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若者文化の歴史たどる 「路地の記憶」展始まる ネットミュージアムで

タウンニュース

等々力緑地でBMⅩの練習に集まる若者たち(画像提供:堀井明氏)

「路地(ストリート)」で生まれた若者文化の源泉をたどり、川崎のストリート文化の歴史を紹介するオンライン展覧会「路地の記憶ヒップホップ的なるものの社会史」が7月1日から、市民ミュージアム(麻生区)のウェブサイト「the3rdAreaof“C”―3つめのミュージアム―」で始まった。来年3月31日まで。

パリ五輪では、川崎でも若者文化として定着した「ブレイキン」が追加競技として採用された。川崎がストリートカルチャーの世界的「聖地」となりつつあることを背景に、今回の展覧会では路上発の文化を歴史的にたどり、国内外のストリートカルチャーの軌跡をひもとく。

第1章の「戦前日本の路地の記憶」では、庶民の娯楽や「落書き」「大衆文化」などの歴史を紹介。第2章の「路地の文化」では、戦後復興期に若者の間に芽生えたアメリカ文化へのあこがれと、アメリカでヒップホップが誕生した背景を詳説する。

そして第3章は「21世紀のストリートカルチャー」。「チッタグループ」の足跡を軸に、戦後の映画館の再建からシネマコンプレックス「チネチッタ」の誕生(1987年)へと続く「川崎映画街」の歴史や、88年の「クラブチッタ」開設からヒップホップやブレイキンなどの若者文化が川崎に根付いた経緯を解説。町の「落書き」がグラフィティとしてアートへと昇華した背景なども視覚的に伝える。

市民ミュージアムの担当学芸員は「パリ五輪で採用されたブレイキンでは、武蔵溝ノ口駅前が『聖地』として世界的に知られています。ストリートカルチャーが川崎に根付いた20間年の歴史と、世界史や日本史の大きな流れとの接点を感じてもらいたい」と話す。

展覧会ページは【URL】https://www.kawasaki-museum.jp/thirdarea/

1935年ごろの現チネチッタ建設予定地(株式会社チッタエンタテイメント提供)

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