【ルーキー通信簿】ヤクルトはドラ2松本健吾とドラ4鈴木叶が鮮烈デビューも勢い続かず
ドラ2松本健吾はプロ初登板初先発で完封勝利も…
今季もニューヒーローが数多く誕生したプロ野球。西武のドラフト1位左腕・武内夏暉がパ・リーグでは7年ぶりとなるルーキーでの新人王に輝くなど、新人選手たちの活躍も光った。
そこで今年のルーキーたちが一軍でどのような活躍を見せたのか、球団ごとに通信簿を作成した。投手は「球威」「制球力」「奪三振」「総合」、野手は「パワー」「選球眼」「走力」「貢献度」のそれぞれ4項目について、5段階で評価している。
今回は2年連続の5位に終わったヤクルトのルーキーたちを見ていく。
まず投手ではドラフト2位の松本健吾と同3位の石原勇輝が一軍マウンドを踏んだ。
松本はプロ初登板初先発となった5月15日の広島戦で9回3安打無失点、プロ初完投、初完封勝利と鮮烈なデビューを飾った。ただ、以降2試合はいずれもゲームをつくれずに序盤で降板。結局、一軍での登板はその3試合のみに終わり、1年目は1勝1敗、防御率4.40の成績だった。
投手の各項目は球威がリーグの平均球速、制球力は同BB%(対戦打者に占める与四球の割合)、奪三振は同K%(対戦打者に占める奪三振の割合)、総合は同FIP(投手の責任である被本塁打、与四死球数、奪三振数のみで投手の能力を評価した指標)から算定した。
松本はストレートの平均球速が143.7キロ、K%は20.0%と、ともにリーグ平均並みで球威と奪三振評価は「3」。一方で、BB%は1.7%と驚異的な数字を残し、制球力は最高評価の「5」、FIPは3.65でリーグ平均(3.23)をやや下回り、総合評価は「3」となった。即戦力と期待されながら1年目は悔しい結果に終わった。来季は先発ローテの一角に食い込めるか、真価の問われるシーズンとなる。
石原はシーズン終盤の9月20日に一軍へ初昇格し、22日のDeNA戦でプロ初登板。4番手として1イニングを投げ、1安打1失点の内容だった。一軍での登板はこの1試合のみで、二軍では中継ぎとして25試合に登板し、0勝2敗、防御率6.04の成績だった。来季は貴重な左のリリーバーとしてブルペンの戦力となれるか注目だ。
ドラフト1位の西舘昂汰は即戦力の期待も大きかったが、1月の自主トレからノースロー調整となかなかコンディションが整わず、実戦は二軍で5試合に登板したのみ。9月には右肘のトミー・ジョン手術を受け、来季は育成再契約となった。
野手は鈴木叶と伊藤琉偉がともに一軍を経験
野手ではドラフト4位の鈴木叶、同5位の伊藤琉偉が一軍デビューを飾ったが、ともに出場数が少なかったため、評価対象外となった。
鈴木は6月11日に一軍初昇格すると、翌12日のソフトバンク戦に「8番・捕手」でプロ初出場。2安打2打点の華々しいデビューを飾った。ただ一軍では、もう1試合に途中出場したのみ。二軍では57試合に出場して打率.196、2本塁打、20打点の成績だった。このオフは1年間戦える体力をつけ、来季はより多くの一軍経験を積みたいところだ。
伊藤は一軍では主に代走、守備固めとして6試合に出場、打席には9月11日の中日戦で1回立ったのみで、プロ初ヒットは来季以降にお預けとなった。
【関連記事】
・ヤクルト2025年コーチングスタッフ 吉岡雄二氏、坪井智哉氏ら7人が新たに入閣
・【ヤクルト】守護神・田口麗斗が3位に浮上、青木宣親が大幅ダウン 2024年俸ランキング
・【ルーキー通信簿】中日は期待のドラ1草加勝が入団直後にTJ手術、一軍出場は尾田剛樹ら3選手のみ
記事:SPAIA編集部