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猫にも危険な『喘息』の症状5つ 原因や治療法から飼い主にできることまで解説

ねこちゃんホンポ

︎猫喘息とは

猫喘息はなんらかのアレルゲンが猫の呼吸によって吸い込まれる事で、気管支に慢性的な炎症が起こり、それによって咳や呼吸困難などの症状が見られる、アレルギー性疾患です。

︎原因

猫喘息はアレルゲンなどの何らかの原因によって気管支に炎症が起こり、呼吸器症状が現れます。それは、埃やカビなどハウスダストのこともあれば、食べ物、花粉、芳香剤、タバコの煙などが原因となっている場合もあります。

︎症状

1.咳

人の喘息の症状と似ており、咳が初期症状として見られます。

猫の咳は分かりにくく、吐き気と間違えてしまう方もいますが、「ゲッーゲッー」と首を前に出して吐きそうな咳もあれば、「ケッケッ」と軽い咳を連続してする咳もあります。

猫の咳は吐く前のお腹の動きや音と似ています。実際、咳をしすぎてそのまま吐いてしまう場合もあるため、吐き気と間違えないよう注意が必要です。

動物病院を受診する際に咳をしている動画を見せれば獣医師が診断する際の参考になるため、可能であれば動画を撮りましょう。

2.努力性呼吸

症状が重症化すると、呼吸困難になり胸を大きく動かす努力性呼吸が見られます。

この呼吸が見られた時にはかなり症状が悪化しており、苦しいことにより食欲低下や元気消失も見られることが多いです。

3.呼吸回数の増加

猫の正常な時の安静時呼吸回数は、1分間で20-30回です。安静にしている時にこれよりも多い場合には、呼吸が苦しくなっている可能性があります。

猫の呼吸回数を測定する際には、「息を吸う→胸が膨らむ→胸が凹む」を1回とカウントし、それを15秒間数え、4倍にします。

安静時の呼吸回数は猫によっても違うため、飼い猫の正常時の呼吸回数を数えておくことが大切です。

猫は動物病院など緊張する場面では呼吸が正常でも速くなるため、可能であれば自宅での呼吸回数も動画を撮っておくと、獣医師が診断する際の材料となります。

4.開口呼吸

猫は犬と違い正常時に口を開けて呼吸することはありません。猫が口を開けて呼吸をしている時は、体内の酸素濃度が減っておりかなり苦しい状態です。

開口呼吸をしている場合には、猫喘息以外にも命に関わる病気が隠れている場合もあるため、すぐに動物病院を受診しましょう。

5.チアノーゼ

酸素が取り込めなくなり、全身の酸素濃度が著しく低下すると、舌が紫色になるチアノーゼと呼ばれる症状が見られます。

チアノーゼは緊急処置をしなければそのまま亡くなってしまう可能性もある、かなり危険な状態です。

チアノーゼは実際にその色を見たことがないと判断が難しい事もあるため、インターネットなどで検索して実際の色を事前に知っておくことが大切です。

チアノーゼが見られた場合には一刻を争うため、少しでも早く動物病院を受診しましょう。

︎動物病院での治療法

猫喘息の治療は内服薬や、吸入薬が中心となります。

ステロイドや気管支拡張薬の薬を、飲み薬かネブライザーと呼ばれる機械で猫に薬をそのまま吸ってもらう方法があります。

呼吸困難を伴う重症化の患者では、酸素室での入院管理が必要な事もあります。

治療を続ける中で、アレルゲンとなる物質を特定するための血液検査を行う事もあります。

︎飼い主さんにできる治療法

猫喘息の治療において選択肢の一つとなり得るのが生活環境の改善です。

猫が生活している環境から原因となることが排除されれば症状は改善されていきます。

まずは、猫の生活環境の見直しを行いましょう。

ノミやダニの死骸が溜まりやすいベッド周りや、カビが発生しやすいエアコンなども原因の一つとなり得ます。。

また、空気清浄機を部屋に置く事もハウスダストや花粉が原因の場合には有効です。

屋外に出る猫では、猫喘息の治療中では室内で過ごすようにしましょう。屋外の花粉が原因であった場合、室内で暮らすだけでもかなり症状が改善される場合もあります。

人と同じく、花粉は季節性の症状のため、ある時期を過ぎると咳が止まる場合には花粉が原因の可能性があります。

そして、猫の気管の炎症の刺激となるものは徹底的に無くさなければなりません。

タバコの煙や芳香剤はそれ自体が猫喘息の原因となることもあれば、気管の炎症によって敏感になっている気管に刺激を与え症状を悪化させる事もあります。

また、芳香剤以外でも香水、ボディスプレー、ヘアスプレー、ルームフレグランス、柔軟剤、アロマなど、香りのあるものは全て刺激となるため、治療中は特に注意しましょう。

︎まとめ

猫喘息は初期では軽い咳だけですが、治療をせずに重症化してしまうと、気管が肥厚してしまい、治療をしても改善しなくなってしまう事もあります。

また、猫が咳をする場合には猫喘息以外にも、肺がんや心臓病など別の病気が隠れている場合もあります。

猫が咳をしていたり呼吸がおかしい場合には、動物病院を受診して検査を受けることが何よりも重要です。

猫の呼吸の異常は「なんとなく呼吸が速いかもしれない」と判断に迷う飼い主さんも多いです。

正常な時の呼吸回数は猫によって多少差があるため、健康な時の呼吸を動画で撮っておくと、万が一の時に呼吸の異常を見つけるのに役立ちます。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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