しました。」と話すリックさん。

当初は小さなパックハウスだったそうですが、成功を重ね、2006年に今回訪れている大きな施設になったそうです。

日本に届けられているキウイは形も大きさも“最高品質のみ”

DMSでの重要な役割の一つが“キウイのクオリティチェック”です。グローバルスキャンという360°カメラで4方向からキウイの品質をチェックします。形や大きさなどのクラス分けを行い“1番クオリティの高いクラス1のキウイのみ”日本に輸出されているんです!
続いて品質の高いクラス2はニュージーランド国内へ、そしてクラス3は家畜の餌になるようで、キウイフルーツの産地ニュージーランドより日本に届けられるキウイの方が品質が高いとは驚きです……!

カメラや機械だけに頼らず、手作業でもキウイのチェックがされていました。

クオリティチェックを受けたキウイは仕分けされており、キウイ一つひとつにバーコードがつけられ、大きさや重たさによって緑、青、薄い緑などバーコードの色を変えて管理されています。
サイズによって出荷される国も異なりますが、その中で日本は大きいサイズが好まれており、大きいサイズを示す緑色のバーコードがついているキウイが出荷されています。そして品種やサイズ別に丁寧に箱詰めされます。

多少変更はあるものの、グリーンキウイが100~120g前後、サンゴールドキウイは100~170g前後の大きさを中心に日本に出荷されています。

「おいしい理由」はちゃんとある!

ここまで3回にわたり、ニュージーランド産ゼスプリのキウイフルーツの魅力を紹介してきました。いつ食べても“甘くておいしい”理由は、偶然ではなく、栽培から出荷に至るまで多くのプロフェッショナルたちの情熱と努力が詰まっているからこそ。

今まで知らなかったキウイの背景を知ることで、普段何気なく食べていた果実が、より特別な存在に感じられるのではないでしょうか。今が旬のキウイ、ぜひ日々の食卓に取り入れて、おいしく、健やかな毎日をお楽しみくださいね!

saita編集部

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